第七話 <魔法>
佐藤涼は事故で意識を失い、目を覚ますと少年カールとして異世界に転生した。最初は驚いていたカールだが、今後はこの世界で精一杯生きようと決意した。
カールは、儀式を終えて魔法を使えるようになったものの、その使い方についてはまったくの初心者だった。魔法の発動方法がわからず、父であるエリックに相談した結果、魔法の師をつけてもらうことが決まる。カールは、どんな人物が自分の師になるのか、楽しみにしていた。
そして、ついに現れた魔法の師は、予想外にもカールとほぼ同じ年齢に見える少女だった。彼女は若干驚きの存在ではあったが、確かな自信を持って魔法を教える役割を引き受けることになる。カールは今後の魔法の訓練に大きな期待を抱いていた。
年齢はわからないが、少なくともその人物の見た目はまだ幼い児童そのものだったのだ。もしかしたらとても歳をとっているけど見た目は…的なのだと思ったが、この世界にそんな存在がいるのかはわからないので確証は掴めない。
???「初めまして。私はリリス・フォン・ノクターンと申します。」
エリック「ようこそおいでくださいました。リリス様。今日から我が息子、カールをよろしくお願いします。」
カール「初めまして。カール・ド・ヴァルデンと申します。よろしくお願いします。」
リリス「こちらこそ、よろしくお願いします。」
そうして、僕の魔法の先生が決まり、今日から僕の魔法の訓練が始まる…そう思っていた。
リリス「いいですか?魔法っていうのは体の中にあるマナを使って…」
最初は魔法について知ることから始めようと言われ、座学から始まった。こんなことになるとは思わなかったが、先生が言っていることだ。大切なこと何だろう。と思いそのまま受けることにした。
リリス「それじゃぁ今日の魔法学習はここまで。これから外に行って今日習った魔法の実習をしようか!」
--やったぁ!魔法が使える!
魔法が使える。そう思うと叫びたくなるほど嬉しかった。もちろん、僕がこの世界に来てから今まで魔法という存在を知っていながら三年間も使えなかったこともそう思う原因かもしれない。が、しかし、前世で子供の時に見た異世界アニメに魅了されたことや、厨二病に目覚めた時に本当に魔法が使えると思ったことなどから、そもそも僕は魔法が好きなのだと思った。
屋敷から離れた場所に移動した僕たちは野外実習を始めた。
リリス「じゃぁ今からもう一度魔法の使い方を教えるからしっかり覚えてね。」
そうしてリリスは、僕に魔法の発動方法や、魔法の制御方法などを教えてくれた。
リリス「よし。これで魔法の基礎は大体わかったかな?」
カール「はい!」
リリス「よろしい。それじゃぁ初級魔法の一番簡単なのからやってみようか。これからやるのは水魔法。私がいったとうりに詠唱してみて。」
リリスは杖を握って詠唱した。
リリス “聖なるマナよ、我がリリス・フォン・ノクターンの名において命ずる。水の矢となり幻出せよ!ウォーターボール!”
リリスがそういうと、大きな水の塊が頭上へ現れた。そしてリ杖を振り下ろすとその方へ球が飛んで行き、大きな爆発を起こした。
リリス「さぁ私がやったように詠唱してみて。」
カール “聖なるマナよ、我がカール・ド・ヴァルデンの名において命ずる。水の矢となり幻出せよ!ウォーターボール!”
--できた!
僕が詠唱を終えると、頭上には大きな水の塊があった。それはリリスが作り出したものよりもさらに大きかった。
リリス「すごい!初めてでここまでできるなんて!しかも私より大きい。もしかしたらカールくんには水の適性があるのかもね。じゃぁカールくん、そのまま杖を振り下ろしてみて。」
僕は言われた通りに杖を振り下ろし、水の球を飛ばした。その爆発は大きく、まるで映画館のスピーカーの前にいるような迫力があった。
リリス「よし。カールくんも魔法が使えたね。それじゃぁ魔法適性を見てみようか。この水晶に手をかざしてみて。」
そう言われて手をかざすと、水晶は青、赤、黄、緑、紫、白のきれいな色に光った。
リリス「すごい!全属性に適性があるなんて!今まで見たことなかったわ!じゃぁ今度は魔力量を測ってみようか。今度はこっちに手をかざして。」
そうして手をかざすと、その水晶は綺麗に輝き、やがてヒビが入って割れてしまった。
リリス「まさか!カールくんの魔力量がこんなにあるなんて!カールくん本当にすごいね!」
リリスに褒められて、僕はとても嬉しい気持ちになった。
そして、僕たちは魔法の練習を終え、屋敷に戻った。
こんにちは、もしくは初めまして。Charlieです。この度は私の小説を読んでいただき、ありがとうございました。小説を書いた経験は豊富ではありませんが、これからも書き続けられるように頑張りますので、よろしくお願いします。