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経緯
オーベーグ帝国、サージバル帝国の些細な揉め事から発展した戦争は、いつしか各国を巻き込み、ヘシライ大陸全土を舞台としたモノに変わっていった。
多数の死傷者を出した戦いは10年に渡り続いたが、サージバル側が勝利した事で終止符が打たれた。
しかし双方の国は戦災孤児に溢れ、各地で孤児院が次々と作られる事になる。
敗戦国オーベーグにある「聖プレディカ孤児院」も、その流れで作られた孤児院のひとつだ。元軍人が経営しているので、「軍人なら守ってくれるだろうし、安心して任せられる」と色々な人が子供を見つけ次第そこに連れて行く。しかし、物分かりの良い者達はその施設を影でこう呼んだ。
「悪魔の作った復讐の檻」、と。