異世界 歴史
「目覚めたか、裕太よ」
気づくと俺は真っ白な、いかにも宮殿な場所で縛られていた。
「ええっと、なんでこうなったんすか?てか、貴方誰?」
とりあえず俺は目の前の男に尋ねてみた。
「私はグラムだ。この街の長をしておる。そして貴様は裁かれるためにここに居るのだ」
えっと?裁かれるのか?俺。なんで?意味わかんない。
「俺が裁かれる理由全く分かんないんですけど」
「そうか。貴様は人に拾われ育てられたのか。ならば知らなくとも当然だろう」
えっと、うん。間違いについては触れないでおこう。
「貴様が裁かれるのは《鬼》だからだ」
…鬼?鬼って、あの?いやいやいや。無い無い無い。だってあの殴った奴俺のこと人だって…。
あ、そうか。そういうことか。
「理解が早くて助かる。そうだ。彼女は貴様に嘘をついたのだ。暴れないためにな」
「暴れないため?どういうことです?第一ここは種族自由の街でしょう?何故鬼だから裁かれるんですか?」
「それも知らぬのか…仕方あるまい。話してやろう。この世界で起こった悲劇を」
グラムの話を要約するとこうだ。
昔むかし、世界には妖精族、魔族、人間がいた。
人間と魔族の争いは多く、その間を妖精族がたもっていた。
ある日、突然変異によって鬼と言われる種族が生まれた。
鬼は他の種族と違い、一人で全役職をこなせたそうだ。
鬼は妖精と同じで中立の存在だった。
しかし、ある時鬼たちは突然無差別に襲い出した。
個々の能力が優れている鬼は次々に魔族や人間、妖精を襲い、襲われた方は鬼に敵わずやられていった。
これを危険視した3種族は協力し鬼を一掃することにした。
しかし、鬼も対抗して軍を作り、戦争となったそうだ。
その戦争は、まさしく地獄だったようだ。
結局鬼は戦争に敗れ、皆殺しになったそうだ。
その後、3種族の間で鬼が現れたらすぐに処刑することが決まった。