【静岡】夜泣き石
【遠州七不思議】
『夜泣き石』は遠州七不思議と呼ばれる話の中の一つ
他には『桜ヶ池の大蛇』『三度栗』『無間の鐘』『天狗の火』『子生まれ石』『遠州灘の波の音』等他にも幾つかある話を組み合わせて七不思議として語られているらしい
【夜泣き石の伝説】
お石と呼ばれる身重の女性が菊川の里で仕事をして帰る途中、陣痛に見舞われた
苦しんでいると轟業右衛門という男が通りかかりお石を介抱した
暫く介抱していたがお石が金を持っている事を知った業右衛門はお石を斬り殺し金を奪って逃げた
斬られたお腹から生まれた赤ん坊を助けるために死んだお石は石に乗り移って泣いた
泣き声を聞き付けたお寺のお坊さんが来てみると女の死体と赤ん坊と泣く石があった
赤ん坊は音八と名付けられお乳の代わりに水飴を与えられて育てられたという
その後音八は成長し刀鍛冶となった
ある日のこと男が刀を見せにきた
刃こぼれが生じていた刀を見ながら音八が尋ねると男は昔女を斬る際に刀が石に当たったと答えた
目の前の男が母の仇と知った音八は名乗りを上げ轟業右衛門と対峙し打ち勝って恨みを晴らしたという
【二つある夜泣き石】
伝説に語られる夜泣き石だが困った事に二つ存在している
一つは小夜の中山トンネル脇に祀られている石
一つは久延寺の中に祀られている石
どちらかが本物でどちらかが偽物という事になるのだが…
【小泉屋近くにある石】
1881年、明治天皇行幸の際に石は久延寺に移動させられた
その後、東京で見せ物にする為に移動するも興業的に失敗し、帰る際に移動運賃が払えず焼津に置き去られ放置されていたのを地元の人が現在ある場所までやっとこさ持って帰ってきたとか
こちらの石は苦労しているようだ
【元あった場所】
夜泣き石が元々あった場所には夜泣石跡の石碑が立っている
【飴売ってます】
赤ん坊が食べて育ったという水飴は子育て飴として現在も売っているようだ
店は小夜の中山トンネル脇の小泉屋と久延寺近くの扇屋で販売中とのこと
静岡にある伝説の石
心霊スポットというより観光スポットである
石は二つあるが気にせずどちらも本物と思えば何の問題もない
小泉屋の方が若干気持ち悪く感じるが気のせいであろう