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第一話 <神の悪戯>

誰かの人生、その先を知る人は誰もいない。いるとすれば、それは神だ。〜アルシア〜

夜の闇が濃くなる中、車のヘッドライトが静かな街道を照らし続けていた。運転席には、二十四歳、佐藤さとう りょうが座っていた。大学を卒業して間もない、平凡な日常を送っていた彼は、今、明日の仕事に向けて早く帰ろうと急いでいた。

ラジオから流れる音楽を聞きながら、涼はふと窓の外を見る。遠くに見える山々が闇に包まれ、静寂が広がっていた。その瞬間、後ろから車のクラクションが鳴り響く。涼は反射的にハンドルをきり、急ブレーキを踏むが、間に合わなかった。


バンッ――


音と共に、車が急速に回転し、道路を離れて電柱に強くぶつかった。どこかで体が何度も打ちつけられ、やがて意識は闇に飲まれていった。

目を開けた瞬間、世界が歪んでいた。

目の前に広がっているのは、見たこともない天井。薄い金色の装飾が施された、高い梁が特徴的な天井だった。


--何かが違う。


異様に広い部屋の中に、身動き一つ取れずに横たわる自分の体に不安を覚える。


--ここは?


耳を澄ませると、遠くで誰かの声が聞こえた。しかし、その声はまるで、まるで夢の中のように遠くてかすんでいる。声の主を識別することはできなかった。だが、すぐに感じたのは、自分の体に対する違和感だった。

手を動かそうとすると、異様な感触が指先に伝わる。


--あれ? 何かが違う。あまりにも小さくて、細くて、柔らかい。今の俺の手は、子供の手なのか?...いや、子どもの手だ。


--え?


頭をガクンと起こした瞬間、視界がぐるぐると回り、目の前の光景が明瞭に映った。


--…え?


驚愕する暇もなく、目に映ったのは、異様に豪華で広大な部屋だった。柔らかなカーペットの上に、金色の縁取りが施された家具が並んでいる。壁には、絵画や装飾品が煌びやかに飾られ、まるで王侯貴族の寝室のようだ。

俺が寝ていたのは、大きなベッドの上だ。銀のフレームに豪華なカーテンが掛かっていて、その辺りには見たことのない絨毯が敷かれている。全てが高級で洗練されているが、何よりもその空間が、どこか異常に感じた。


--ここは…?


頭がしっかりと覚醒し、冷静に考える。何かおかしい、いや、異常だ。目を開けた瞬間、世界の景色がまるで別のものに変わったように感じる。どこか現実感がない。この部屋、どう見ても貴族の屋敷の一室じゃないか。

ふと、床に目を落とすと、小さな足が見えた。


--ん?


手足の指が細く、まるで子どものようだ。あまりに小さすぎて、自分の体だとは思えなかった。自分の手も、足も、完全に幼児のものに変わっている。


--これはどう考えても……自分が死んだはずの、あの世界の身体じゃぁないな。......まさか…転生?


心の中でその言葉が浮かび上がった。だが、すぐにその言葉が意味するものを実感して愕然とする。


--…どういうことだ?


記憶が混乱する中で、ようやく周囲に目をやると、一点だけ違和感を覚えることがあった。それは、誰かが名前(?)を呼んでいたことだ。


???「カール様? カール様?」


その声にハッとして、振り向くと、部屋の隅に立っている人物が目に入った。高い身分の使用人らしく、優雅な身のこなしをしているが、どこか硬い表情をしている。その視線は、まるで自分の子供を見守るように、慎重に涼の反応を探っているようだった。


初めましてCharlieです。この度は私の小説を読んでいただき、ありがとうございました。これからも書き続けられるように頑張りますので、よろしくお願いします。

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