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そうして少女は旅立った  作者: 尾久承馬
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第一話 そうして不完全になった

 創造神はいくつかの世界を創り、それぞれの世界を管理するために使徒を造った。

 

 私たち使徒に与えられた使命は一つ。

 

 世界をあるべき姿に維持し、いずれ訪れる終末を回避することだ。

 神意のままに、為すべきことを為す。

 それこそが私の存在意義であり、すべては世界のためになることだと信じていた。


 今にして思えばあの頃の私は、呆れるほどに盲目的で人形のような存在だった。

 自分の意思を持たず、言われたことを言われた通りにこなすだけの動く人形。

 神意によって与えられた使命を果たすだけの毎日に不満を感じることもなかった。

 だけど幸か不幸か、そんな毎日は突然に終わりを迎えることになる。


 (……おかしいな)


 いつも決まった時間にコンマ一秒のズレもなく聞こえてくる神意。

 それがどういう訳か、その日からまったく聞こえてこなくなってしまったのだ。

 次の日も、次の月も、次の年も、律儀に待ち続けたが声は一向に聞こえてこない。

 そうして百年が経ったころ、流石に我慢の限界がやってきた。主に足が限界だった。


 (足が痺れる機能って必要なのか?)


 この百年、はじめの数年はボーッと何もない空間を見つめているだけだった。

 無意味に時間だけが流れていたある日のこと、ふとした拍子に私は顔を上げた。

 視線の先には、私の存在理由があった。


 (……大きくて丸い、青の世界)


 瞳に映る世界は雄大で美しく、いずれ訪れる終焉の影はまだ見当たらない。

 この素晴らしい世界が滅びる姿なんて想像もしたくない。けれど神意なき今、私にできるのは世界をただ見守ることだけだった。


 そうして私は世界を維持する管理者から、世界を見守る観察者となった。


 観察をはじめてしばらく経った頃のこと。

 私は世界に住んでいた人間と呼ばれる動物に興味を持つようになる。

 彼らの一挙手一投足はどこか面白おかしくて、文字通り永遠に見ていられた。

 彼らが形成する多種多様な文化はとても興味深く、融和や相反を繰り返して変化する生活。それに当然のように適応する彼らを見て開いた口が塞がらなかった。


 いつだったか創造神が言っていた。

 人間は不完全な欠陥品として、私たち使徒は完全な存在として造ったと。

 私は、私が完全な存在とは思わない。

 むしろ完全であることを否定し、不完全であることを望む。


 彼らへの興味は憧れに変わり、憧れは彼らと共に生きたいという願いに変わった。

 

 「私は人間になりたい」

 

 初めて自分の意思を言葉にしたとき、身体が熱くなって全身に力がみなぎった。


 足の痺れはもう消えた。

 これからは自分の意思で、自分のやりたいことをして生きていこう。

 ゆっくりと立ち上がり、大きく深呼吸をして高鳴る気持ちを落ち着かせる。

 ギュッと拳を握って決意を固め、覚悟を決めた私は天を仰ぎながら笑みを浮かべた。

 

 上も下も、右も左も分からないまま何とか書いた物語です。分からないなりにネットで色々と調べながら書きましたが、それでもやはり間違った表現や間違った文法を使ってしまっていると思います。

 句読点の付け方も何が正しいのか分からないまま付けたので、おそらく読みにくいと感じさせてしまったかも知れません。

 それでも最後まで読んで頂いた方には本当に感謝の言葉しかありません。

 本当の本当にありがとうございます。

 読んでくださる皆さんに少しでも違う世界を楽しんでいただけるようにこれからも精進します。

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