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26.廃棄 (ロキ 視点) ★

 



 〜とある廃墟~



 一人の大男が怪我人を背負い、白虎地区の廃墟へと来ていた。



「おい、ロキ。 ついたぜ、ここだろ......お前の言っていた場所は」



「う、ん......あ、ああ、そうだ......」



 ロキはやつれた顔をあげ、身を隠すためのローブをよけた。



(白虎地区、元アルイダ医療施設の廃墟......盗み聞いた親父の話からすると、ここで秘密裏に再生医療の実験をしているらしい。 なら、俺の失った体も......)




「なあ、マジなんだろうな? ここでなら俺はもっと強くなれるってのは? 嘘だったらお前、頭潰してここに捨ててくからなァ」



「......本当だよ」



 ――脳筋野郎が。俺の体が戻るまで何とか言いくるめて、元に戻れたら逆に殺してやる。



「ふへへ、楽しみだなァ! 強くなればレイの野郎を嬲り殺せる! 早く強くなってあいつの歪んだ顔を拝みてえぜ!! あ、あとあの女もなァ......グチョグチョに潰してやんぜェ!」



 下卑た笑みを浮かべ、へらへらと幸せそうな妄想をするスグレンスト。



 ――しかし、こいつをレイが倒したというのは本当なのか?あのひ弱で軟弱なレイが?信じ難いな。


 ......だが、やつが王都にいるのも本当のようだ......それこそ信じられん話だが、あのユグドラシルから帰還したということになる。


(......いったいどんな手を使った)


 しかし......レイはおそらく俺のこの怪我を治せる......が、俺はレイを殺そうとした張本人だ。

 本来ならあいつに治させるのが一番楽だったが絶対に俺の怪我など治しはしないだろう......仕方ない。



「行こう、スグレンスト......」



「おう! んでどっからはいんだ?」



「正面からで良いんじゃないか? 門も開いているし」



 ――足を踏み入れた瞬間。




 ドサッ。





 意識が闇に飲まれた。




 朧気な頭で、ロキの耳に入る微かな誰かの声。




「......誰だコイツら」




「知らないな。 まあ、丁度いい実験体が二体欲しかった所だ」



「おお、それじゃあコイツら使おうぜ......あんと〜何だっけ、次の配合種」



「アンデッドだな。 再生幻蝶の『モルファナ』を組み込んだ改良品」



「アンデッドだぁ!? そんなもん配合したら体中腐って死んじまうだろが......あ? でも再生力のある幻蝶のモルファナで再生するのか」



「そう、アンデッドは痛みを感じない。 それに加え再生力を付加することに成功すれば、恐怖心のない無尽蔵に働く兵が作れる......っと、んな話は良いから運ぶぞ。 誰かに見られたら面倒だ」



「ああ、へいへい〜......よっと」








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