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第1話 思い出したものはしょうがない…

 

 



私はよく「手のかからない子だね」と言われていた。

それもそうだ弟と妹が4人もいたら、そら大人しい子共にもなる。

だっていくら泣いても、先にびぃーびぃー叫び泣いている赤ちゃんがいたらそっちに親とゆうものは行く。


最初は抗議したけど、生返事するだけで「お姉ちゃんなんだから」とか言って意味が分からない。

別に好きでその(お姉ちゃん)になりたかった訳じゃないのに。


そもそも(お姉ちゃん)になれるのを喜んでいたのは周りから「偉いねぇ~」とか「立派だわ~」とか言ってもらえて嬉しいからで、別に(赤ちゃん)を好きだからとかではなかった…

でもその(赤ちゃん)が、成長して私の後ろをトコトコとひよこのようについてくるようになった。

置いていくと泣くからいつも一緒にいてあげた。

そうしてると(赤ちゃん)が次、次、次と嬉しそう笑っている両親に抱っこされてやって来た。

何年か前、私が使っていた服、オモチャ等は今(赤ちゃん)が使っている別に使わなくなったからいいけど、なんかむずむずするようで少しだけ嫌だった。だって汚したり、壊したりするから。

でも(お姉ちゃん)だから一緒に起きて、遊んで、寝て。


そんなことが保育所、小学、中学、高校、大学は寮に入ったけどずっとつずいた続くと思っていた。

成人して就職して実家暮らししてそろそろ独り暮らし始めるかっ、と思ったとき。


高校生の「弟」が事故に遭った。


命に別条はないとは言われていたけれど、家族は皆死人みたいな顔をしていた。



ふと気がつくと、いつの間にか「弟」の病室にいた。


「どうしたの?姉ちゃん。」


「ん?あっ、いや、なんでもないよ」


「姉ちゃんがぼぅっとするなんで珍しいね」


「そう?」


「そうそう!」

「弟」は顔をくしゃりとして笑った


それから少したわいのない話をして、真っ直ぐ家に帰る。



幼少期から何百回、何千回と通った交差点だった。

いつも「当たり前」に通った道だ、

だけど、今まで心のなかで少しだけつまらないなと思っていた「日常」が、まるで小さい頃、海に行って作った砂の城のように脆くて呑み込まれ易いと分かったのは。

一瞬何が起きたのか分からなかったけれど、あぁ車に轢かれたんだなぁと、薄れゆく「意識」の中で「あぁ、姉弟達の結婚式とか、まだまだ見たい、したいことあったのに…」とか

「あの乙女ゲーム、全部クリアしてないっけ…」

なんてゆうことを馬鹿みたいに思って、目蓋を閉じて少しして、テレビの電気を消すときみたいにブツッ!と音がして意識が途切れたその時だった…





  ――――――――





             ――――――――





優しい声で誰かが子守唄を歌っている。

(誰だろう…)


動こうとしても何かでくるまれていて動けない…

少しだけ手を動かせた、すると自分?の口から「うぅ」と声が漏れ出る。

すぅっと目を開けると。

眩しくて、ぼやぁっとしてよく見えないけど、人影が浮き出て見えた。


(ん?誰?)




「やぁ、起きたかい?」



するとぎゅっと抱きしめてきた。

「これからはお兄様の僕が守ってあげるからね…」


「リディ…」



(どういうこと?)

「あうぅ?」


なんで私に(お兄ちゃん)がいるんだろう?

あと私、さっき死んだんじゃなかったけっ?

なんとか喋ろうとしたけど口がむぐむぐするだけで声が出ない。

なんだか暖かくて、眠い、今度こそ起きるぞ!と思っていたが、結局眠気には勝てなかった…



         ――――――――――




 ――――






たまに不思議と言うか変な夢を見た。


別に怖いものでもなかったし、それは「夢」な訳で、本当に在るだとかそうゆう確証なんてなかったからあまり気にしなかった。


ただその夢は「感情」が余りにもはっきりと分かったから、屋敷に押し込められている自分にとっては面白かった。

押し込められると言っても歴史の本がいっぱいある部屋だとか、近くにある小さい池の畔ににメイドさんとピクニックにもいけたけど…

それでも別の所にいる「お母様」と「お父様」にはあまり会えない。


でもお兄様はたくさん会いに来てくれたし、メイドのカーナさんとマリー、他にもここの人達とは仲がいいから、あんまり寂しい、だとかは思わなかった。




「夢」は起きるて時間がたつとぼやけて少しずつ忘れていってしまうから「夢ノート」と言うものを書き始めた。

4歳のくらいの頃のころだったと思う。

でもその「夢」の、「とある記憶」が確証に変わったのは。

ある日突然だった、

6歳の時だった。







「えっ!とっ…」



ん?…

(まて、まて…)


「は?」

(ん?なにが、どういうことなんだっ?)



「どうかなされましたか?お嬢様?」

心配そうにメイド服の女の人…


いや違う、マリーだ、そう、メイドのマリー…


(そう、そう…)

(私は今、庭で紅茶を飲んでいて…)

(それでカップの取っ手がはずれちゃったと思ってっ)


(カップの取っ手をテーブルにコトッと置いた瞬間)

(思い出した…)

(何を?)


「…あ」



「思い出したぁ~~っ!!」




「お、お嬢様ぁ!どうかしたんですか!!」


「だっ、誰か来てくださいぃ~!お嬢様がご乱心ですぅ~~!!」




    ―――――――――



ということで…


部屋に閉じ込められました



(いやっ、なにが、ということか分からないけれども)


(まぁ、そうか。6歳児が突然叫び出したらそうもなるか…)


「でもどうしよう」


あの「記憶」のまま…


「このままいくと絶対っ死ぬ!!」




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