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可愛い=正義さんの短編編集局

私の一日

ある暑い日の朝。暦の上では秋となったが、照りつ ける日差しは強く、背の低い私はアスファルトの照 り返しだけでも熱中症になってしまいそうだが、そ もそも素足で出歩いているのでアスファルトの上は 歩けず、日陰を歩く。毎日毎日家でゴロゴロしてい るのも暇なもので、お義母さんが仕事に行っている 間の朝から夕方までは外に出て近所をウロウロする のが最近の日課である。


途中で一匹の鳩に会った。私は幼い頃から動物達と 会話が出来たのでこの鳩と近所の事について情報交 換をしている。ちなみに私のお義母さんも動物達と 会話が出来る。いつもの様に鳩と近所の情報交換を 始めた。あそこで餓鬼が追いかけ回してきて迷惑だ ったとか、あの辺りのカラスは縄張り意識が強いか ら無闇に近づかない方がいいとか、すぐそこの交差 点で雀が事故で亡くなったとか、あまりいつもの事 と変わらない。私には行ける場所に限界があるから 退屈だ。鳩みたいに遠くへ行ければいつもと違う事 が、なんて考えたこともあるが、鳩として生まれた としても、そのうち鳩の目線でいつもと同じ風景を 見るだけになっていく。


鳩と別れた後、私は今まで一度も入った事の無いコ ンビニに入る。直ぐに店の外に追い出された。ここ って24時間営業じゃないの?あの人、万引きしてま すよ。私を怒鳴りつけてないで、あっちの人をどう にかした方がいいと思いますけど。必死に話かけて みた通じなかった様でずっと私は叱られていた。


途中で車に引かれそうになった。死ぬかと思った。 運転手が怒鳴りつけてきたが、お義母さんに比べた ら怖くなかった。今日は特に気分が悪かったので、 無視してダッシュで逃げた。


途中で若い男女が手を繋いで歩いて来た。前に同じ 様な状況を見た事があるけどその時、それを見かけ た人たちが皆口を揃えて「リア充爆発しろ」と言っ ていたのを思い出して、そう言うのがマナーなのか と思って私もすれ違いざまに『リア充爆発しろ』と 言っておいた。振り返って見た男女の顔は笑顔だっ た。言ったときは気分が良くなった気がしたが、男 女を見たら惨めになった。何これ?意味あるの?


途中で座って休憩していると、餓鬼が気安く頭を撫 でようと手を伸ばしてきたので、惨めな気分の私は 憂さ晴らしに思いっきり殴ってやった。餓鬼は泣い て逃げていった。気分はスカッとした。


途中でいつも帰りに寄るお爺さんの家にお邪魔した 。そこでは焼き魚が貰える。こんな事をしているの がお義母さんにバレたら小っ酷く叱られるので内緒 だ。焼き魚を食べた後は、礼も言わずに帰宅する。 いつもの事だ別に問題は無い。


今は私のベッドで仮眠を取っている。しばらくする とお義母さんが帰ってきた。私のベッドまで来たお 義母さんは私を抱き上げる。お義母さんは最近付き 合っている彼氏との結婚が決まったらしくかなり機 嫌のいい日を送っている。その彼氏が猫好きなら私 的には問題ない。私はマナーを守って『リア充爆発 しろ』と言ってあげた。今回は惨めな気分にはなら なかったが、「どこでそんな言葉を覚えたの!」と 小っ酷く叱られてしまった。何が気に食わなかった んだろう?言い方かな?なんか今日は散々な日だっ た気がする。

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