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来来スィング9  作者: ともピアノ
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来来スィング9

午後12:00、お昼の休憩時間の微細な音声アラームが、鳴っている。利用客には、違和感の無い音声で、鳴っている。

通じ合っての、動作なのか、社内の規定に似た、無駄のない、連携で、利用客に、遅短が、出ないよう従業員達の休憩交換が行われていた。


「利用番65番の方、・・・65番の方」

銀行の受付係の人が、客の利用番号を呼んでいる


「はい、はい」

利用客が、受付に向かって行く



「それでは、5万円の引き出しですね、ご確認下さい」

受付係の人が、通帳と、書類を確認して、紙幣の機会を操作して、受け皿に紙幣と通帳を乗せて、利用客に渡している



あれっ、聡の来来スィングバットは、・・・また、無くなっている

可笑しいなー

此れじゃ、来来スィングバット素振りして、あのお方に、会いに行けないじゃないか

でも、何で、こうも来来スィングバットが、無くなるのか

もしかして、ライバル出現かーーーーーー

おっと、おっと、静かにしないと、皆さん、すみません

でも、本当、従業員、少ないな、1、2、3人か

・・・お昼休憩か

にしても、3人は、少な過ぎるよ

警備員は、・・・いないぞー、ヤバくねぇーか

でも、聡は警備員がいるか確認したりして、可笑しいよな

もし、今、入り口から、3人位の人数で駆け出して来て

おい、金を出せー、と銀行強盗が現れたら

・・・いないか、来ないか、ふぅ〜

ある訳ないな、こんな、小さな銀行には・・・襲うなら

大手銀行だろうな

・・・入り口確認、無いな

本当、この位にしないとヤバイ奴だと、警備員を呼ばれてしまう。あっ、その方が安全だけどな

でも、聡の来来スィングバットは、何処に行ったんだ

いなくなるほど、可愛いと、有り難さを痛感させられると

ペットのようだ、可愛いとは、言えないが、大事な物

あのお方と聡を繋ぐ赤くは無いか、細くも、見えているので

探そう、探そう、おーい、来来スィングバット

何処ですかー、小声でね、仕事中の邪魔は出来ない

金かー、金かー、・・・金、下ろしに来たんだった

そう、あのお方に、今度、会った時の為に、お金を

そして、メロンパンも、購入して、会った時にプレゼントしようと考えてはいるが

・・・会えない、会えないんだよー、だから、最近、毎日メロンパン食ってる

妹の稚羅が、来来スィングバット隠すから、最近、来来スィングバット素振りが出来ない

まさか、・・・稚羅が、来来スィングバットを

・・・まさか、我が妹に限って、可愛い、稚羅が、そんな、兄の、聡の恋路を邪魔するなんて、心優しき・・・微妙だな

でも、銀行に入る時に、感じた、来来スィングバット感は、何だったんだろう


そう、こう、感じながら、奥の、勝手口兼非常口近くの

3人掛けソファーの左端に座っいる

まだ、受け付けも、記入すらしていない

ん〜、客も少ないな、両隣り受付に1人ずつ、受付の真向かいに3人座っているな

あっ1人入って来た、奥のソファーに・・・座らねぇーのか

ん〜、また1人入って来て、入り口で、何するんだ

・・・・・・・・


「おーい、金を出せ、金を出せ、速くしろ」

入り口にいた人が、脅すような、重低音に響く、怒鳴り声で、叫んでいる

直ぐに入り口から、何処から、持って来たのかライフルを肩に抱えながら、走って来た男が、入り口の仲間からバックを受け取り、そのまま、受付のカウンターを飛び越えて、上司が、座っている席まで駈け入りライフルを向けた。

「お前が、責任者か、そうだろう、おーい、バックにお金を詰めろ、有るだけでいい、速くしろ」


「おーい、動くなよ、静かにしていろ」

奥の非常口近くのにいる男が、怒鳴っている



おい、待てよ、マジかよ、グァーーと叫びたいけど、この場合、時が済むのを穏便に待とう


・・・・・ダメだ、変な自信を持つな

聡は、ただの中坊の野球少年だ、待て・・・待つな

行け、行け、行け、行け、聡の空想の心が、呼んでいる

行け、行け、行け、行け、ヒーローになれ、聡なら、出来る

出来るかーーーー

死ぬぞ、死ぬぞ、死ぬぞ、今、行ったら即死だ

行け、聡、行け、聡、今、行かないと、死人が出るぞ

見てみろ、受付のお姉さんの命乞いする表情を

見てみろ、受付の真向かいに、座って固まっている人達の

怯えた表情、凍えてしまいそうな助けを求める

ヒーローを、聡を、求める、木霊の、木霊になっている

生きたい、生きたい、死にたくない、死にたくないよー

・・・思い出すんだ・・・思い出すんだ

コントールの操作を

・・・思い出すんだ・・・イメージだ

先制攻撃、防御、必殺技の連鎖、防御、必殺技の連鎖

コントールの入力を

聡は、強いんだ、強いんだ、挑戦して来る輩を

バシバシと、ビシャグシャと、エイエイエイーンって

滅多打ちしたのは数知れず


よしっ、イメージだ、・・・・・・・どうする


敵は3人、上背も平均170cm

ちっ、体力では無理だ

武器は、敵は、金を集めてる奴が、ライフル、彼奴が、リーダーか、たぶん、ライフルを持ってるし

後は、無しか

先ずは、近くの此奴から

ダメだ、ライフルが狙ってる

先ずは、入り口の奴から

ダメだ、ライフルをライフルが有るんだから


如何にかならんのか


如何にかならんのか


如何にかならんのか


来来スィングバットが有れば、稚羅の奴か


あー何て事を可愛い、我が可愛い妹に奴呼ばわりか

情けねえ



ほんとう、なさけないよ、お兄、ヤツは、ひどいよ


何、稚羅なのか、可愛い稚羅か


お兄、ライフルのほうは、だいじょうぶ、ほら


あっ、・・・


こえだしたら、ばれるよ、お兄


じゃーいくよー、



いきなり、何処から、来たのか、空間から飛び出して来たのか

稚羅が、来来スィングバット見参と叫びながら来来スィングバットを振りかぶりから振り下ろして入り口の奴を仕止める


お兄ー、



その声に聡は、非常口近くにいる奴に、野球の、ランナー1塁から2塁へ、牽制するピッチャーの癖を1球の牽制で見抜いて、1、2塁間、中間の位置からピッチャーが、膝をバッターに向けた瞬間を逃さず走る、絶好の絶好調のダッシュからのスライディングのスライディングをして、脚を崩し、グラついた身体の顎下に、必殺技のアッパジャンプをし、仰け反る後頭部に必殺技の、回転キックを入れる


お兄ー、やりすぎ


あれー、けいびいんさん、いないの、たのんだのに

と、言いながら、ライフル男を、ぴょんぴょん飛び回って、近づき、来来スィングバットで、ライフルを壁に叩きつけて、壁ブロックに食い込んでいる

ライフル男はビビって、・・・していた。

幼児にはハシタナイよー


お兄ー、帰ろう


・・・来来スィングバットーーーーーー


「稚羅ー寄越せー」

「ダメーーーーーーーーーーーーーーーー」

「稚羅ーーーーーー来来スィングバット」

「ダメーーーーーーーーーーーーーーーー」


聡が、稚羅から来来スィングバットを取り戻そうと

取り合いをしている


あれっ、お金っ


「ダメーーーーーーーーーーーーーーーー」




何か、強く腕を引っ張られている

強く、強く、引っ張られる

何か、、話して行けないよな、大事な物を掴んでるような

何か、感じる強く、離すかコノヤロウー


ダメーーーーーーーーーーーーーーーー


えっ、ダメーーって、稚羅・・・稚羅か


部屋のベッドで寝ている聡の所に稚羅がやって来て

こっそり、ベッドの中に入ってお兄を起こそうとしている

聡は、来来スィングバットの感知を感じたのか

訳も分からず、稚羅の背に斜めに、侍が、背中に背負うようにして、紐で縛っている来来スィングバットを寝てる状態で、掴んでいた



「稚羅ーーーーーーーー、来来スィングバット」

「お兄ーーダメーーーーーーーーーーーーーー」

聡が、夢から目を覚ましている


「稚羅ーー、お兄は、お兄の事好きだろう」

「好きーーーーでも、お兄、いっちゃう、稚羅さみしい」

「直ぐ、帰って来るから、お利口にして、ゲームして待ってろ」

聡は稚羅から、来来スィングバットを返して貰うと

そのまま、顔を洗わずに団地の屋上へ行ってしまった。



稚羅は、ずっとひとりだった。

聡が、屋上に行っている間中

聡が部屋に帰って来るまで

何度も何度も何度も何度も聡の後を追った

屋上に向かってしまった聡の後を

玄関を出た稚羅は、部屋にいた。

玄関を出たのに部屋に稚羅はいた。


何度も何度も何度も何度も何度も

玄関を開けて聡を追ったが、部屋にいた。

幼稚園から帰った記憶が薄っすらとあるが、玄関出たら部屋にいた。

誰も、稚羅以外誰もいない部屋にいた。

両親は結婚15周年の祝いで、モルディブに旅行に行ったきり帰って来ない。

設定なのか、作家さんが、設定したのか

あまりにも酷い仕打ちを幼い稚羅は、受けている。


稚羅は、誰も帰って来ない時間を、いつ、後、どれ位待てば、聡が、帰ってくるのか知らない。


「お兄ーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「聞こえないか・・・・・・・・はあっ、ゲームしよう」


あれっ、ベッドのふとんの中に何かある

何だ、あっ、あまいーーーーーーーーーーーーーーーーー


・・・・・「お兄ーーーーーーーーーーーーーーーーーー」



どうした、どうした、ゲームでも、して待ってろって


「お兄ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」





稚羅、ごめんな、聡は、あのお方にまた、会いたいんだ。

来来スイングバット素振りが、来来スイングバット素振りを、しないと、あのお方との繋がりが、途切れてしまう気がして、怖いんだ。

稚羅、兄の、我がままを許してくれ

って、・・・稚羅は、来てないよな

稚羅に、兄の、難しい、幼い稚羅には、納得仕切れない

恋を知らない、初恋をまだ感じてない、そうであって欲しい、兄の願い、今は、兄を好きでいてくれ

そんな、優しいのか、冷たいのか、思いが強すぎるのか

寂しいのか、楽しいのか、笑ってしまうのか、諦めが、始まって来てるのか

そんな、兄の難しい表情を見せられない

見ないでくれーーーーーーーーー

そして、兄に、兄の知らない顔を見せないでくれーーーーーー

それにしても、気が付くと、来来スイングバットが無くなっている

作家さんの設定のせいか

作家さんの気まぐれか

作家さんの・・・・・・

まぁーいい

稚羅が、隠している様な感じを最近、感じる事もある

・・・稚羅を信じよう

来来スイングバット素振り120回

ふうっー、手はまだ、全然いけるな

気合いで、来来スイングバット素振り1000回行って見るか

最近、やれてないし、来来スイングバット素振り

稚羅、今日は・・・ゲーム疲れしたらベッドで、寝てろな、風邪引くなよ、歯、磨けよ

飯は、電子レンジのヤツ、チンしろよ

あーーーーーーーーーーー、イメージ、イメージ来来スイングバット素振りしないと気持ちが伝わらないんだった

行くぞーーーーーー、あのお方、待ってろ

来来スイングバット素振り1000回、やるぜーーーーーーーーーーーー


稚羅は、屋上にいた。

目の前に、聡が、来来スィングバットを振っているのが、見える

駆け出した

一心不乱に駆け出して行く

そして、聡の身体に、抱きついた、甘い匂いと一緒に

口にくわえたその甘い匂いは、稚羅と聡を繋いだ


そしてその甘い甘い匂いは、ふたりを包んでいた

一日千秋の思い

幼い稚羅からは、出て来る思いとは言えないが

その甘い甘い匂いは、聡の夢からの稚羅への

聡に会いたいけど会えない時間を過ごして来た

稚羅を思っての

贈り物だったのかも知れない





































































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