13興奮? いいえ、フンコーです!
――と。そこまで話し終えて。
「和姫さんの『妹ウオッチ』はこんな感じです」
俊介はひとまず回想を終えて、恋華に向き直った。
「へえ、意外だな」
開口一番、恋華はそう言うと、
「この間勝負した時は気の強い子だなあって思ってたけど。そういう家庭的な一面もあるんだ」
「そうなんですよ。和姫さんは誤解されがちですけど、普段は温厚でとっても礼儀正しいんです。家の家事もほとんどやってくれて。井川家のお母さん代わりってところですね」
「でも、ちょっと待って? さっき、聞き捨てならないこと言ってたけど」
スラスラと話す和姫への賞賛を、恋華が止めた。
「え? 何がですか?」
「何で、水着姿の妹さんとお風呂でイチャイチャしてるの? しかも、おっぱい押し付けられて鼻血出して倒れたってどういうこと? ていうか、妹さん相手に何でそんなデレデレしてんの?」
その部分は颯爽と流したつもりだったが、さすがに見逃してはもらえないようだった。
「それは……不可抗力って奴ですよ。興奮して血圧が上がって鼻血が出ただけです」
「つまり、和姫ちゃんのおっぱいに興奮してたわけだ。ムニュムニュの柔らかくて大きなおっぱいの感触で、フンコーしてたってわけだ!」
「…………人聞きが悪すぎるので、その言い方止めてくれませんか」
一応言い返しておくが、当たらずとも遠からずなので、俊介も強くは言えなかった。実際、和姫の巨乳にどぎまぎしていたのだから。
「まあ、いいんだけどね。和姫ちゃんに関しては想定内だし――でもさあ。やっぱり俊介君ってさあ?」
「なんですか?」
「おっぱい大きい子が好きなの? 和姫ちゃんぐらいの」
と、恋華はジト目で俊介を睨みながら尋ねた。見ると、自らの胸元に手を置いて、何やら恥ずかしそうにもじもじしている。これは、ひょっとして――
「言っておくけど。決して私の胸のサイズが控えめだからって、和姫ちゃんのおっぱいに嫉妬してるわけじゃないからね? 俊介君は分かってると思うけど、一応釘を刺しておくよ?」
「……ダイジョウブデス」
俊介は無表情のまま、棒読みで返事をした。実のところ恋華の胸は、和姫に比べれば小さいが、一般女性としては十分すぎるほどの大きさなのだったが。しかし先ほどの奏といい、和姫に対してといい、恋華はなぜこれほどヤキモチを妬くのだろうか。
自分に対しての好意にも見えるし、ただ腹を立てているだけのようにも見える。俊介の脳裏に、疑問が浮かんだ。
自分達は、このまま「偽装恋人」を続けていていいのだろうか? と。




