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9/11

お嬢様と仲間が顔合わせします

約一年ぶりの更新になってしまいました。

各話修正したところがあるので、1話から読んでもらえたらと思います。

「やっほー!セルンです!シャノンの親友です!」


 砕けた口調の挨拶が珍しいのでしょう。リゼお嬢様が戸惑っています。


「は、初めまして。リゼ・リグラセティと申しますわ」


 リゼお嬢様の綺麗な挨拶が、「はーい、よろしくね!」と軽い感じで返されます。

「よろしくお願いいたします」とリゼお嬢様は、もう受け入れています。

 彼女が普段からこうなのだと、察したのでしょう。


「ところで、シャノンの親友ということですが――」

「よくぞ聞いてくれました!」


 そんな食い気味で言うこともないでしょうに。


「セルン。リゼお嬢様が引いてる」

「ああ、ごめん、ごめん。つい嬉しくてね」


 リゼお嬢様も「シャノンが砕けてる」じゃないですよ。

 それだと、物理的に砕けたように聞こえるじゃないですか。


「それで、シャノンの親友ということですが――」

「よくぞ聞いてくれました!」

「もう、それはいいわよ」


「シャノンとは、同郷なの」「この子って、小さい時はもっと周りに壁をつくっててねー」「おっちょこちょいなところもあって」「初めてダンジョン潜ったときなんかー」「学園で主席取れなくてー」


 恥ずかしい話が、セルンの口からどんどん飛び出してきます。

 止めたいのですが、リゼお嬢様のそのキラキラした目を見ていると、どうにも止められません。



「そういえば、セルンさんのランクってどのくらい何ですか?」


 私の話がひと段落したのか、リゼお嬢様がセルンに尋ねました。

 セルンが私に目配せしてきます。


「プラチナです」今は。

「どうもー!プラチナランクのセルンです!」


 私たちの返答に、リゼお嬢様が固まります。

「おーい」という、セルンの声も聞こえていないようです。

 ぶつぶつと言葉が聞こえてきます。どうやら、目の前の現実を受け入れられないようですね。


「本日はプラチナランクがいますので、『黒のシリル』に挑戦します」


 落ち着くのを待っていても埒が明かないので、今日の目的を話します。


「……夢かしら?今、『黒のシリル』と聞こえた気がしましたけど」

「いいえ。確かに『黒のシリル』と言いました」


 私の言葉に、リゼお嬢様が軋むようにこちらを向きました。

 リゼお嬢様には、現実を直視していただきます。

 目の前にプラチナランクがいるのも、これから『黒』のダンジョンに挑戦することも、リゼお嬢様自身の強さの程度も。


「各方面の許可は取っているので、早速ですが、今から向かいます」

「レッツ・ゴー!」


 元気よく拳を上げたセルンとは対照的に固まったリゼお嬢様を担ぎます。


「セルン。お願い」

「あいよー」


 セルンが軽い調子で「『トラベル』」と唱えると、目の前に光る扉が現れました。

 扉を開いた先は、視界いっぱいに草原が広がっています。その中に大きな石造りの建物が見えています。

 つながった場所に入り、リゼお嬢様を降ろします。


「やっぱり便利ね」

「旅情もなにもなくなっちゃうけどね~」


 リゼお嬢様のお口がパクパクしています。可愛らしいですね。


「な、何なんですのー!?」


 いい反応してくれますね。

 セルンも満足気です。


お読みいただきありがとうございました。


「面白かった!」「続きが気になる!」と思ってくれた方は、

『ブックマーク』や評価を★★★★★に変えて応援していただければ、嬉しく思います。


皆様のブックマークと評価はモチベーションと今後の更新の励みになりますので、

どうぞ、よろしくお願いいたします。

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