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ミゼルコリアの双封珠  作者: 早匂 素花
■ 1 : テオラの街
2/16

1

 神ミゼルコリア——明暗問わずこの世の総てを包括し、その裡に取り込み平らげる、静穏なる存在。

 かの神は、ミコリア王国の守護神として、温厚で豊かな恵みをもたらしてくれている。

 だが、身の裡に取り込んだものは、澱となってじわじわと溜まってくる。

 そして百から二百年に一度、その澱——“ミア”を吐き出す。

 吐き出された“闇”は、地上を彷徨い、触れたものの生命力を奪っていく。

 守り神のはずのミゼルコリアは、“闇”期の間のみ、世界に仇なす存在となるのだ。

 

 この神の澱を浄化できるのは、その身に神聖なる証を宿す選ばれた巫子のみ。

 神の元に赴き、澱を受け入れ、神を再び恵みの存在に戻すことができる特別な存在を、人々は「ミゼルコリアの花嫁」と称えた——

 

 

 

 左耳にだけ提げた耳飾りが、りぃん、と静かに揺れた気がして、ジーナは顔を上げた。

 黄玉色の大きな瞳を細めて遠くを窺う。起伏の少ない土地だ。馬上からはずいぶん向こうの方まで見えるが、目に入る範囲の風景には特段の変化はなかった。

 どんよりと重い雲の下に伸びるのは、砂埃が目立つ石敷きの街道。辛うじて作物を育んでいる痩せた畑。茶色く褪せた葉ばかりの樹々。——乾いて、疲弊した景色だ。人影は彼女の他にはない。

< どうかしたか? >

 ジーナの頭の中に、どこからともなく言葉が響いてきた。

 それは、彼女が跨がっている亜麻毛の馬から発されたものだ。

 いや、馬の姿をまとってはいるが、それは正確には馬ではない。風馬かぜうまと呼ばれる、風の加護を受けた四神獣のひとつである。

 空気を震わせずに伝えられる神獣の声にも、ジーナは驚かない。もう馴れたもので、普通に話しかけられたのと同じに言葉を返す。

「ごめんね。気のせいだったみたいだわ」

 風の悪戯だろう、そう結論付けて、ジーナは愛馬に道先を促した。

 カサついた風は、街道を進むジーナたちを気まぐれになぶっていく。地味な外套のフードが飛ばされて、長い髪が肩の上に舞った。そこだけ雲が切れて陽光が届いたかのように明るい白金の髪だ。

 そして左耳の耳飾りも、風に大きく揺らされた。真珠粒よりもひと回り大きく、中に白い焔が灯る玉に、色糸の房を付けただけの控えめな飾りだ。飾り同士がぶつからないので、髪と一緒に揺れても音は出ない。

 顔にかかった髪を手早くまとめて、ジーナはフードをかぶり直した。

 そのとたん、身体に吹いてくる風が、ふわりと軽くなった。

< 風が強くなってきた。少し膜を拡げておこう >

「ありがとう、フウセイア」

 フウセイアと呼ばれた風馬は、軽く鼻を鳴らして応えた。

 風馬は風の加護を受けているので、自身は風の影響を受けない。その身を守る膜を、同乗者にまで拡げることも造作なかった。

< 気のせいではないかもしれないぞ >

「え?」

< この先の街は、神気脈が濃い場所だ。だが、淀んだ臭いがする >

「テオラにも“闇”が溢れてきているの?」

< まだわからない。しかしこの周辺の荒れ様では、そう遠くないうちに溢れ出すだろう >

「……そうね」

 改めて周囲の景色を見回して、ジーナは気が重そうに頷いた。

 彼女たちが行く街道の先には、茶色い石が重ねられた城壁が見える。このあたり一帯をまとめるテオラ領の街だ。

「急ぎましょう。被害が広がる前に、街に着きたいわ」

< 承知した >

 ジーナが手綱を握り直すのを待ってから、フウセイアは足を早める。普通の馬よりもひとまわり大きな身体が、力強く地を蹴って進みだした。




 城壁のすぐ近くに“闇”が出現した、という報せに、領兵の詰所は騒然となった。

「魔術庁支所に連絡して、手の空いてる魔術師を全部まわしてもらえ!」

「周囲の住民は城壁内に非難させろ! 家財は後回しだ!」

「装備確認しろ! すぐに出発するぞ!」

「一隊と二隊は現場へ急行! 三隊は他に“闇”が現れていないか城壁周囲を警戒! 残りの隊はいつでも出発できるように準備して待機しておけ!」

 慌ただしく詰所の外に飛び出していく兵士たちに混じって、レイデリオンも“闇”除けの魔術が施された分厚い外套を羽織った。

「レイデリオン様も行かれるのですか!?」

「当然だろ」

「危険です!」

「領主の息子がこんなときに働かなくてどうする」

 留めようとする領兵隊長の肩を掴んで、一緒に詰所の外に歩き出す。

 その様子を見ていた兵士たちは、仕方ないという顔をしつつも、どこか嬉しそうだ。兵士たちは皆、この向こう見ずながらも気さくで領民想いの領主の三男坊に親しみを感じているのだ。隊長もすぐに諦めて、レイデリオンの同行を認めた。

 十数人の兵士が馬に飛び乗って、“闇”の出現場所へと向かう。通りの隅に避けてそれを見送る人々は、一様に不安そうな顔をしていた。

(大きな被害が出ないといいんだが……)

 街の通りを埃を上げて走り抜けながら、レイデリオンは唇を噛み締めた。

 少し前までは、通りを馬で走っても、こんなに砂埃は舞わなかった。空気はもっとしっとりしていて、建物にも植えられた草花にも、そして領内の人々にも潤いが溢れていた。それが、彼が十八年間育ってきたこのテオラの街だったはずだ。

 ところが、この一年ほどでずいぶんと様変わりしてしまった。

 “闇”期に入って、ミゼルコリアの恩恵が届かなくなると、人々がどんなに頑張っても、じわじわと荒廃が押し寄せてくる。それでもまだ、なんとか領内は生活を保っていた。

 だが、“闇”が現れてしまっては、それすら危うい。“闇”に飲み込まれて壊滅してしまった街は、ひとつや二つではない。大切な自分の街もそうなる可能性は、目前まで迫っている。

 見送ってくれる人々を失いたくなくて、レイデリオンは手綱を強く振った。

 北東の城門を出た一団は、城壁に沿って北に向かう。街道から少し入った先に、偵察隊の数人が待っていた。

「様子はどうだ!?」

「まだ距離はありますが……でも、すぐ近くです」

 怯えを隠しきれないまま、偵察の兵士が彼方を指差す。

 レイデリオンも含めて馬を降りた兵士たちは、そちらを見て息を飲んだ。

 そこに——“闇”が、あった。

 どろりとした粘性を持っていそうな、真っ黒な霧が、じわじわと広がっている。

 どこから湧き出ているのかも定かではなく、霧状なのにその向こう側が透けて見えることもない。それが、畑や茂みや、疎らに立つ農家の建物を、音もなくゆっくりと取り込んでいっていた。

 それは、明らかに異質なものだった。

 人とも、空や大地とも相容れない。触れあうことなどできない。

「……あれが、“闇”か……」

 他領の惨状も、過去の“闇”期の悲劇も、話には聞いていたが、レイデリオンが“闇”を目にするのは今が初めてである。

 実際に目の前に見て、レイデリオンは肌が粟立つのを抑えられなかった。

 得体の知れなさに怖じ気づきそうになる心を叱咤して、“闇”から視線を引き剥がす。

「被害はどうだ?」

「とりあえずあの辺りの農家の住民は逃がしました。ただ、家畜は間に合わなくて、何頭か飲み込まれてしまっています。畑については、まだ範囲を掴めていません」

「“闇”の出現箇所が、ここからじゃわからないからな……」

「よし。とにかく、まずは住民の避難が先だ。取り残されている者がいないかの確認と、周囲の封鎖を急げ。“闇”は魔術師が来るまで待つんだ!」

 隊長の指示に従って、兵士たちが周囲に散っていく。レイデリオンも慎重に“闇”との距離を計りながらぎりぎりまで近付いて、取り残された人がいないか確認し始めた。

 “闇”を払う事ができるのは、魔術師だけである。

 兵士には、あらかじめ魔術師が“闇”避けの魔術を施した外套が支給されている。だがそれは、万が一“闇”に取り囲まれたときに一時的に凌ぐお守りのようなもので、“闇”に抗う道具にはならない。

 乾いた土にもかかわらず必死で領民が育ててきた作物が、じわじわと黒い霧に侵食されていく。人々の営みを害するものがすぐ近くに溢れているというのに、自分にはそれに対抗する手段がない。そのもどかしさが、レイデリオンには苛立たしい。

「魔術師はまだか!?」

 城門の方を仰ぎ見るが、魔術師たちが来る気配はまだない。

 舌打ちしたレイデリオンの背後で、けたたましい羊の声が上がった。

 慌てて振り返る。少し離れたところに建つ納屋の陰に、痩せた子羊が一頭繋がれていた。そして、その納屋の軒先まで“闇”が迫っていた。

 忍び寄るどろりとした霧に本能的な恐怖を感じるのか、子羊は繋がれた縄を振って、狂ったように甲高い鳴き声を発している。

 縄を切ってやりたいが、レイデリオンのいる場所からでは間に合いそうにない。

 子羊が“闇”に飲まれるのを見ているしかないのか——己の無力感に、レイデリオンは拳を握りしめた。

 そのとき、後方から何か小さい物が飛んできた。

 彼を通り越えたそれは子羊のすぐ横に落ち、その直後に、ぱあっとそこから光が広がる。

 陽光のごとく明るい白金色の光に、レイデリオンは目を細める。

 突然現れた光に戸惑っているかのように、“闇”の動きが鈍くなった。

(魔術師が来たのか!)

 そう思った彼のすぐ横を、小柄な影が過ぎ去った。

(え?)

 地味な外套の後ろ姿は、躊躇うことなく“闇”に向かっていく。

(まだ住民が残っていたのか!?)

 危ないから戻れ! と告げようとして、レイデリオンは声を呑み込む。

 子供か女性か、とにかく細く華奢な背中は、ぴん、と伸びていて制止の言葉を寄せ付けない雰囲気があった。

 その間に、白金の光は子羊を包み込んで弱く落ち着いていた。それで“闇”も勢いを取り戻した。光の残る子羊のあたりは避けながらも、ゆるゆると流れ出す。小柄な人影に向かって。

 だが、人影は身動ぎせずに立っている。

 レイデリオンの位置からではよく見えないが、手を前で組んで何か念じているようだ。

 そして人影が両手を横に伸ばす。

 とたん、先ほどの比ではない量の光が、人影から大きく広がった。

 その眩しさにレイデリオンは思わず顔を背ける。けれど状況が気になって、腕で顔を庇いながら、そっと視線を戻す。

 人影は同じ場所に立ったままだった。

 いつの間にか外套のフードが外れ、光に混じる白金の髪が背に舞っている。

 細い両手から発されている強烈な光は、小柄な人影を中心にして横に広がり、壁のように立ち上がっている。そしてその壁の一歩手前で、“闇”の動きが止まっていた。

 光の壁に塞き止められて、ねっとりとした黒い霧は行き場をなくし、そこに滞留し、より黒さを増す。

 その黒々しさに、レイデリオンが不安を覚えたとき、人影が軽く頭を振った。

(……女?)

 ちらりと見えた横顔は、整った頬の線と白い肌。

 もっとよく見ようと身を乗り出しかけたレイデリオンだが、いっそう強さを増した光に慌てて腕を戻す。

 人影は横に伸ばしていた両手をゆっくりと前に突き出していった。

 その動きに合わせて、光の壁も両側から“闇”を挟みこんで窄まっていく。

 “闇”は苦しそうに捩れながらも、壁に押されてどんどん掻き集められていく。

 そして、人影が両手をぱちん、と合わせたとき。

 光の壁は一筋の光となってから、すうっと立ち消え、その間に挟まれていた“闇”も、同じくすっかり消え失せていた。

 強烈な明るさがなくなって、あたりは曇天の下の灰色っぽい風景に戻っていた。

 “闇”は本当に消えたのか。ぐるりと周囲を見回すと、確かに“闇”のおぞましい気配はなくなっている。だが、目に映った惨状に、レイデリオンは顔をしかめた。

 もともと乾燥が進んでいた大地だったが、その乾きはいっそう酷くなっていた。

 樹々はすっかり葉が落ちて捻れた枝を露わにしている。畑の作物はひび割れた土の上でからからに乾涸びている。ところどころに転がる黒っぽい物体は、元は家畜だったのだろうが、皺だらけでかさかさになった皮が、それだけ残った骨に張り付いているだけだ。

 もしあの“闇”に飲み込まれたら、自分もこの姿になる——そう思うと、“闇”の被害を憂うと同時に、“闇”に対する恐れがひたひたと背筋を這い上がってきた。

 ぐっと拳を握って、その恐怖をひとまず抑え込む。そして、“闇”を消してくれた存在を思い出し、慌てて視線を戻した。

 件の人影は、“闇”に対抗していた場所を離れて、納屋の側にいた。無事だった子羊に寄り添って、優しく首筋を撫でてやっている。背に輝く白金の髪は、まるでそこだけ先ほどの光が残っているかのようだった。

 さらに、いつの間にか子羊の隣に一頭の大きな馬が佇んでいた。人影の髪に似た艶やかな亜麻色の毛で、立派な体格の手入れのいい馬だ。

「おい……っ!」

 人影に駆け寄りながら、レイデリオンは何と声を掛ければいいのかわからず口ごもる。幸い、人影の方が彼の気配に気付いて振り返ってくれた。

 予想していた通り、人影は女だった。しかもまだ年若い、おそらくレイデリオンよりも年下の少女だ。

 地味な外套に、埃っぽい旅装束。だが豊かな白金の髪が華やかさを添えている。その髪に囲まれた顔は可愛らしく整っていて、黄玉色の大きな瞳が近寄る彼をまっすぐ見つめ返していた。

「テオラの兵隊さん? 大丈夫? “闇”に触れなかった?」

 口調も声も明るく少女らしいものだったが、その内容は普通の少女には似つかわしくない。

「ああ。俺は平気だが……」

「良かった。この子を優先して、あなたは放っておいてしまったから」

 少女は片手を子羊に触れたまま、身を屈めて足元から何かを拾い上げた。真珠粒よりひと回りほど大きい、透明な玉だ。その玉を外套の隠しに入れるときに、胸元の首飾りが見えた。大きさは透明のものと同じで、内側に白っぽい焔が灯った玉がひと連なりになった飾りだ。それを見て、レイデリオンは少女の正体を確信する。

「君は魔術師だな」

 “闇”に対抗していた時点で魔術が使えることはわかってはいたが、こんな年若い少女の魔術師をレイデリオンは知らなかった。街の魔術庁支所にいる魔術師たちは、ほとんどがそれなりの年齢の男たちばかりだからだ。

 だが、彼女の首に掛かっている玉は、封珠と呼ばれる魔術師が持つ道具だ。魔術師たちは、魔術の核となる封珠を常にいくつも持ち歩いている。

「ええ。でも、きちんと支所に登録している魔術師ではないから、出過ぎたことをしてしまったかもしれないわ」

「いや、助かった。この街の魔術師たちは、到着が遅れてたから」

「そう? なら良かった。この子を助けてあげたかったの」

 子羊が安心したようにめぇーと鳴いて、少女に鼻先を摺りつける。くすぐったそうに目尻を下げた少女の顔に、レイデリオンは視線を吸い付けられた。

「俺はレイデリオンだ。ここテオラの領主の身内で、領兵をやってる。君は?」

「わたしはジーナ。旅の途中で……」

 少女がそこまで答えたところで、にわかに背後が騒がしくなった。

「レイデリオン様! ご無事ですか!?」

「“闇”はどうなりました!!」

 街道の方から、隊長を含んだ領兵が数人と、長衣をまとった男たちが三人ほど駆け寄ってくる。遅れていた魔術師たちがようやく来たようだ。

「遅いぞ、お前ら。俺は何ともない。“闇”も、このジーナが消してくれたから大丈夫だ。俺もまだ詳しいことは聞いていないが、旅の途中の魔術師だそうだ」

「なんと。こんな少女がですか?」

 隊長は素直に驚きを表したが、魔術師の男たちは眉間を険しくした。

「旅の魔術師……? 所属支所はどこだ?」

「だいたい、それっぽっちの封珠で、魔術師を名乗るつもりか?」

 自分たちの仕事を奪われて出遅れた後ろめたさもあったのだろうが、魔術師たちがジーナを軽んずるのも理由がないわけではなかった。

 魔術師の力量は、持っている封珠の数で計れる。テオラの魔術師たちが首や腰に提げている封珠が二重三重なのに対し、ジーナの首元の封珠は一連の半分ほどしかない。

「ごめんなさい。皆さんのお仕事の邪魔をするつもりはないんです。この羊が危なかったところにたまたま通りかかっただけで」

 そんな魔術師たちに、ジーナは控えめな笑顔を返す。

「わたしがしたのは、“闇”を一時的に押し退けただけです。完全に消えたわけではないから、いつまた出てくるかわかりません」

 レイデリオンには、先ほど“闇”を消してくれたジーナの力が強いのか弱いのかは判別できない。ただ、面倒なことになるのは遠慮したいので、口を挟むことにした。

「そういうことなら、警戒を緩めるわけにはいかないな。支所の魔術師のセンセイたち、任せるから、領兵たちと一緒に周囲を見回ってくれ」

 領主の息子に持ち上げられて悪い気はしなかったのか、魔術師たちは険しかった眉を和らげる。「余計なことはするなよ」とジーナに釘を刺して、領兵と共にあたりに散らばっていった。

 残ったレイデリオンは、気まずそうに頬をかきながら、ジーナに向き直った。

「その……すまん。あの魔術師たちも、“闇”の出現に気が立ってるんだと思う」

「あなたが謝ることじゃないわ」

 気にしていない、と軽く首を振ったジーナに、レイデリオンはほっと息をつく。

「旅の途中だそうだけど、この街での宿は決まってるのか?」

「いいえ。街に入る前だったから、まだアテはないわ」

「だったら紹介する。ついでに他の街の話も聞かせてくれ。“闇”がどんな様子なのか気になる」

「ありがとう。助かるわ」

 真っ直ぐな笑顔を返してくれたジーナに、レイデリオンは少し気まずさを感じて目を彷徨わせた。

 他領の“闇”の様子を知りたいのも嘘ではない。だが、この少女ともう少し話をしたいという気持ちの方が大きかったというのは、黙っておこう、と決めたのだった。

 

 


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