22.根
(ここに来る前、僕には考えがあった。国の手が及ばない場所......ひとつだけ僕は知っている)
タラゼド隊長との連絡は難しくなりそうだが、そこが一番安全だ。
場所自体は危険だが。
「僕はアーゴンをSSSランクダンジョン......ユグドラシル深層へ連れて行こうと思っている」
「なにっ」「「え」」「!?」「......!」
「......成程」
場にいた五人が驚愕するなか、ルーナだけはそれを予想していたかのように、「うん」と頷いた。
「確かにかの場所であれば国からの追手はおろか、誰も立ち入れない......そして貴方は今や『世界樹の王』皆を連れて最下層へと行くことも容易い。 良いと思いますよ」
柔らかく微笑むルーナ。
(ルーナは僕をここから逃したくないはずだが......すんなり話が通ったな。違和感を覚える......なんだこの感じは?てっきり教徒のひとりも連れて行けと言われると思ったんだけど、それもない......)
――......まあ、良いか。
「それじゃあ、ルーナ、すまないけれど今夜一晩泊めてもらって、明日の夜に王都をでようと思う、良いかな?」
アトラは監獄から逃げてきて疲労しているだろうし、リアナは度重なる心労でへとへとだろう。なるべく二人を休ませてあげたい。
「ええ、構いません。 それと......別ルートで王都から出る手はずを整えましょう」
「別ルート?」
「神門からではなく、他の出口からと言うことです」
「......そんな事が出来るのか?」
「出来ますよ......あ、これ他の方にはナイショですよ?」
人差し指を口元へ、片目をパッチリとじて悪戯に笑う。
これは......あざとすぎるだろう。
「それは勿論......お願い、します」
神門はその見た目を上回る巨大な神力の壁。それは見えはしないが空をくまなく覆い、王都の地中を全て埋める。
......一体、どこから出られるんだ?
にこにこと笑みを浮かべているルーナ。そこらへんの事情に深くつっこむべきではない、という自分の中の勝手な常識が問を喉元で留めた。
(......転送魔法、か?)
※転送・転移魔法は神命教徒のみが扱えるとされている魔法。この神域に花を通し移動する力もこの魔法が発動しているらしいが、神命教会で扱われる殆どの情報が機密情報であり、定かではない。
◆◇◆◇◆◇
――深夜、神域にある客室とされレイ達の借りている家。
寝室にはリアナの寝息がスースーと聞こえる中、レイはアトラへ、村で分かれてからこれまでの話をした。
「......そう、だったのか」
「うん。 だから、ごめん......」
――自分の口から言うつもりのない台詞がこぼれ出る
「?」
「僕は、君の事を......」
――彼の心を思えば、最悪だと......理解していたのに
「ああ......いや、いいさ。 肯定するわけじゃないが、お前の気持ちは痛いほど理解できるからな。 だからそんな顔をするな」
ふっ、と笑うアトラの優しさにレイの心が緩む。
「俺はあのとき、確かにお前に救われたんだから」
そういってアトラはレイの頭をぽんぽんとした。
――......アトラ......嘘が。
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