皮肉なんて食べてしまいたい4
次の日の朝天気は土砂降りだった。
「おい、由美が死んだって本当なのか?」
「ああ昨日の強盗殺人の犯人が轢いたらしいぞ。」
学校中に由美の死が知れ渡っていた。
泣くものが多かった勿論友達が亡くなったのもあるが亡くなったのが男子にも女子にも人気があった由美だったから。
「ねぇ!あんた由美と一緒に昨日いたんでしょ?なんで助けなかったの?なんであんたが助かって由美は死んじゃうの?」
クラスの女子達の集団が半泣きで怒こって問いてきた。
「あ、いやぁ、その・・・。」
「答えなさいよ!」
「そうだ!答えろ!」
男子も言いだし、廊下にも昨日の真実が知れ渡れ開の教室には泣いたり怒ったり由美とは喋ったことがない者たちが興味本位でこっちを見ている。
「早く答えろ!」
「早く言え!守れなかった理由を」
「黙るだけか?」
「何であんたが生きてんのよ!」
「おーい」
「お前ら自分のクラスに戻れ!1組は自分の席に戻れ。」
騒いだことに気づき急いで先生が駆けつけてきた。
「開、ちょっとこっち来い。」
「・・・。」
「お前、つらかっただろ目の前でな友達がな・・・」
「・・・。」
「今日はもう帰れ、今からは崎島をおもう会だ。見てて辛すぎるだろ。」
「・・・。」
開はリュックを取りに行く。
「は?あいつ帰るん?」
「逃げるんかよ。」
「キモ。」
「一生来るな。」
開に心無い言葉が刺さった。
「まだ強盗殺人捕まってないって。」
「知ってる!しかも警察がこの辺で目撃情報が合たって言ってたよ。」
「マジかー。」
「・・・。」
ブーーーン
―ん?あの車、黒のワゴン車、ナンバープレートが4649、しかも日本では使用されない「し」の文字。
開は黒のワゴン車を追った。 続く