40.ノータッチ
――命の重み。
このユグドラシルに置き去りにされ、何度も失いそうになるたび底知れない恐怖が胸の奥に刻まれた。
だからこそ、その魂を人へ差し出すという行為とそれを縛られるということがどういうことか......フェイルは知っている。
命は重い。それは命が生物の全てだからだ。
しかし、フェイルはその上で僕に渡すといっている。見る限り、そこには嘘もない。だったら......。
「わかった。 君がそれでいいなら、肉体を創造魔法で作ろう......ただ、魔力回路は作れないから僕からのマナを共有して使ってくれ、あ」
そこでレイが気がつく。自分が魔法を使えない事を。
「フェイル、マナで魔法つかえるかな......」
「......どうして?」
「歴代のマナ使い、つまり勇者の血筋の人間は属性魔法が使用できないんだ。 なぜかは知らないけど、精霊に嫌われていて契約を拒否される。 ちなみにそういう理由でノルンも魔法は使えない」
ただ攻撃の際にはオーラの形を炎や雷をイメージして形づくることが多い。具体的な『力』を想像することで、燃やしたり電気を走らせたりは出来ないが、威力を高める事が出来る。
創造魔法にイメージが重要なのだ。しかしそれ故に知らないものや作り出せないものは結構あったりする。
フェイルは小さくうなずく。
「......そう、なんだ......でも多分大丈夫」
「大丈夫?」
「......私は半魔で、精霊には好かれているから......」
「そう、なのか......。 わかった、それじゃあ肉体を生成するから、部屋に行こう」
「......うん」
魂から肉体を創り上げるにはとてつもない集中と膨大なオーラが必要となる。
レイとフェイルは部屋をひとつ借り、恐らくは3日程かかるであろう創造魔法に入る。
「ノルンが魂の情報から外見までは形作ってくれた。 だからこのままの形で肉体を生成するけど、いいかな」
「......わかった......いいよ」
「うん。 それじゃあ、魂から情報を引き出す......触れるよ」
「......うん、どうぞ」
胸元を開き、そこにレイが手を触れる。そしてゆっくりとフェイルの胸に沈んでいく手に、彼女は声を漏らす。
「......ん、あ......ぅ」
「ごめん、痛いか」
「......だ、大丈夫......痛くない......」
魂を見つけたレイがそれにつながる。流れ込むフェイルの過去や記憶と想いの情報。
これは正真正銘、彼女の全てだ。
その全ての情報を僕の中で処理し、マナにより精密に紡ぎ出す。
そして、ゆっくりとフェイルの肉体が戻り始める。
――レイは、彼女の想いに触れた。
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