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プロローグ

 その男の目を僕は覚えている。

 狼のように目尻が跳ね上がっていて、その瞳にはこの世の全てを憎んでいるようなドス黒い色が浮かんでいた。

 一言で言えば、物凄く残虐な顔をしていた。

 その東欧系の顔立ちをした男は僕に聞く。

「お前は誰だ。どうしてお前がここに居る?」

 怖い顔で聞くものだから僕は危うく失禁しかけるところだった。

 僕が無言でいると男は諦めて、手に持っていたナイフを胸部の(シース)にしまうと、イヤホンが付いた耳に二本の指を当て誰かと通信しだした。

「フェネクス、本当にこいつがそれで間違いないのか?」

 フェネクス? やっぱりこいつはどこかの機関の刺客で、僕は危ないことに巻き込まれたんじゃないのか。

「……間違いない、か。あんまりだな」

 あんまりだな、その言葉を聞いた途端僕は怒りで顔が熱くなるのを感じた。

 男が立ち去ろうとした時、僕は思わず立ち上がっていた。

「ねえ、ちょっと待ってよ」

「なんだ?」

 即座に振り向いた男の反応の良さにちょっとだけ面食らう。

 気を取り直し、

「勝手に僕の部屋に入りこみ、荒らすだけ荒らしといて『ごめん』の一言も言わずに立ち去ろうっての!?」

「元々荒れてたじゃないか。ごめん」

 男がせせら笑い、その後付け足したかのように謝る。

 僕の頭の中でぶちん、と何かが切れる音がした。

「一体あんたはなんなんだよぉ!」

 男はやれやれと頭を掻くと、

「イヴァン。イヴァン・ハーン。ロクデナシを探すために遠路遥々、日本にやってきた」


 それが僕、宇佐美(うさみ)(よう)と、彼、イヴァン・ハーンとの二度目の出会いだった。

・世界観

2020年、10年前に人間兵器の製造方法がブラックマーケットに流出し、世界中のテロ組織がそれを悪用していた。

事態を重く見た国連は、ナノの使用と無人兵器の配備、そして人間兵器捜査部隊を世界各国に設ける。

舞台は未来の東京。

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