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5話

5話


一息ついてふと思った。


どのくらい時間がたったんだろう?


時計を見ると今は6時25分だった。

こちらに来て1時間くらいだ。


今は太陽が中天にある。正午くらいなんだろうか?

1日が地球と同じサイクルだったら、後5~6時間もすれば日が沈むはず。

それまでに出来る事をしなければいけない。


まずはステータスポイントの割り振り考えることにする。


詳細を読むとどれも重要に思える。

できればすべての能力値を均等に上げたい。でも限られたポイントの中では厳しい。

重要なのは、モンスターとの戦いになっても生き残れるような能力値にするということだろう。


攻撃を受ける前提で考えれば、HPとVITに多く割り振るべきだ。


だけどただ無抵抗ではHPが削られて死ぬだけだ。攻撃も考えないといけない。


いずれ近接戦闘も出来なくてはまずい状況になるかもしれないが、武器もなく武道の経験もない現状では近接戦闘は難しい。

モンスター相手に素手とか無理だ。

モンスターに攻撃するなら魔法がいいだろう。


そうなるとHP、MP、INT、VIT、このあたりを中心に上げるのがいいかな?


いや待て。攻撃魔法の威力はどうなんだ?

一度使ってみた方がいいんじゃないか?

かなり修行しないと使えないとか、威力が弱いとかがあるかもしれない。


魔法は使ってみるしかない。ポイントを割り振る前に攻撃魔法の確認だけはしておこう。 


初期の攻撃魔法はバーン、ウォーター、ライトだ。

どれもその属性の球体を飛ばして攻撃するもののようだ。

球体にして飛ばすならゲームなどで見たことがあるしイメージしやすい気がする。


森に向かって火属性の魔法は使わないほうがいいと思う。

湖に向かって魔法を撃つ方がいいと思い湖に近づく。

食事の終わっていたノワールもついて来た。


湖に近づくと危険な気配を感じるようになった。

岸の近くに自分より強い何かが数体いるようだ。

これが気配察知の効果なんだろうな。

さっきまで感じていなかったから効果範囲は30メートル位かな?


水の外に出てこれるモンスターはいるのかな?


水中でも地上でも活動できるノワールクラスのモンスターが湖にいたなら、ここまで近づいた時点で死んでいただろう。

まあそんなのが近くにいたらノワールが教えてくれるだろう。

俺よりノワールの気配察知の方が優秀なはずだし。


一応用心して気配察知で敵の気配を感じられるギリギリの所に立った。



まずはバーンを使う。

火の玉が掌から前方に飛んでいくイメージをしながらバーンと唱える。


唱えた瞬間に掌から火の玉が発射される。

そして30~40メートル飛んだところで火球は消えた。

火球の大きさは20センチ位で、消えるまでの時間は2秒位だった。

結構簡単に魔法が使えた。スキルは使うだけなら簡単なのかもしれない。

続けて2回バーンを使ってみたが、結果は1回目と同じだった。


今度は角度を調整して火球が砂浜にぶつかるようにした。火球は砂浜にぶつかり爆発した。少し地面が焦げてえぐれている。

素手では絶対に出せない威力だ。自分が剣を使ってもあんなに威力は出ないだろう。


初期の能力値でこの位なら十分強力なんじゃないかと思う。


ノワールも初めて魔法を見たはずだが、あまり興味がないようだ。グルーミングしてるし。

この魔法ではAランクのノワールには通用しないんだろう。

脅威に感じなければ興味もわかないだろうし。


合計4回バーンを使った後、ウォーターとライトもを使ったが、飛距離や威力はバーンとほとんど変わらなかった。

3種類を4回ずつ使ったのでMPの消費は120だ。残りMPは0だ。


MPが少ない。休息すればMPは回復するらしいが、連続12回しか魔法が使えないのはきつい。

今のままではほとんど練習もできない。

魔法を中心に考えるならMPをかなり増やさないといけない。


魔法は、使用できる回数に不安があるが、素手よりはるかにいい。


しばらく悩んだがやはり、HP、MP、INT、VIT、を上げることにした。


HP180/180 MP70/190 STR32(32) INT38(38) VIT38(38) MEN32(32) DEX32(32) AGI32(32)


これが正解かは分からないがこんなものかなと思う。


残り0だったMPが残り70になった。

HPも同じようになってるからこういうシステムなんだろう。

これだけMPがあれば他のスキルの実験も出来る。



そういえばノワールが残してくれたザリガニがさっきまでいた所にある。

食べ残しだけどあのザリガニの鑑定と解体ってできるかな?

さっきの場所に戻って試してみるか。


俺が元の場所に戻ろうとしているとノワールは湖に水を飲みに行った。

たぶん近くにはノワールの敵になるほどの生物はいないんだろうな。

羨ましい。


さきほどまでノワールがいた場所を見ると、グルーミングにより抜け落ちた拳より大きな毛玉が散乱している。


なんとなく鑑定してみた。


鑑定



[名前] 聖獣の抜け毛

[ランク] B

[詳細] 聖獣の抜け毛 素材


聖獣の抜け毛ってなんだよ。貴重なものかもしれないから一応集めるけど。

もともとのノワールの毛の長さは10~15センチ位だったんだけど、今は長いもので1メートル位ある。面白いのはどの毛玉もほぼ同じぐらいの大きさになっていることだ。

素材アイテムは自然と同じ大きさになるんだろうか?


落ちていた毛玉は8個だった。

それらをなんとかリュックに押し込んでザリガニの所に戻る。


まずはザリガニの残った部分を鑑定してみる。


鑑定


[種族]ジャイアントシュリンプ

[ランク]F


ジャイアントシュリンプだってさ。

ザリガニじゃないんだな。


ランクはF。


ノワールのランクAって結構高い方なのかもしれない。

油断はできないがモンスターに襲われても何とかなりそうな気がしてきた。


次は解体だ。


解体


ジャイアントシュリンプが光を放った。

光がおさまった時にはジャイアントシュリンプが解体されていた。


[名前]ジャイアントシュリンプの甲殻

[ランク]F

[詳細]ジャイアントシュリンプの甲殻 素材 



[名前]ジャイアントシュリンプの肉

[ランク]G

[詳細]ジャイアントシュリンプの肉 食材



[名前]魔石

[ランク]F

[詳細]魔石 モンスターが体内に持つ石 素材 


おお!三種類にわかれた。


甲殻は砕けていたはずの頭部分が直っている。

それになぜか肉はビニール袋に入ってる。


食べ物は持ってる容器に勝手に入るのか?


液体はどうなるんだろう?

何もない所からビンは出てこないよな。

解体する時は近くになにか容器を置いた方がいいかもしれない。


いらない部分はどこかに消えたみたいだ。


スキルは本当にすごいな。

そもそも自分で解体なんてしたことないから、こんなにきれいに素早くなんて無理だ。

それにどこが重要な部分かがわからない。いらない部分の処理も大変だろう。

MPを少し消費するが攻撃で破損したところもなぜか直るみたいだ。

道具で解体するよりスキルの解体を使うほうがいいだろう。


でもノワールが食べた部分は元に戻らなかったんだよな。

今度からは解体してから食べるようにしてもらおうかな?


アイテムのランクはFとGだった。抜け毛よりランクが低いとかちょっと泣ける。

まあそれだけ聖獣ってすごいモンスターなんだろう。


鑑定と解体は使えるスキルだとわかった。

続けてまだ使っていない生活魔法を試してみた。

まずはクリーンだ。


クリーンなんてどんなイメージをすればいいんだろう?

使い方がよくわからないので、帰ってきたノワールを意識してクリーンと唱えてみる。

するとノワールが淡い光に包まれた。

光がおさまると水で濡れていた顔や足が乾いて、体についていた砂がきれいになっていた。


ノワールが尻尾をたててこちらを警戒している。ちょっと驚かせてしまったようだ。

ごめんと謝りクリーンの説明をすると警戒を解いてくれた。


今度は自分を指定してクリーンと唱える。するとノワールと同じように自分の体が光に包まれ、なんとなく体がすっきりしたような気がした。

どうやらクリーンはかけたい相手を意識すればいいようだ。


ファイアとアクアも試してみた。

ファイアはライターの火を見ながらイメージし、アクアは水道をイメージした。

結果はどちらも1度で成功した。

誰でも使える魔法ならこんなものかもしれない。


これで飲み水と火種はMPさえあれば手に入ることが確定した。


飲み水は貴重なのでアクアで出した水はビニール袋に入れておいた。


ファイアに関しては、体から1メートル位の距離なら火を自由に動かせることと大体10秒程で火が消えることが分かった。

体から1メル以内の空間に親指大の火を灯すとの説明だったので、1メルは大体1メートル位だろう。


近くに落ちていた小枝に火をつけた時は、魔法の火は10秒程で消えたが、小枝についた火はしばらく消えなかった。

やはり火の魔法は使う場所を選んだ方がよさそうだ。

一歩間違えば色々な所に引火して自分も焼け死ぬかもしれない。


結局クリーンを2回、アクアを2回、ファイアを3回、解体を1回使ったのでMPは25減った。


それにしてもこんな便利能力を使えることが普通になってしまったら、地球で暮らせなくなってしまいそうだ。



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