18話
18話
目の前では2頭の子犬がじゃれあってる。
ほっこりするね。
「そういえば、この子達どこで拾って来たの?」
「ここから少し離れた所に小さな丘があるんですが、その丘の洞窟の中で見つけました」
「そこが巣だったのかな?親はいなかったの?」
「子供たちのそばに怪我で死んだと思われる成獣が1体いました。それ以外には見ていません」
状況的に死んでいたモンスターが親の片方だろう。もう片方はどうしたんだろう?
当事者に聞いた方が早いか。
「君らの親はどうしたんだい?」
「おとーさんけがー。それからずっとねてる~」
「おとーさんけがしたからおかーさんたべものとりにいったの。でもずっとかえってこないの。おかーさんぜったいそとにでたらだめっていってたの。だからずっとまってたの」
寝てる……か。死を理解してないのか?
見た目は生後5カ月といったところだ。
だが実際は生まれてからあまり時間が経ってないのかもしれない。
話を聞いた感じでは、洞窟で死んでいたのは父親なんだろう。
この分だと母親もダメだろうな。
生きているなら子供が餓死しそうになるまで放置することはないはずだ。
「大変だったんだな」
2頭を抱きしめてワシャワシャとこれでもかと撫でる。
子犬達は気持ち良さそうに撫でられている。
子犬達を離した後に、ノワールの意見を聞く。
「ノワールはどう思う?」
「恐らく両親とも……」
「だろうな。だけどこの子達よく無事だったな。親がいなかったら他のモンスターに襲われそうなものだけどな」
「それは洞窟の入り口が偽装してあったからですね。母親がうまくやったんでしょう。見つけたのが私でこの子達は幸運でしたね」
「そうだね。だけど、場合によって見逃してやるぐらいはいいけど、切りが無いから今度からは拾ってこないようにしてね」
「わかっています。今回は御主人のためになると直感したから拾っただけです。普段はしませんよ」
「それならいいけどね」
「それよりも、この子達に名前をつけませんか?」
「あー名前ね。そうだよね良い感じの名前を付けてあげないとね。どうしようかな?」
まずは外見を見てみよう。
どちらも見た目は黒一色でシルエットもほぼ一緒だ。
ぱっと見では見分けることが出来そうにない。
よく見ると気持ち大きさが違うかなと思う。
抱き上げておなかを見てみると、どちらもアレがない。
女の子ってことだよな?
ステータスを見ればわかるな。
[名前] ― ♀
[種族] シャドードッグ(幼体)
[モンスターランク] F
[スキル] 潜影 気配隠蔽
どちらもステータスは同じだ。
やっぱり女の子だった。
大きくなったらノワールの嫁に出来るかもしれない。
プロジェクト光源氏だ。
ノワールの好みの女性に育てつつ、ノワールのことを好きになるように洗脳するわけだ。
それなら名前は藤壺と若紫か?
いや、やめておこう。ゲス過ぎる。
そのあたりはなるようになるだろう。
できればくっついて欲しい。ノワールの子供が見てみたい。
違うモンスター同士で子供が出来るかは謎だけどね。
そういえばノワールの名前を付ける時に候補の名前がいくつかあった。
無難にノワールっていう名前にしたんだよな。
どれもノワールの毛の色から連想した名前だ。子犬達も毛の色が黒だから使えると思う。
ノワール以外のは確か……シュバルツ、ネーロ、ニュイ、レイラ、クリシュナ、ヘイ、こんなところだったかな?
結構な中二ネームだ。でもモンスターがいる世界ならアリな名前だよな。たぶん。
シュバルツってネオドイツの良い声の覆面兄さんのイメージが強いんだよな。
女の子の名前にはちょっとないか。
この中だと名前って感じなのはレイラとクリシュナかな?
どちらも美女の名前だったはずだ。
クリシュナは黒い女って意味だったか?正確にはクリシュナーかな?
まあ、どっちでもいいだろう。
レイラも夜のように黒い外見とかにつける名前だったよな?
個人的には良いと思う。これにしようかな?
「クリシュナとレイラはどうかな?どうノワール?」
「クリシュナとレイラ?どういう意味の名前ですか?」
「どちらも『夜のように黒い外見の美女』だよ」
「なるほど。御主人が良いならその名前でいいんじゃないですか?」
「良いの?じゃあそれにする」
「「クリシュナ~、レイラ~、びじょ~、びじょ~」」
こいつら意味わかってるのか?
大きい方がクリシュナで、小さい方がレイラにしよう。
「クリシュナなの」
「レイラ~」
「2人とも気に入りましたか?」
「「うん!」」
気に入ったようでよかったよ。
ノワールは子供にも丁寧に話すんだね。
名前を付けたことでステータス欄の表示も変わった。
[テイミングモンスター]
ノワール
クリシュナ
レイラ
[名前] クリシュナ ♀
[種族] シャドードッグ(幼体)
[モンスターランク] F
[スキル] 潜影 気配隠蔽
レイラの方も同じように変化した。




