35.かける
すらりと伸びる四肢、半魔ゆえの妖艶な白き肌。
初めてみたその彼女の体は、綺麗という他の言葉も浮かばない程の美しさだった。
――事態をのみこめず数秒の間を呆け固まるレイ。
その数秒後、脳内で行動順位が優先付けられ、我に返ったレイは素早く後ろを向く。一方、フェイルは手に持っていた布を体にあて、頬を赤らめしゃがみ込んだ。
「......」「......」
(なんで! なんでフェイルが!? フツーに見てしまった!!)
レイは衝撃の連続で焦りだす。それに対しフェイルも――
(......なんで......あ、ノルンが出かけるって言ってたのはこのため?)
――ここにノルンが居ない理由を理解した。
「......レイ、あの......」
「ふ、フェイル! と、とりあえず、お風呂いってきなよ! 話は後だ!」
互いに聞きたいこと、言いたいことはあるだろう。しかし、今はとにかくこの状況を脱しなければとレイは急いていた。
「え、えっと......その」
「わかってる、わかってるから! とにかく今は!」
「違うの、そっち......に、浴室あるの。 だから」
「ん、え? あ」
ふと出入り口の横に目をやると、浴室の扉。
(あー!! そうだった!!)
「ごめん!!」
脱兎の如く凄まじいスピードで家をでるレイ。
――バンッ!!
外で「ふふん♪」と鼻高々のノルンが腕を組み立っていた。
「ん、あれ? もう話おわり? はやっ」
「いや、ノルンなんで!? なんでフェイルが!?」
「んな、お前、喜びすぎだろ〜。 はっはっは」
(どういう事!?)
「ノルンはフェイルが誰なのか知ってるのか!? 彼女は元僕のパーティーメンバーで、僕をこのダンジョンに置き去りにした一人だぞ!?」
ノルンはそれを聞いた瞬間、笑顔のまま固まった。そして数秒後、口を開く。
「......あ」
(そーーーだったあああ!!! いや......でも、あれ? レイの事めっちゃ大切そうにしとったから、大切な人ではあるのかなって......や、やべえ、こんな展開なると思っとらんかった! うわー、わしトラウマ相手を急につきあわせて最悪じゃん!)
焦りを見せるノルンにレイが状況の説明を求める。
「なんで彼女がここにいるんだ? ノルンが連れてきたのか?」
「いやぁ、なんつーかのう......まあ、ある意味連れてきたのかも」
「どういう事?」
「えっと、ねえ......フェイルが以前、ダンジョンの入口に来たときがあったんじゃが、そんときに『魂命石』を土産代わりにあげたんよ」
「な、なんで? え、じゃああれは......ノルンと同じ魂による霊体......いや、それよりなんでそんな事をしたんだ?」
「あいつ、お前を迎えに何度か来てたんよ。 しかも最後にあったときは単独で侵入しようとしておったんじゃ」
「ユグドラシルに、単独!? 僕を......なんで?」
(あれ、これ秘密なんだっけ? めんどくせ、ゲロっちまお! つーか言ったほうが良いだろ、これ。 こじれたらそっちのがヤバそう)
「......あいつお前を助けられなかったの後悔してたぞ」
「後悔......」
「詳しい事はフェイルの口から聞いたほうが良いが、あいつはもうお前の敵じゃない」
「......僕はあいつに命を奪われかけたんだぞ」
「じゃがフェイルも命をかけお前を迎えに行こうとした。 あの覚悟は本物じゃし、わしが止めねば死んでいた」
ノルンが目を閉じ、腕を組み直す。
「わかるじゃろ。 あやつはお前を本気で想っている、それこそ命をかける程にな」
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