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異世界でも女子力は必要なんですかね?  作者: クズ
1:ドラゴンとの出会い
7/59

ゴルァ!

説明回。超長くなってしまったので、一旦切ります。このままじゃ町にたどり着けない!?

―――遡ること数時間前。


 つい数瞬のあいだではあったが、この世のものとも思えない、フラッシュグレネードばりの光を浴びた俺。(じゃあこの世のものではないってこともないじゃん)


 目の前は真っ白、やがて光は収まり、未だにチカチカする目と目のあいだのいわゆる眉間をぐにぐにしながら、俺は目の前にいるはずのドラゴン、もといトーカに尋ねる。


「で。今の眩~~~い光はなんだったわけ?」

「ぐるる、契約完了のお知らせ」


 なんで俺風に言うかなこのドラゴンは……ってあれ?

 なんか、さっきまでエコー掛かってた超ゆかりんヴォイスが妙にクリアに聞こえるな。


「てか契約ってなんぞね?」


 もう少しで視界がはっきりしそうな俺は、とりあえず最重要で気になる「契約」について確認する。


「ぐる、契約は契約。私とお兄ちゃんが、常に一緒にいるよっていう儀式だよ?」

「なるほどわからん、もう少し具体的にオナシャス」


 お、ようやく目のチカチカが取れてきたな。


「だから~、ようはシーナお兄ちゃんと私、トーカの永遠の誓いだよ!」


 で、目の前で喋ってるトーカの姿が、プリプリと起こるその仕草とともに見えてきた。


「……永遠の誓い、ってつまりさー」

「ぐる! 私お嫁さん!」

「…………。なんでやねーーーーーーーん!!!!!!!!!」


 俺は二重の意味で驚愕することとなった。

 ひとつ。俺の意思関係なしに結婚してしまったこと。

 ふたつ。それを言い放ったトーカが白髪蒼眼の、人間の幼女(・・・・・)になっていたこと。付け加えるなら、素っ裸である。


「くぁwせdrftgyふじこlp;@」


 わけのわからない言語(でもないか?)を発した俺をどうか許して欲しい。

 だって、イミフ状況まっしぐらな俺にしても、いま直面している状況は明らかに「おまわりさん、こいつです」状態だったからだ。


「まて、とりあえず待て。まずは、第一にだな……君、トーカ、なのか?」


 目の前の幼女マッパに向かって、指差し確認。


「うん! トーカだよ! 変化の魔法で、シーナお兄ちゃんと同じ人間に変身したの!」


 OK、ここまでは理解した。ちょっと気になる点があるが、そこは後回しだ。


「で、契約=結婚、なわけ?」

「そうだよ?」


 そこが解せぬ! このままでは俺は幼女と結婚したロリコンになってしまう! おまわりさん、俺です!


「ストーーーーップ! そこがおかしい! 俺と君、出会ってまだ10分くらい! 何故結婚ということに!?」


 ロリコンであることにそこまで忌避はない! だが! 俺にも心の準備が!


「ぐる? あ、人間の結婚とは意味が違うよ? あくまで、トーカがお兄ちゃん大好きになったから、契約したっていうだけのおはなしだよ?」


 WHAT? つまり、憲法違反ではない? セーフ?


「でも、契約破棄は原則できないから、病める時も健やかなる時もトーカはシーナお兄ちゃんと一緒なの♪」


 なんかあんまり違いがねぇええええええ!!


「再びストーーーーっぷ! そもそもだ! なぜ出会って直ぐに俺のことが大好きに!? いや、それはそれで嬉しいんだが!」


 人から好かれて嫌ということはない、この場合ドラゴンだが、見ての通り幼女にもなれる……ってそれが問題なんじゃーん!


「ていうか、なんで幼女なの!? 変化できるのなら、せめて16歳以上の結婚可能な年齢にだな!?」

「むー。そんなにいっぺんに聞かないでよー。まず、私の外見だけど、変化の魔法には縛りがあってね。模倣した相手の種族や物質体(ストゥーラ)の情報はコピーできるんだけど、それ以外の性別や一部の種族特性と年齢は、術者自身のモノに固定されちゃうの。だから、見た目はお兄ちゃんそっくりになれるけど、年齢と種族特性―――人間の場合だと髪や瞳の色は私のモノになっちゃうの」


 パニック状態の俺を呆れるように見つつ(若干屈辱である)、トーカはとつとつと説明する。

 とりあえずなるほどなるほど。確かに、顔の作りは今の俺の美少女顔を幼くした、所謂美幼女顔である。


「で……私が、お兄ちゃんを好きになった理由は……」


 うん、そこ重要。確かに幼女になったことも重要だけど、独身の俺からするとそこは最重要。


「……一目惚れ(ぽっ」


 …………うん?


「え? 一目惚れって……。今の俺、めっちゃ女の子なんですけど……トーカさん。ガチな百合っすか?」

「がちなゆり? ってなーに?」


 あかん、若干、ほんの若干だけど遠まわしに言ったつもりだったけど、言語の壁が容赦なく俺に迫る!

 ええい、つまりだな!


「だから! トーカは女の子なのに女の子が好きなんだよな! って話だ」


 ズギャーーーン! という背景を背負った(つもりの)俺が目を見開き問いただす!


「……。ち、ちがうよーーー!! 私が好きになったのは、お兄ちゃんの精神体(アストラル)だよーーー!!」


 出たな精神体(アストラル)


「いや、俺にはその精神体とやらがよくわからんのですよ。もうちょっと俺に分かる言葉でプリーズ!」

「ぐるぅ~……恥ずかしいから、一度しか言わないよ?」

「おっけーばっちこーい!」


 よしよし、これでさらにイミフなことを言うのであれば即座に断っておまわりさんの魔の手から俺は逃げt


「……シーナお兄ちゃんの男の人としての心が、好きになったの……(照」


 …………。


「ぐっはああああっ!?」

「お、お兄ちゃん!?」


―――しばらくおまちくだしあ


「ぜぇっ、ぜぇっ」

「お、お兄ちゃん、だいじょうぶっ!?」


 し、死ぬかと思った。言うにことかいてこの幼女、俺の心が好きになっただと!?

 そんなもん、言われてみたい告白ゼリフ俺ランキング第1位に輝く名誉ゼリフだぞ!?


「感無量……だが」


 だが……。


「だが?」

「だが! お前は幼女だ!」


 ズギャーーーン! 再び。


「ぐるるーー!?」


 打ちひしがれる(ようなポーズを取る)トーカ。


「すまないが、俺の世界の常識では、16歳以下の少女とは結婚できないんだ。気持ちは非常に、ひっじょおおおおおおに嬉しいんだが、俺は、君を娶ることは……」

「ぐる!? ちょっと待ってよお兄ちゃん! 私の一族は5歳から契約可能なんだよ!? しかも相手側の都合は関係ないんだよ!?」


 おい! ドラゴンの責任者出て来い!

 可及的速やかに倫理観の見直しを要求する!!


「まてまてまて、だってさ、ほら、年齢的にまだまだ未来がたくさんあるじゃん!? わざわざそんな未来を踏み倒してまで俺みたいなロクデナシに惚れる必要もないというかさ!」

「ぐる! 私たちドラゴンは、一度決めた相手以外は見向きもしないの! 年齢なんて飾りなの! 好きになったらそれでいいと思うの! それと、私が好きになったお兄ちゃんとはいえ、お兄ちゃんを貶めたらダメなの!」


 ぐはあ! なんか強情な言葉に紛れて俺の俺に対しての誹謗中傷から庇ってくれてるこの子は何なの!?

 天使? 天使なの!? いいえドラゴンです!!


「いやいや、まあそれはうん、悪かった! でもな! あ!」


 そうだ! そもそものこの大前提は覆せまい!!!!


「今の俺は美少女! つまり女だ! そして君も女の子! これじゃあ子孫も作れないし、非生産的な結婚というのはだなーーー」

「ぐる? ドラゴンに生殖行為は必要ないよ? 精神体(アストラル)同士の触れ合いで一定値の基準に達すると、卵産むんだよ?」


 …………。


「な、なんだってえええええ!?」


 何それ初耳(この世界の大概のことはそうなんだが)!

 え、ちょっと待って、それはそれで問題ないのかもしれないけど、問題点が2つ!

 俺の認知問題と性の喜び問題(問題発言)だ!!


「あ、ちなみに生殖活動が出来ればそれに越したことはないの。精神体での受胎の場合、10年以上共に過ごさないとできないけど、生殖活動なら一発なの!」


 そこ! ょぅι゛ょが「一発」とか言わない!

 あ、でもそういうルールなのね。10年以上寄り添いあえばそりゃあ俺だって誰だって情も生まれるし、年齢的な問題は解消されるし、必然的に子供も欲しくなるけど子供ができない体質でもそんなときはこのアドバンテージは強いよな。

 で、肉体的であれば通常通り妊娠可能、と。お兄さんちょっと納得だわ~~……あれ?


「いやいやいや!!! そもそも幼女相手に結婚とかそれがまずおかしい!」

「ぐる! お兄ちゃん我が儘!」


 トーカが「めっ」っていうポーズで俺にズズイっと迫ってきたんだが、ちょっと待ってほしい。


「そもそも! 俺は何の許可もしてないのに! なんで契約(けっこん)っつー話になるんだゴルァァァァァ!!」


 俺の魂の慟哭がこだまする!!

タイムリミットなのです。明日も仕事なので一度切らざるを得ません。っつーか説明回のくせに説明が滞ってます。あと、目標文字が軽々オーバーしてて困ってます。

なお、明日は会社の行事で帰宅が午前様になりかねない悲劇。早く帰れれば続きを書きたいですが、おそらく明後日以降の更新になりそうです……。

2015/9/21 段落や行間を修正。

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