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みずいろ

作者: 秋葉竹




なにを

残して来たのかと

振り返ると

血が凍るようだ


なにひとつ

残せていない

生を

ただ

生きて来たのだと


みずいろのこころの

あのひとは

きっと

雲に乗って

笑いながら

わたしたちを

見守っていてくれるだろう


わたしたちは

その

心の奥底までみ透すような

澄み切った目で

みられているのだと

想うとき


なんて

恥ずかしい生き様を

晒しているのかと

すこし大袈裟に云うと

消えて無くなってしまいたく

なったりしそうだ


ただ

近くの

どんな山でもいい

たとえば山に登ると

そこで吸える空気の味が

からだいっぱいに広がり

きっととても濃い清冽をこころにまで

沁み渡らせてくれる気がする


それで

大丈夫だ


きっと大丈夫だ



だけど生きてゆくためには

勇気は必ず要るものだから

だから生きているひとはみんな

すべからくそれだけで

ひとりの勇者なのだから


空気を

飲み込むだけで

新生できてしまうだなんて

とても

安あがりで

いとも簡単に可能な

すき透れるしあわせではないだろうか


この胸に

流れつづける

あのひとから

流れつづける

みずいろの

正しさの気配を


丁寧に

慎重に

つつましやかに

めげず

驕らず

胸の奥底から聴こえる

たとえば正しい悲しみの音符さえ

できるだけ

やさしい音色で

奏でたいと想う


上手じゃなくて

いい


ヘタで

いいんだ


そしてそれでも

これが未来への道だから

みずいろのこころから流れる

果てのない永遠の道ゆきだと

確信しているから

きっと

わたしたちは

いずれ山の頂に

登り切ることができるのだろう


それが最期のときなら

それはそれで

とても

すごく

胸いっぱいの

とくべつで

しあわせな

瞬間なんだと云えるのでは

ないだろうか








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