第八話<師匠という人>
佐藤涼は事故で意識を失い、目を覚ますと少年カールとして異世界に転生した。最初は驚いていたカールだが、今後はこの世界で精一杯生きようと決意した。
カールはついに魔法の先生、リリス・フォン・ノクターンと出会い、魔法の学びを始めることになった。リリスは見た目が子供のようだったが、確かに魔法の使い手としての実力を持っている様子だ。最初は座学で基礎を学び、次に実践で魔法の使い方を学ぶことに。カールは初めての魔法を使うことができ、リリスからその才能を高く評価される。さらに、カールの魔法適性が全属性に及ぶことが判明し、魔力量を測る水晶も破壊してしまうほどの力を持っていた。リリスはカールの実力に驚き、今後の成長に期待をかける。
カール「ただいま!」
エリック「おかえり!初めてに魔法はどうだった?」
カール「とても楽しかったです!」
エリック「それはよかった。」
僕は屋敷に戻ってからみんなと色々話し、夕食を食べて自室に戻った。今日はすごく疲れる一日だったが、とても楽しかった。
カール「今日は疲れたなぁ」
僕がそう考えていると、
コンコンコンッ
誰かが部屋のドアを叩いた。
リリス「失礼します。」
カール「リリス先生?どうしたんですか?こんな時間に。」
リリス「実は、慣れない環境なせいであまり寝付けなくて。」
あまり寝付けないといいやってきたリリスは、僕と一緒に少し話をした。
リリス「ねぇカールくん、ステータス、見せてくれない?」
カール「いいですよ。“ステータス・オープン”」
--しまった!
前回の隠蔽で少し雑だった部分を直そうと一回全ての隠蔽を解いたのを忘れていた!どうしよう。姉さんにあんなに見せるなって言われていたのに、すぐに破ってしまった!どうしよう。また姉さんの時みたいに怖がられる…。
リリス「やっぱり!」
カール「???」
リリス「あれだけすごい魔法を撃てるからそうだと思ってたんだ!」
カール「どういうことですか?」
リリス「見てて。“ステータス・オープン”」
そこに映し出されたステータスに僕はすごく驚いた。リリスも女神の加護を持っていたのだ。それも僕と同じレベル10。なんだかすごく親近感が湧いた。
カール「リリス先生もなんですか?」
リリス「一緒だね!」
--可愛い…。
僕に微笑みかけてきたリリスの顔は、今まで見たことないほど輝いていた。
リリス「ねぇカールくん、この世界の創造主ってなぁに?」
このスキルについて、俺はまだあまり何も知らなかった。というか、このスキル自体一回しか使ったことがない。本当は自分のスキルについてなんでも知っているように言いたいが、ここで嘘をついたってなんの得にもならないし、双方にいいことがないので、事実を伝えることにした。
カール「実は僕もよくわかってないんです。なにせ一回しか使ったことないし。」
リリス「そっかぁ。じゃぁその一回の時って何に使ったの?」
カール「その時はこのステータスを隠すために使ったんです。こんなふうに。」
僕は前にやったようにステータスにスキルを使って隠蔽してみせた。そうしたら、リリスは目をまんまるくして驚いていた。それもそうだろう。この屋敷の文献(魔法関連)をほとんど読んだ僕ですら聞いたこともないような内容だったから。でも同時に、似たように隠蔽をできるスキルを持っている人がいるかもしれないと不安になった。
リリス「ふぁぁぁぁ。そろそろ眠くなっちゃった。もう寝るね。おやすみ。」
リリスはそう言うと部屋から出て行った。
次の日からも、魔法の訓練は続いた。リリスからはたくさんの種類の魔法や、それぞれの特徴など、様々なことを教えてもらった。そしてあの日から、寝る前にリリスは僕の部屋に来て話をするようになった。話の内容はその時々だが、今日の魔法はどうだったとか、明日はここを頑張ろうとか。あと、リリスから外の世界について聞いたりした。そんなことが続いていたある日。
リリス「じゃぁそろそろ寝るね。」
カール「うん。おやすみ。」
いつもならリリスはここで出ていくのだが、この日は違った。
こんにちは、もしくは初めまして。Charlieです。この度は私の小説を読んでいただき、ありがとうございました。小説を書いた経験は豊富ではありませんが、これからも書き続けられるように頑張りますので、よろしくお願いします。