婚約パーティー②
「ケイゴ! 私の衣装、変じゃないよね? 大丈夫かな……」
「落ち着け。大丈夫だ。俺がしっかりエスコートする――心配するな」
「うん、ありがとう……」
婚約披露パーティー会場に足を踏み入れる。
豪華絢爛な内装、煌びやかなシャンデリア、そして周囲の視線。
慣れない場に緊張してしまうけど、ケイゴが隣にいる。
それだけで少しだけ心が落ち着いた。
「さて、お姫様、行こうか」
その声とともに振り向くと、ケイゴは優雅に微笑んでいた。
まるで物語の王子様のよう――目の前の現実とは思えないほどに。
バタン、と会場の扉が開く。
次々とパートナーたちが入場していく中、ケイゴは堂々と、まるでステージに立つ主人公のように佇む。
白い燕尾服には金糸の刺繍が施され、金髪が光を受けて輝いている。
周囲の女子たちは、思わず目を奪われたかのようにハートマークの視線を送っている。
「――なんだか、ちょっと優越感」
つい、心の中で笑みが零れる。
このケイゴをパートナーにできるなんて、恵まれすぎてる。
しかし、そんな浮かれた気持ちを遮るように、鋭い視線が背後から突き刺さった。
「やぁ、ケイゴ。今日のパートナーは初めて見る顔だね」
目の前の男――ショウと名乗るらしい――
私を品定めするように上から下までガン見している。
「……き、気持ち悪い」
慌ててケイゴの後ろに隠れる。すると、瞬時に彼の表情が変わった。
「おい、ショウ。俺の連れにちょっかいを出すな!」
鋭い牽制に、ショウは一瞬たじろぐ。
しかし、興味を引かれたのか、その目はさらに好奇心に満ちている。
「な、何だよ? お前がそんなになるなんて、誰なんだ? 紹介しろよ。もしかして恋人か?」
「そうだ! だから絶対手を出すな!」
ケイゴが私をさっと抱えるようにして、ショウから遠ざける。
手に力が入るけど、安心感がそれを上回る。
「ケイゴ、あの人友達…?」
「友達ってより、腐れ縁だな。普段は温厚な奴だが、女癖が悪すぎる。
お前が気に入ったみたいだから、絶対近付くな」
「……うん、分かった!」
握られた手のぬくもりに、少しだけ胸が熱くなる。
この護衛、いや、王子様――
今日は私のパートナーでいてくれるんだ。




