表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/33

ケイゴとランチ


「あーマジでビビった……。

また流されるところだったわ!」


 自分で決めたことだ。

これ以上レンと関わらないようにしなきゃ。


   ◇ ◇ ◇


「なぁ、今度アンナとレンの婚約披露パーティー、大々的に開かれるんだろ?」


「そうみたいだよね」


 最近の日課になりつつある、あの大きな木の木陰。

レジャーシートを敷き、弁当を持参して昼食をとるのが唯一の楽しみだ。


「それにしても、この卵焼き上手すぎるな!」


 気づくと、ケイゴが私のお弁当のおかずをつまみ食いしている。


「もう、たくさんあるからゆっくり食べなよ!」


 取られまいと口いっぱいに卵焼きを頬張る私。


「取らないから、もっと食べろよ」と言うケイゴに笑いながらも、つい頬が緩む。



「アンナとレンの婚約パーティー、出席するのか?」


 ため息が出る。

元婚約者と現婚約者との“共演”?

しかも、私を笑い者にしたいのか、アンナの力を誇示したいのか……居心地が悪すぎる。


「出来るなら出たくない!だって一緒に行くパートナーもいないし」


「俺がパートナーじゃ不服か?」


 目が輝くケイゴに、思わず両手を握り感謝の意を示す。


「えっ!?もしかして、私のパートナーとして一緒に出席してくれるの?」


「別に嫌ならいいんだけど……」


「わぁー!絶対一緒に行く!

ケイゴがパートナーなら、惨めな思いしなくて済むもん!」


「何で俺じゃ惨めな思いしないんだよ?」


「そりゃ、その顔面は眼福対象だからよ!」


「ガンフク!?」


 ケイゴの疑問に答えず、興奮しすぎた私は勢いで約束を迫る。


「今更やめたとかナシだよ?絶対、絶対だよ!約束ね!」


 耳まで真っ赤にしたケイゴが、「オゥ……」と気のない返事をする。

よし、これで悩みが一つ解決した。



「しかし、ベントウって便利だよな」


 この世界には弁当なんてものはないらしい。

でも、婚約破棄された令嬢として注目される私にとって、視線を避けられる弁当持参は最高の作戦だ。


 お抱えシェフにレシピを渡し作ってもらったお弁当。

今日のメニューは卵焼き、ウィンナー、唐揚げにパン。


「しかしこの肉もうまいな!こんな上手い唐揚げ、初めてだぞ!」


「でしょでしょ!味もついてて美味しいでしょ?」


 本当はおにぎりも作りたかったけど、この世界には米がほとんど出回らないらしい。

パンだけじゃ飽きるけど、仕方ない。


 口にいっぱい頬張るケイゴがむせそうになったら、私が水を差し出す。


「生き返った!」


 魔法瓶代わりの細長い水筒の魔道具も、中の水は昼頃まで冷たさを保ってくれる。


 準備万端の私のランチに、ケイゴは満足げだ。



 ちゃんとデザートもある!

今日はシュークリームを持参。

お抱えシェフに作ってもらったものだけど、かなり美味しい。


「あ、もうクリームついてるよ!」


 口元についたクリームを指で拭い、それを舐める私に、目の前のケイゴは真っ赤になって固まる。

意識されると、こちらまで照れてしまうじゃないか!


「ご、ごめん」


「……べ、別にいい」


 お互い意識しまくりで、居心地が悪いけど……ちょっとドキドキする瞬間。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ