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31.レート

 



 ユグドラシルは生命の樹。各層の主魔獣は死ぬとマナへ還り、また魂の情報を元に再構築される。


 主は10層ごとに存在し、B120はAランク魔獣。B130ではS+魔獣と急激に強さがあがる。


 加えて、フロアに生息する魔獣も相応にレートが上がる。(B130主魔獣S+→B131〜B139フロア魔獣は同じくS+、運が悪ければ〜SSSレートにも遭遇する事もある)



 ――ガシュッ


「ギャアアッ!!」


 黒い大型のモンスター、翼を広げれば四メートルはあろうかという鴉。

 長い脚が六本伸び、その全てに鋭い爪がそなわっている。


 SSレート『デュアルカアコス』


 その脚から幾重に撃ち放たれる連撃をレイはことごとくダガーで打ち払う。


 ノルンとリアナ、アトラは腕を組みレイの戦いを観戦。


「うむうむ、流麗でいてリズムの良い動き......攻撃を受ける刹那オーラを増幅しガードすると共に、的確に刃を打ち砕き敵の力を削っておる」


「なに......!?」「......え!?」


 アトラとリアナが驚きの眼差しをノルンへ向け、すぐにその爪に注目する。


 すると、確かに先程まで無数に連なっていたはずの爪が全て割れ、途中から無くなっていた。


「レイは元々の動体視力の良さもあるが、それだけではあんな芸当はできん。 オーラを体の周囲に広げそれに触れた物に反応し打ち砕いているんじゃ」


「なるほど......オーラの扱いの次元が違う」


「うんにゃ、そうでも無いぞ」


「え?」


「レイがあのレベルになるのに半年はかかっとる。 昔は酷いもんじゃったぞ。 今戦っとる敵も初戦では秒で殺されかけておったし」


「レイが......? 想像できないです」


「うむうむ。 幾度もの死線を越えて、苦しみ抜いて手にした力だからな......アトラよ、お前ならわかるじゃろ。 越えた者にしかわからない境地、命のやり取りを重ねた果ての強さが」


 実戦経験。命が奪われるかもしれないという状況、窮地において生物の「生きたい」「死にたくない」本能による力は大きな力を発揮する。


 それは、訓練や稽古などではいくら行おうが身につかない。


 どうすれば生き残れるか、どう動けばそのために敵を倒せるか。

 追い込まれれば追い込まれるほど、全ての神経は集中力が磨かれ、そこに集約される。


「......確かにわかるよ。 あいつがどれだけのモノを越えてきたか。 と、言うより俺はあいつと戦った事があるからな」


「む、ああ、戦ったことあるのか、アトラ」


「ああ。 多分、レイは俺を殺さないように気をつけて戦ってたんだろうな......やるきになればいつでも殺れてたと思う」



 ――ズズン、と揺れた地が、レイの戦闘の終わりをつげる。



「......終わったよ。 ちょっと時間かかりすぎた、ごめん皆」


「SSレートの群れを十分かからず......結構はやいじゃろ」



 レイの後ろに転がる30体のデュアルカアコスの亡骸を、リアナとアトラの二人は眺め呆然としていた。







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