お嬢様とダンジョンについて確認します
※本日は2話投稿しています。こちらは2話目です。
翌日、リゼお嬢様にダンジョンに同伴できる許可が下りたことを話すと、「さすがシャノンですわ!」と褒められました。
もっと褒めてくれてもいいのですよ?
「さて、ダンジョンに入る前に基礎知識の確認と方針について話し合いたいと思います」
気を取り直して、リゼお嬢様の勉強部屋で話し合いを始めます。
「はい!」と元気な返事に頬が緩みます。
「ダンジョンについて、どの程度まで教わっていますか?」
「講義では、ダンジョンの種類について、冒険者のランク、ダンジョンのランクについて、ダンジョンの発生について、あとはボス部屋についてですわ。個人的な知識だと、近くにあるキリツにあるダンジョンの上層モンスターについてですわね」
ふむふむ。自ら進んで調べることはいい事です。
「わかりました。学園での講義で教わったことのすり合わせから始めましょう」
※
ダンジョンと聞くと地下に潜っていくものを想像すると思いますが、実際には塔型のように昇っていくものも存在します。
洞窟型は、上層、中層、下層、最下層の順に魔物が強くなっていきます。また、塔型では、低層、中層、高層、頂上となります。
また、ダンジョン自体にもランクが付いています。低い順から、白、緑、青、赤、黒となります。通常、ランクとダンジョン名を一緒に言います。リゼお嬢様が調べたダンジョンだと『白のキリツ』となります。
ここまでは大丈夫ですか?
わかりました。次は、冒険者のランクについてです。
冒険者は、低い順からビギナー、ブロンズ、シルバー、ゴールド、ダイヤ、プラチナに分類されます。
ダンジョンに入るためにはビギナーとして登録しなければいけませんが、シルバー以上の同伴者がいる場合は、この限りではありません。
また、『赤』以上のダンジョンに入るためには、ゴールド以上にならないといけません。
え?勇者ですか?彼らはその強さからどのランクにも当てはまらず、『番外』として扱われています。
ええっと、ダンジョンの発生については、強くなるのに関係ないので別の機会にしましょう。
ボス部屋についてですが、階層と階層の間に存在します。
そうです。この階層と階数は別です。白のキリツでは、上層が5階あります。なので、6階にボス部屋が存在することになります。
他には、転移陣についてですが、……教わりましたか?
では、復習ということで。
転移陣は、ダンジョンの入り口とボス部屋又は5の倍数の階を繋ぐものです。入口からは繋ぐ階を選べますが、その逆はできません。例えば、入口からボス部屋や10階にはつながりますが、10階から5階へは繋がりません。
また、なぜか、自分が行ったことのない階へは繋がりません。不親切ですね。
※
「最低限ですが、基礎知識の確認はこのくらいでいいでしょう」
「そうね。ありがとう」
「次は、今後の方針ですが……」
私は言葉に詰まってしまいます。
リゼお嬢様がどうしたの?という表情で続く言葉を待っています。
「……リゼお嬢様は、本当に、世界を救えるくらい強くなりたいのですか?」
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