アンナの仕打ち
アンナside
最近、レンの様子が可笑しい。
昔は「可愛い可愛い」って褒めてくれてたのに、最近は私の目をまっすぐに見てくれない。
あり得ないことに、気がつくとあの女ばかりを目で追っている。
きっとジュリアンのせいよ!
あの女狐が私のレンに悪影響を与えているに違いない!
なんとかしてレンとジュリアンを引き離さなきゃ。
◇ ◇ ◇
「どうしたんだ、アンナ?」
「お父様……グスン」
やっぱり父親にジュリアンを排除してもらうのが手っ取り早いわ!
少し涙ぐめば、過保護なお父様は絶対に聞いてくるはず。
「泣いているのか? 可愛いアンナをそんなに悲しませているのは何が原因なんだ?」
フフフ、思った通り!
これでジュリアンはおしまいね。父親が絶対排除してくれるはず!
「お父様、実はお姉さまのことなんですが、もうすぐ婚約披露パーティーがあるのに、私のレン様にちょっかいをかけてるんです……グスン」
父親は明らかに苛立ちを見せる。
ふふふ、これでジュリアンはおしまいだわ。
◇ ◇ ◇
数日後、父親の書斎に呼ばれる。
「実はアンナに朗報がある。ジュリアンには嫁いでもらうことになった。」
「えっ!? 本当ですか?」
「先方も乗り気で、この話が上手くいけば我が家の財政も建て直せる。一石二鳥だ!」
マジか!? お姉さまが嫁ぐって!
でも、相手は金持ち?
あの女だけがいい思いするのはムカつくけど……。
「お父様、お姉さまのお相手はどんな方なのですか?」
「子持ちで34歳のランディー伯爵だ。」
えっ!? 子持ちの親父!?
前言撤回!マジで最高! 笑いが止まらない!
「そうですね~、大人で素敵な方なんでしょうね。お姉さまにも幸せになっていただきたいわ!」
父親に褒められ、少し笑いそうになってしまった。
◇ ◇ ◇
その後、久しぶりにレンから呼び出し。
ルンルン気分で待ち合わせ場所に向かうと……
「アンナ、噂で聞いたけどジュリアンが婚約するって本当なのか!?」
「はい、お姉さまに婚約の話が出ており、先日相手の方にお会いになりました。」
私の言葉に、レンは苦しそうな表情を浮かべる。
姉を愛してるみたいな態度に胸糞悪くなる。
「その……ジュリアンは乗り気なのか?」
「乗り気かと聞かれましても、私はお姉さまではないので分かりませんが……
相手の方と仲良さげでしたので、満更でもないのではないでしょうか?」
レンの顔が曇っていく。
姉が結婚しようが私達には関係ないはずなのに……。
「しかし、アンナもジュリアンも嫁ぐとなれば、ポーツ家の家督を継ぐ者がいなくなるんじゃないか?」
「ここだけのお話ですが、お父様の隠し子を養子として迎え入れるみたいですわ!」
レンの表情が曇ってる
このままじゃ手の届かないところに行ってしまう――。
なんだか無性にイライラしてきた。
「前々から気になってたんだけど、レンは私を愛してるのよね?」
「……」
「それとも姉を愛してるの?」
「……」
何も答えないレンに痺れを切らし、つい頭にきて叫んでしまう。
「レンがいくらお姉さまを思っても、絶対に手に入らないわ!
絶対に二人は結ばれないんだから!」




