変な神様と異世界転生
初投稿です。
「裕太くん、あーた死んだから。そこんところ宜しく」
目の前にいる少年にアッサリと伝えられたソレは俺の頭を真っ白にさせた
「すみません。全然意味わからん。まずお前誰?俺が死んだ?なして?」
「おいおい。質問は一つずつにしてくれよ」
俺の目の前にいる少年はそう軽口を叩いた
「俺は世間が言う神様って奴だよ。死んじゃった人導くの。聞いたことぐらいはあるだろ?」
「お前が?こういう時って可愛い女神さまかお爺さんの神様じゃないのか?」
「最近はどこも人手不足なんだよ。あーあ大変」
神様の間でも人手不足があるのか....
「って!信じれるか!」
「あははは!信じなくても結構だよ!事実だし!」
くそ... コイツについて聞いていたらキリが無い。仕方ない。神様ってことで話を進めるか
「....で?俺が死んだって?」
「そーそー。乙っすねー。あんな死に方するなんて」
「あんな死に方?」
俺がそう聞くと少年はあからさまにニヤニヤし始めた。
「ありゃ?覚えて無い感じっすか?そうなんすか?いやーあんな死に方したら普通絶対忘れられない筈ですが?」
ちょっと殴りたい。
にしても俺はそんな酷い死に方だったのか?てか俺ほんとに死んだのか?夢じゃないよな?
「はい。夢じゃないっすね」
…え?俺、声に出したっけ?
「出してませんよ?心の声を聞いたんすよ!どう?神様ってこと分かってくれた?」
こいつがウザいことは置いておいて 確かに神様的能力を持っているらしい。それにさっき心の声を読まれた時には汗も出た。てことはつまり俺は
「だから死にました」
「俺に言わせてよ」
「随分逸れましたけど、言いますね。死因」
突然神妙な目つきになった少年を見て、緊張と恐怖が入り混じった。俺の死因って…!
「交通事故でぐるじいぐるじいぐるじい!!」
思わず俺は奴の首を絞めていた。
「か、神の首絞めるってどういう神経してんすか!?」
「俺の神経逆撫でしたのが悪い」
「メチャクチャですね。あーた。」
お前にだけは言われたく無い。
「で、俺は死んだらしいけど これからどうすればいいの?」
「うふふ!それ、聞いちゃいますぅ?」
奴は突然不敵な笑みを浮かべだした
「お、おう。どうするんだ?」
「そーすねー!あーたのコレからはもう決めちゃってるんですよねー! 聞いたことはあると思うんですが!異世界転生!いや、召喚?どっちでも良いか。それなんですよね!いやー!運がいい!あーた今まで何もないラノベ読んだり、ゲームするだけの人生送ってましたからねー」
「やかましい」
でも異世界か!ラノベでよく見るあの世界に行くって事だよな!
「そうそう!その世界!そこでは悪しき魔王が君臨しています!それを倒してやるんだ!」
おお!盛り上がってきたー!
現世では何とも言えない虚しさがあったからなー!
楽しみだ!
「そーしーてー!あーたには特別な力も与えます!」
キター!異世界特有のアレ!とっても便利な奴!
「実はある最強の役職が現在数不足でして。あーたにはその役職になって貰おうと思ってます!」
最強の役職?一体何なのだろう。
まぁでも、強いにこした事は無い。答えは決まった
「それにしてくれ!」
「ほほほ!旦那ならそう言うと思いました!よっしゃ 直ぐに取り掛かりやすよ!」
コイツの俺への呼び方の破茶滅茶さは置いておくとして、俺はこれからの異世界生活に胸を躍らせていた。
ただ。一つ疑問が残る。
「なぁ、お前はなんでこんなに優しくするんだ?」
「わたしゃあーたを気に入ったんですよ!こんなに面白い人間見たことない! まぁ、今日初めて人間に会ったんですがね!?」
そう言うと奴は子供じみた笑い方をした。
「まぁ、強いて言うなら…。この役職であーたがどんな生き方をするのか、見てみたいんですよ。 さて!時間も無いし、名残惜しいけどここでお別れっす! 貴方のこれからに幸多からん事を!」
そう言うと俺の体は段々と薄くなっていった。
「さようなら悠太さーん!死んだらまた会いましょーう!」
その叫び声を聞きながら俺は負けない声で叫んだ。
「次は超絶美少女の女神様がいいーーー!!!」
「良かったのか?気に入ってたのだろ?」
「アイツ、裕太があの役職 いや、あの人種でどういう人生を送るのかが見たいのですよ」
「ワシらに出来るのはただ願うだけじゃな」