33.最果て
アースガルズは、体中から伸びる木の根のような触手と、腰から生えている大きな人のような手が特徴。
輝くオーラが常に全身に巡り続け、それにより攻防共に瞬時に対応、全くと言って良いくらいの隙のない獣。
「久しぶりだね、アースガルズ......今度は僕一人だよ」
レイは腰に差したダガーを抜き、構えた。
『......ああ、お前......以前、私の首をかき切った人の子か。 随分と成長したな。 しかしどうしたことかな、その体まるでホンモノのバケモノに見えるぞ、クククッ』
「ああ、僕はもう人であることを捨てた......」
『捨てた? 逃げたの間違えだろう?』
背後からアースガルズの触手が飛んでくる。それをダガーで弾き落とし、更に追撃の触手を体をひねりかわす。
『お前の強さは、また別の処にあった筈だ......今のお前は逃げた先で道を探す愚者、まさにレイ! ハハハッ!』
攻撃の速度がぐんぐんと上がってゆく。しかし、レイは最小限の動きで触手をかわし、叩く。
「逃げた......確かに、そうかもしれない。 お前の言うとおりだ」
『!』
レイは足元にあった岩を蹴り上げ、それを殴りつけた。
アースガルズへと飛んでいく岩の欠片。しかし、無数の触手で素早く弾き落とす。
一瞬で砂のように粉々にされる岩片に近づくことすらも困難な事が理解できる。
一方、アースガルズは戦いのさなか、レイの成長に思いを馳せていた。
――あの時は全くと言っていいほどついてこれなかった私の触手の動きに容易に対応している......あの、よわよわしくも脆かった人の子が!クククッ、面白い!!
もっとだ......もっと、私を楽しませろ!!
「――な、なんだこれは」
アトラはレイとアースガルズの戦いを眺め、呆然としていた。
正確にはアトラには二人の動きは全くと言っていいほど見えておらず、姿はおろかオーラでの位置取りも出来ないほど。
わかっていた事ではあるが、レイとの実力差に悔しい気持ちが湧き上がる。
それは隣の少女も同じであった。
「アトラ、リアナ」
ノルンに呼ばれ二人は我に返る。
「あやつと一緒にいたいのなら、お前たちも相応に力をつけねばならんぞ。 それこそ、二人でこのダンジョンを這い上がれるレベルには、な」
ノルンは二人を見たとき、内心地べたに転げ回りたいくらいに嬉しかった。
外には居場所が無い。そう言ったレイが連れてきた二人。しかも一人は家族だという。
だからこそ、二人には力をつけてもらわねばと思った。レイのそばにいればいつ危険に巻き込まれるかもわからない。
ならば自衛できるくらいには、ならなければ。
この二人が悲しみに溺れぬよう、またレイも孤独に苛まれぬよう。
逃げ道を遮断、レイの先の先の先を読み手を高速で打ち続けるアースガルズ。
エリア内に触手が張り巡らされ、さらにその隙間を縫うように触手がレイを仕留めようと迫る。
その時、レイの動きが止まる。
――逃げ場の無くなった、最終局面。
アースガルズは口を大きく開け、オーラを集中。確実に仕留められるこの瞬間を待っていた。
しかし
それはレイも同じであった。
互いの勝利への道筋、活路を読み、積み重ねる。
そして集約されたそこに辿り着く。
――レイは放たれようとしているアースガルズの咆哮の数秒前、ダガーへとオーラを込めていた。
それをアースガルズへ向け投擲。
しかし、アースガルズはいともたやすくレイのダガーを躱す。
咆哮はフェイク。
アースガルズの本命、それは張り巡らせた触手のオーラ爆発。
――ズドドドオォーーーンッ!!!
触手に十分に巡らせたオーラはエリア内のあらゆる物を吹き飛ばす。
レイの意識を咆哮へと向け、無防備になった所へおこなわれる大爆発。迸る高密度のオーラによる爆炎。
「!! ......レイは!?」
「レイ!! 大丈夫ですかっ!?」
煙が晴れたとき、そこに残っていたのは――
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