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2 落ち着いて状況確認してみた

 なんか頭がスッキリしないなぁ。

 コーヒーが飲みたい。無性にコーヒーが飲みたくて仕方ない。

 もともと毎日3杯はコーヒー飲まないとイライラしてたからね。特に小説執筆中にコーヒーがないとかありえないって感じだったし。

 でも、この世界にコーヒーはないと思う。そんな設定してないし。

 もしかしたらどこかにあるかもしれないけど……たしか南の国境の先の小国群は南米みたいな感じってだけの設定だから、もしかしたらコーヒーの木とかあるかもしれないなぁ。

 でも、コーヒー豆収穫してコーヒーを飲めるようにするなんて知識はないし。


 知識チート物の主人公ってどうして皆いろんなこと知ってるんだろうね。

 普通あんな知識とか覚えてる人っていないよ。Wikiでもあれば別なんだけどさ。

 どっちにしろ、細かい設定してない地方に行って無事に暮らせる気がしないからボツだね。


 とりあえず、ここで生活していくためにもまずは状況整理しましょう。

 記憶によると、ここはメルドーアの宿屋。

 自分は駆け出しの冒険者で僧侶。

 数日前に冒険者ギルドで紹介されたパーティーに所属して近くの初心者ダンジョン攻略中。

 パーティーには自分以外に4人いて、男性ばかり。


 よく考えてみると男性ばかりのパーティーに女性1人で入ってダンジョンに行くって大丈夫なの?

 なんか教会育ちで世間知らずっぽいけど、非常に不安です。

 記憶を漁ってみても男性とおつきあいしたことないみたいだし、多分処女ですね。

 用心深くいきましょう。

 いまさら貞操観念とかどうでもいいけど、痛いしさ。

 医療とか未発達の世界で妊娠とかしたら危険も多そうだからね。


 そういえば、アリエルって容姿はどんなんだ?

 部屋を見回してみたところ、壁に鏡を発見。

 鏡があるんだ!

 そのあたりのことは未設定だったからねぇ。

 そういえば、王都ではウィンドウショッピングとかしてるイメージで書いた気がする。

 今考えるとガラスがあるってことじゃん、なんか文明的にそれどうなのって感じだけど、今となっては好都合。

 この世界にはガラスがある。よって鏡もある。

 もしかしたら、メガネとか望遠鏡とかもあるかもしれないね。


 鏡を覗き込んで見ました。

 お、若いね。

 そういえば年齢はいくつなんだろう? と記憶を辿ると17歳ですか。

 中等学校どころか、幼年学校も行ってなかったみたいだね。

 学力なし、とりあえず教会の手習いで文字の読み書きできるようだから問題ないね。

 この世界的には十分すぎる学力でしょう。


 でも17歳で結婚するんだよね、この世界は。

 それが普通なんだから、元の常識で考えてたらいけないね。

 アリエルは結婚適齢期ってことをしっかり覚えておきましょう。


 見た目もそこそこいいんじゃない?

 プロポーション的にも出るとこはしっかり出てるし、問題ないね。

 っていうか栄養が足りてないのかスマートだよね。

 ダイエットとかなしでこのプロポーションは羨ましいぞ。

 若さのおかげで肌もピチピチしてるし。

 ヒロインクラスにはきっと及ばないでしょうけど、この外見なら十分でしょう。

 いいねいいね♪


 でも髪が汚れてるなぁ。シャンプーとかないのよね、この世界。

 わたしの知識じゃシャンプー作り出すとかいうチートはできないしなぁ。

 スマホとグーグル先生、プリーズ!


 あ、鐘の音が聞こえる。

 カンカーン カーンと聞こえたから、三点鐘ですね。

 ってことは朝の6時か、

 そういえば、この0時から3時間毎に鐘が鳴って時刻を知らせるって設定は結局小説で使うの忘れてた気がするなぁ。

 王都のあたりで面会の約束とかあったから、あのあたりで使えばよかったなぁ。


 確か四点鐘の鳴る時間に冒険者ギルドに集合することになってたから、あと3時間か。

 夜中にいろいろゴソゴソしてたんだなぁ。

 もうすっかり目が覚めちゃってるからいいんだけど、ぜんぜん寝てない気がするよ。

 でも、今から眠れるものじゃないし、もし眠っちゃったら目覚ましとかないから絶対起きれないよね。

 異世界に限らず時計のなかった時代の人たちって待ち合わせとか大変なんだなぁ。


 準備してから行くことにしましょうか。

 でも、宿屋は朝食とか出ないはずだから、食べるものと言ったら買い置きのものくらいなんだよね。

 記憶を調べるまでもなく、テーブルの上に置いてあるこのパンが朝食なのか。

 美味しそうじゃないなぁ。 


 モグモグ。


 やっぱり固くてボソボソしてる。

 美味しくないよー。


 水差しのお水って、そのまま飲んでも大丈夫かな。

 記憶ではこのまま飲んでるけど、衛生的じゃない気がするんだよね。

 どうしよう……そうだ、浄化できるじゃん。

 浄化して飲みましょう。うん。


 衛生的でないと言えば、さっきから気づいてたけど一番の問題はあれだ。

 特に小説ではその設定とか考えてなかったんだけど、やっぱり中世の文化からして下水道とか発達してないんだよね。

 あの隅っこに置いてあるやつを使うしかないのかなぁ。

 アリエルの記憶とか調べてみてもどうやらそれで間違いなさそう……


 うぅぅ、トイレの設定をちゃんと考えておけばよかった。

 ご都合主義でもなんでもいいから異世界物ではトイレの設定が必須ですよ。

 おまるを使うしかないの?

 横に窓があるから、汚物は外へ捨てろってことだよね。

 

 この世界でやっていけるんでしょうか。

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