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ザクロ

 




 ――ゴシャッ




 転がる白衣の研究者達。



 潰れた頭からは脳漿が滴る。




 それを掻き混ぜ、ひとすくい。



 口へもっていき、咀嚼する。




 ――ぐっちゃ、ぐっちゃ......じゅるっ、んぐぁ



「あぐあぐ、ふひひっ」





「......お、お前......ロキか」




 体を覆う黒いまだら模様と、立ち昇る禍々しいオーラ。



 魔族化施術を終え、半魔となったスグレンストが目の当たりにしたのは、一面の血と肉塊、そして臓物の海。



「あー? おまえ、スグレンスト......ふひっ、ひひっ、お前も喰うかぁ?? 意外とイケるぜぇ?」



 ロキは片手に持っていたなにかの腸をスグレンストに投げつけた。


 ズチャッ!!


 飛ばされたそれを近場にあった椅子で払いのける。



「てめえ、リーダー様だぞ? あああ? んで命令がきけねえんだあああ!? おまえ、いつもそーだったよなぁあ!?」



 スグレンストは幾千もの死線を越えてきた、紛うことなき高ランク戦士。

 勿論、格上の相手とやることも少なくなく、その度に死を覚悟した。


 が、それは死ぬかもしれない、という可能性の話。



 今、スグレンストが感じているのは、それとは比べることが出来ない、死の気配。


 スグレンストはロキだったモノと目が合うと、「ああ、俺は......ここで、こいつに殺される」と、はっきり理解した。


 ガタガタと震えだす脚にも気が付かず、タレ流れるそれにも気が付かず、逃げ出すタイミングを見計らう。

 しかし、脳内での計算虚しく






「ロキおまっ、がッッごぶふぁ!!?




 グシャッ!!!




 ボギィイッッ――......ブチュッッ、ブチィイ!!




 ――ブシャアッ




 ボタボタボタボタ......




 壁にめり込んだスグレンストの頭は、頭蓋もろとも中身が潰れた。



「あは★ 逝ってもわからねえやつは、殺るしかねえよなァ? けひひっ」




 ロキの中に眠る狂気、そしてヴィドラドールの血による拒絶のオーラにより、幸か不幸かギリギリの所で彼は自我を保っていた。


 人間性が欠落し、感情の制御もままならない化け物となりはしたが、望み通りの腕と脚が備わり、空腹を満たせる肉が山のようにあるこの場所で


 彼は




「......レイィイイ」



 新たな獲物を見定めた。







「お前の全てを......奪い喰らってやる」







 SSSレート、魔人ロキ・ヴィドラドール。








 ――蒼く光る眼が、闇の中蠢く。








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