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7話

7話



どうやらスキル沈着冷静は恐怖を麻痺させるような効果はないようだ。

恐怖を感じつつも取り乱さないで冷静に思考できる。言葉にすればそんな感じだった。


木に衝突した時のことを冷静に想像してしまうから余計に怖かったのかもしれない。


後半は慣れてきてジェットコースターに乗ってるようで結構楽しかったけどね。

これからもノワールに乗ることが多いだろうからもっと慣れないといけない。

まだ本気で走ってないらしいし。


高速で走るノワールに乗ることで念話のありがたさも理解した。

よく漫画とか小説で、かなりのスピードで走ってるであろう馬の上で会話してる描写がある。

あれは今の俺には無理。確実に舌を噛みます。

実際あんなことできるようになるんだろうか?

念話が使えるから試すことはないと思うけど。



しばらく走ってノワールが満足したので最初の砂浜に戻ってきた。


砂浜に戻ると持ちきれなくて置いていったジャイアントシュリンプの肉がなくなっていた。


「近くにジャイアントシュリンプの肉を持って行った奴はいる?」


「わからないです。モンスターの気配を感知するとはいっても個体を識別できるわけではないので」


わからないか。


肉をくわえて森か湖に逃げたのだろうか?


「森の中で全然生物を見なかったけど森には何もいないのかな?」


「森にもたくさんの生物がいましたよ」


「そうなの?その割には一回も出会わなかったよね?」


「気配感知でモンスターのいない所を選んで走りましたからね。

 それに避けられないときは威圧を使ってモンスターを追っ払いました。

 威圧を使っただけで死んだ弱いモンスターもいたようですけどね」


そういうことか!おかしいとは思ったんだよ生物が全然いないなんて。

威圧でモンスターも倒せるんだね。


「邪魔されたくないときは威圧って便利だね」


「散歩の邪魔はさせません!」


鼻息が荒い。

毎日一緒に散歩したほうがよさそうだ。



それにしても食糧が減ったのは残念だ。まあ捨てたようなものだったから仕方ないな。

とりあえず持ち歩いていた肉を焼いて食べよう。


まず少し離れた岩壁の下で大き目な石を集めて簡単なかまどを作った。そしてかまどの中に薪を置く。


火をつける前に拾ってきた硬めの枝で50センチほどの串を数本作った。

そしてその串に隙間ができないように肉を刺して、かまどの上に並べていく。


並べ終わってファイアを使いかまどに火をつけた。


グリルと違って火力の調節が難しい。何回もひっくり返しながら焼いたがかなりコゲてしまった。

1人暮らしだから料理はそれなりにできるつもりだったんだけどな。


コゲをできるだけ取り除いて食べてみた。

泥臭さもなく思ったよりおいしい。

ただやっぱり調味料が欲しい。塩だけでもあればもっとおいしくなるはずだ。


全部は食べきれなかったので、残りはノワールにあげた。意外に好評だった。



食事を終えてしばらく休んでいた。最初は気づかなかったがだんだんと辺りが薄暗くなっていく。

時刻は午後4時10分だ。色々やっていた間にかなり時間が過ぎていた。



いくらノワールがいるとはいえども、暗くなり始めてから森に入る気にはなれない。


今日はこの場所で眠ることにした。

とりあえず暗くなっても急激に温度が下がるということはなさそうだ。曇ってもいないし雨の心配もないだろう。


地面に直接寝るのは少し抵抗があったので、砂浜にビニールシートを敷きその上に寝転がった。

ノワールも俺の横に寝そべる。


そのまま仰向けで寝ていると、太陽の様子がおかしいことに気づいた。


太陽の場所は最初から変わっていないのだが、時間がたつにつれて太陽の光が弱くなっていく。

見たことのない光景にしばらく見入ってしまった。

だんだんと光が消えていき、最終的には完全に消えて見えなくなってしまった。


完全に太陽が消えた。月も星も見えない。


「あのさノワール、太陽がなくなったんだけど」


「確かになくなりましたね。それに月も星も見えないなんて不思議です」


俺からすれば日本語ペラペラなノワールも十分不思議だけどね。

それにしても真っ暗だ。月がないので、当然月明かりもないから、全く何も見えない。

こういう状況になると街灯の偉大さがわかるな。


「御主人は明日に備えてしっかりお休みください。見張りもお任せください」


起きていても何もできないのでノワールの言葉に甘えることにした。


「じゃあ、お願い。何かあったら起こして」


「はい」


後の事はノワールにお願いして目を閉じる。

眠れないかと思っていたが、思ったよりも疲れていたようですぐに眠ってしまった。



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