変な案内人
「コホン。大声を出してすみませんでした
それでは、続けさせて貰いますね」
「ええっと。私、幹部なのにいいんですか?」
「ここは中立国ですので、ご安心を。むしろそんな偉い方が来たのに驚きです」
どうやら本当に種族は関係無いようだ。
これならばルナを追い出さずに済むし、あのイカれた神が変なことしてても安心だ。
「では改めて、ルナ・アークさん。魔王軍幹部。
役職 呪術師 レベル 24 バランス型ですね」
ほう。以外だなぁ。幹部の割にレベル低いし
ルナって近接戦闘得意じゃなかったっけ?
「別に普通だよ」
「え!お前、心読めるのか!?」
「顔に出過ぎ。幹部って言っても占いみたいなので突然決まるし、幹部になったらいざという時の為に遠近両方できるようにしとくのよ」
へー。ためになるなぁー。
「…はい。おしまいです!次は口うるさい…お元気なそちらの人!」
「おい!バカにしたろお前!」
何てイカれた奴だ。俺じゃなかったらキレてたね。
「ええっと。多崎裕太さん。種族は…えっと」
まて、何故止まってる?なんかおかしいのか?あの神なんかしたのか?
「俺、なんなんですか?」
「…人間です」
普通かよ!何で止まったの!おかしいじゃん!焦ったよちょっと!
「裕太さんはレベル15で近接戦闘型ですね」
お、おう。まぁまぁじゃないかなぁ。
にしてもあの化け物蛇の経験値エグいなおい。
「以上です!それでは2人とも、楽しいハントを」
その後魔物についてとかルールとかスキルの入手方法とか言われたけど全然分からんかった。後でルナに聞こう。
「裕太、これからどうする?」
「とりあえず仮屋が欲しいなぁ」
「裕太さん!ちょっと」
あの案内人の様な人が俺を呼んでる?
行きたくねぇー。あの人変だもん。
「あー。なんですかー?」
行きたく無いので遠くから聞いてみる。
「こっちまで走って来てくださいー!」
ヤベェ。マジでおかしいそれは。
「特別スキル獲得方法なんですー!」
あぁ。そういうことか。理解。
そのスキルがイカれてんのか。
「わかりましたー。今行きまーす」
よっしゃ!50メートル走7秒くらいの実力見せてやる!
「そうそうその感じ…でッ!」
腹部に激痛が走る。えっと、どういう状況?
あの人が殴って来て、兵士みたいなのがゾロゾロ来る。
ルナも連れて行かれている。
嫌、正確には保護の形に見える。
「はい。捕まえました。間違い無いです。この男は鬼です。念のため麻酔も打っておきますね」
鬼?なんの話だ?
理解が追いつかないまま、俺は意識を失った。