無職のモーニング・ルーティーン
昼夜逆転。
徹夜明けの気だるさにはもう慣れた。
男は無職。自堕落な生活を送っている。
あんなに暗かった夜に朝日が昇って世界が明るくなる。それは当たり前なんだけど、なんだか毎回信じられないような気持ちになる。
今日も朝が来た。
腹が減った男は台所で昨晩の残り物を探す。おかずは味噌汁しか見つからなかった。
朝ごはんは白米と味噌汁。普段ならがっかりするような食事内容だが、徹夜明けの空っぽの胃袋には何を入れてもうまい。白米と味噌汁を交互に食べる。ごちそうさま。
食事を終えた男は自室に戻る。
ベッドで横になり、スマホをいじる。
目が冴えている。眠れない。
普通の人は会社や学校に行ってるんだよなと考える。長い無職生活の末、もうそんな普通の生活には戻れない気がしている。でも「気がしている」だけでいつかは戻らなくちゃいけないんだろうということもわかっている。
スマホをいじる。スマホをいじる。
そのうち、眠気がやってきた。
ああ、今日も来てくれたと安堵する。
カーテンを閉じる。
おはよう世界。そしておやすみ。