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異世界でも女子力は必要なんですかね?  作者: クズ
1:ドラゴンとの出会い
3/59

ッアーーー!

今度は一時間で書けた!(お酒買い出しとトイレ休憩を除く)

『GURURURURU?』


 トカゲさんの円らな瞳が俺にロックオン!


「し、しまったあああ!!!」


 こっそり様子を見るはずだったのに、予想外の光景(俺のパンツに戯れる爬虫類)についうっかり突っ込んでしまった!

 っていうか! あれってひょっとしてひょっとしなくても……ドラゴンじゃね?

 翼生えてる爬虫類って、それしか思いつかなくね?


『GURUGURU?』


 な、なんかドラゴンさん(かと思われる)が話しかけてきてる気がするんですが!

 な、なんか返さないといけないよね!? どどどど、どないすんねん工藤!!


「え……えっと……。……お……おいっす?」


 右手は振り上げてチョップ手前の状態で固定。


 ……。


(な、ないわあああ!!! いくらなんでもこの挨拶はないだろJK!!)


 あまりにもあんまりな自らの行動に、独り言が多い俺にしては珍しく内心で叫ぶ俺である。


『GURU?』


(ていうか、このドラゴンさん、俺と同じくらいの大きさなんですけど! 襲われたら絶対死ぬよね!? 食い殺されるよね!!? 死にたくないとかさっきまでちょっとシリアスに思い悩んでたくせに俺はバカなのかああああ!!!!)


 壁があったら頭突きをかましたいレベルで錯乱する俺であったが、体はおいっすの状態から動かせずにいる。

 いや、だって、ドラゴンだぜ? 下手に動いたら死ぬかもしれないじゃん?

 え? 既に下手うってるって? うっせーよ! 知ってるよ!

 でもあれだよ! ドラゴンさん、ちょっと呆然とした感じで固まってるし、最悪ってこともないんじゃね!?


「……」

『……』


 そんな感じで、お互い無言の時が続くこと十数秒。


(き、気まずい!!)


 とりあえず、襲ってくるような雰囲気もないのだが、相手は3mを超えそうな巨大なトカゲ……もといドラゴン(仮)である。これ以上は迂闊に動けない。

 けどまあ、なんとなく精神衛生上間が持たないので、とりあえず相手の容貌を観察してみることにする。

 まず外見は先述のとおり、翼の生えたでっかいトカゲ。色は白い。

 爬虫類?だからなのか、鱗が体面を覆っているようで艶々している。けれど、その艶々は毒々しいものとは言えず、陽の光を反射していてムヤミヤタラ神秘的である。

 口にくわえたパンツさえなければ。


 背中から生えている翼は、鳥のような羽毛ではなく、蝙蝠とかに見られる薄い皮膜が広がった感じの、翼竜のようなものだ(まあ翼竜なんてTVの恐竜特集のCG映像でしか知らないんだが)。

 だがそれは決して禍々しいものではなく、その薄い皮膜から透けて見える木の葉の緑と相まって、なんとなく優しい雰囲気を受ける。

 口にくわえたパンツさえなければ。


 腕と脚はそれこそ物語でよく見る西洋ドラゴンのそれだ。

 鋭い鉤爪。適度にがっしりとした肉付き。しかし不思議とそこに凶暴さは感じない。

 思いつくのはむしろ、スポーツ選手のような爽やかな安定感ではないだろうか。

 口にくわえたパンツさえなければ。


 瞳の色は綺麗な空色。瞳孔と思われる部分だけは縦長のラピスラズリのように色濃く、見ているだけで吸い込まれそうだ。

 口にくわえたパンツさえなければ。


 そして唯一恐ろしいと思えるのがその巨大な咢。

 口を閉じている状態にもかかわらず、立派な牙が迫り出している。

 だがその牙は銀よりも眩しい綺麗なものだ。

 恐ろしいほど綺麗とはこのことだろう。業物の刀にも通じそうな煌めきである。

 口にくわえたパンツさえなければ。


 総評―――



「とりあえずパンツ返してくれませんかね!?」


 食われるかも、という恐怖は虚空に消え去り、思わず突っ込まざるを得なかった。


 いやだってさ、悉くパンツが邪魔するんだよ!

 このドラゴン、ぶっちゃけスゲー神秘的でかっこいいんだけど、どうしてもパンツが邪魔なんだよ! 感動も激減だよ!


『GU,GURURU???GURUGURU、GURURURUWWWWW!?』

「いやいや、何言ってるかちょっとわかんねーんですけど!」


 ん? ちょっとってなんだ? ふつう、全く分からないもんだと思うんだが、なんかわかるような……。


『GURURU?GURUWWW??』

「なに!? ボディランゲージ的な雰囲気から察するに『あれれ?これってアンタのパンツなの??』と取れなくもないんだけどさ! とりま絵面的によくないんだよ! パンツ返して!」


 必死に訴えかける俺。

 だが、ドラゴンは『我が意を得たり!』的な雰囲気を醸し出して、目を輝かせている。ように見える。

 不思議なことにそう感じるのだ。


「……いやいや! それよりも! それって俺の唯一の下着なんだよ!! 頼むから返してくれよ!!」


 気づいてしまった驚愕の事実。

 あのパンツがないと、俺はこのままノーパン暮らしになるではないか! それだけはできれば阻止したい!

 ノーパンでいいのはキタキタのおっさんか美少女だけだろ!


「って、今の俺って美少女じゃね!?」


 頭を抱えて仰け反る美少女こと俺。

 なんとなく、人間でこそないが、意思疎通が図れそうな(?)生物相手についつい調子に乗ってしまったのかもしれない。


 だが……。


『GURU?(ごくん)』


 そんな、アホなボケをかました報いなのか。


「ッアーーーーーーーーー!!!!!!」


 哀れ。俺のパンツは、ドラゴンに食われてしまいました。

穴を掘られるかと思った? 残念! パンツが食われました!(……個人的にこういうアホな話は好きなんだが、客観的にこれって面白いのか?)

ともあれだ!

まだだ! まだ書ける!


2015/9/8 段落と行間を修正。

2015/8/26 ドラゴンさんの鍵括弧がまちがってたので修正

2015/8/30 ドラゴンさんの体長を1m超から3m超に変更 

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