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勇者は驚愕する




「んぅ、……ん?」


 パチリ、と見たことのない部屋の中で勇者が目を開けた。


「ここは……」


 そしてここが何処なのか。その判断をするため、のそりと体を起こし己の周囲を確認する。



 そうして勇者の目に映ったのは見たことのない物ばかりだった。

 いや、似たような物を王宮で見たことはある。しかしそれらより一線を越すほどの美しく、高価であるのだろうということが素人目に見ても明らかだった。



 まず、勇者自身がいつの間にか寝かされていたらしいベット。ここからまず己の知るものとは異なっていた。


(えっと、……てんかい?付きベットだっけ?こんなの王妃様が使うベットくらいにしか付いてなかった筈じゃ……)


 尚且つ、勇者がいるベッドは絹で作られているシルクベット。昔の布関連の仕事が発展していた時期なら兎も角、いまの時代でここまで贅沢に絹が使われているとなると相当の値段になることは間違いない。



 次に、ベッドの右横に置かれた花瓶だ。


(うわぁ……。花瓶が、なんか、見たことないくらい透明……綺麗……)


 基本的に花瓶は陶器で作られているというのに、ここにある花瓶は勇者という立場にあっても見たことがないほどの透明度を誇るガラスの花瓶が置かれていた。



 3つ目、ベットの右斜め前に置かれている、勇者の全身は余裕で映すほどの大きさの姿見だ。


(あの姿見……装飾は少ないけど周りの木の彫り凝ってるなぁ。どれくらい時間かけて彫られたんだろう)


 これは金銀などの装飾は一切ないものの、木の枠によって囲まれており、その木には滑らかな曲線で何を表している、という訳でもないが非対称な堀り方が美しい。



 尚、果たしてこの木がどの素材で出来ているか勇者は知らない。


 知っていれば驚愕している。なんせこれは勇者が昔苦戦していたトレントの素材を使用しているからだ。


 ……まぁ、結局知らないから何の問題もないのたが。



 4つ目に、ベットの左斜め前の机だ。


(見るからに豪華……というより、机についてる引き出しの持ち手、宝石じゃない……?)


 これには机の引き出しの持ち手が宝石……ではなく、宝石より高価な魔法石がついていた。


 魔法石は魔力を扱える魔族しか作れないがために人間は魔法石の存在を知らないが、魔法石にはたくさんの魔力を貯めておき、使いたいときに取り出すことが出来るものだ。


 ……尚、何故そんな物が引き出しの持ち手として使われているのか、勇者は知らないし、そもそもの話魔法石の存在を知らないため宝石ではない、ということしか分かっていないが。



(それにしても)


「何処だろう、ここ……」



 勇者がそう呟いた瞬間、ベッドの左側にあった扉が勢いよく開けられた。


「さてと、そろそろ花瓶の花に水やりしねェと……って起きてる!?」


 扉を勢いよく開けたのは、先ほど勇者を混乱の中に陥れた(無自覚かどうかは不明であるが、途中からわざとであることは確実である)文官だった男だ。体全体を使って驚愕の意を示している。


「起きてる、けど……ここ、は?」


 そして勇者本人は未だ意識が曖昧なのか、それとも口調と態度が前と変わってたとしても知った顔である文官だった男が相手だからか、あまり警戒していない様子で、きょとんと首を傾げながら問う。


「ン?主さんの屋敷に決まってンじゃん」


 それに文官だった男も、きょとんと首を傾げながら答える。


「?」


「?」


 そして困惑している人物しかいなくなるこの空間。双方ともが?を飛ばしている。


 果てさてこの状況はどのように収拾がつけられるのか。そもそも収拾がこの2人につけられるのかと思った、と、こっそり窓辺から部屋の様子を見ていた極寒の地であるこの家周辺に住まう1羽の鳥はのちに語る。



 その時だった。



「君以外の生命体がこの屋敷の中で体を動かしたような気がしたんだけど、勇者が起きたのかな?」


 王宮で圧倒的な威圧感を放ち、勇者を圧倒していたとは思えないほど陽気な様子で目を輝かせている、この屋敷の主が現れたのは。


「ン?あァ、主さん来たンだ。つーか起きたかどうか俺に聞かずに勇者さんの姿確認すりゃよくね?」


 そして文官だった男はまるでそれが当然かのように何の突っ込みもせずに話だしたが故に、


(文官さんはなんでこの様子が当然かのように普通に過ごせてるの……?)


 勇者は全力で困惑していた。文官だった男との再会の時より困惑していた。


「うん?寝ているかもしれない女の子の部屋に勝手に入っちゃいけないだろう?」


「えっ、じゃあ花に水やりするために来た俺どういう扱いになンの?」


「それは#有罪__ギルティ__#なんじゃないかい?」


 しかし現実は無情にも可笑しな会話が続いていくのだった――








 一応言っておきます。【てんかい付きベット】と勇者が言っているのは勇者が詳しく覚えていないからです。決して作者が読み方わかってないとかじゃないです。


 さて、突然の言い訳(?)を失礼しました。連続更新を終えた後もこの作品を読んでくださっているみなさん!これからもこの作品をよろしくお願いします!尚、ブックマーク等していただけると作者が喜びま(殴


 催促したために自分のよわよわな拳に伸されました。悲しい……(何言ってんのお前)


 まぁ取り敢えずよろしくお願いします!


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