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世界は廻る、傷が再生するように  作者: 男二九 利九男(おにく りくお)
第一章 追憶
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第2話 忘れ去られた変化

彼女は、繰り返す。何度も、何度も。しかし、限りなく変化している。そして今、輪廻の流れに大きな変化が起きた。果たして、彼女はこの変化に気づくのだろうか。

 いつもの日常、とあるカフェより・・・。私は、親友の由衣と話をしていた。一つの疑問を抱きながら・・・。「そう言えばさー。最近、慶・・・。」最近、変な夢を見る。『変な夢』というよりは、『奇妙な夢』という方が正しいのかもしれない。その奇妙な夢というのは―――。

 「佳代(かよ)?」一体、どいうことなのだろうか?「か〜よ。」分からない・・・。「佳代ってば!!」私は、我に返った。「ああ。ごめん、ごめん。」佳代とは、茶髪にポニーテールの私のことだ。「大丈夫?」由衣が心配そうに言った。「う、うん。大丈夫。で何の話だっけ?」「え?ああ、でね・・・。」私と由衣は、ある程度話をしたあとに帰宅した。


 翌朝より・・・。結局、あの夢が気になって余り眠れなかった。夢の内容は、由衣と話をしているところ、コンビニでの買い物、慶君の車の中、無残に殺されていく私、など・・・。記憶にない光景がまるで映画のフィルムように、流れてくるというものだ。

 それだけならば、こんなに悩まされることはない。ただの夢と気に留めない。しかし、奇妙なことに、普段の光景がどれも見たことがある様な気がするのだ。「何なのよ・・・。」溜息がこぼれた。

 すると、携帯から着信音が鳴った。「・・・慶君からだ。」メールの内容は、おはようと今日遊べるかどうかの確認だった。「もしもし、慶君?おはよう。」慶君に電話をし今日は、昨夜のことで体調が余りよくないので断った。

 電話をしてから数時間後・・・。あれから、ゆっくり休んだので体調がよくなった。と言っても決してよくはない。「よいしょっと・・・。」今日が本当に休みでよかったな・・・。重い腰を上げ、必要なものを買いに行くことにした。


 買い物帰りより・・・。必要なものを買うついでに昼食を買った。「え?」突然、体が金縛りにあったように動かなくなった。というよりも、世界そのものが止まっているように感じた。そして、カラフルだった世界がモノクロに染まっていった。(あ、あれ?足が動かない!?こ、声が出ない・・・!)すると、何処からともなく足音が聞こえてきた。

 「やっと気づいたのかしらね?」フードを被った謎の女性が、何もない空間から現れた。(誰?)「まあ、話しかけても喋れないだろうけど。」女性は、冷たい口調でそう言った。

 「・・・にしても、あなた珍しいことしてるわね?今まで、変わった動きなかったのに・・・。」女性は、私の顔を覗きながらそう言った。「でも、まだ思い出せていないようね。」すると、女性はフードをめくり始めた。

 (な・・・!?)私は、驚愕した。なぜなら、その顔は私の顔そのものだったからだ。その時、私は今の状況を理解した。(そ、そんな!?こんなことって・・・!)私はこの女の手によって、何度も死を繰り返している!?

 「やっと何か思い出せたようね。いいわ、今回は見逃してあげる。また、会いましょう・・・。」女は、また歩き始め空間に滲むように消えていった。と同時に世界に色が戻り、体も動けるようになった。しかし、私はその場でしばらく立ちすくんでいた―――。

彼女は、思い出した。忘れていた変化を、自身の状況を。しかし、まだ彼女は知らない。自身に訪れる危機に、自身の目的を、まだ知らない。私のこの願いは、彼女に届いているだろうか。

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