パンをくわえたミノタウロスと曲がり角でぶつかりたい
ボケ野郎「春は出会いの季節……」
ツッコミ太郎「唐突に何か始まりましたが?」
ボケ野郎「私、この春からピチピチの高校一年生!」
ツッコミ太郎「普通自分で自分のことをピチピチなんて言う高校生いませんよ」
ボケ野郎「ぶっちぎりの最低偏差値で、無事難関校に入学!」
ツッコミ太郎「無事か?」
ボケ野郎「いっけなーい! 遅刻遅刻ー!!」
ツッコミ太郎「はいはい。曲がり角で転校生とぶつかるやつね。パンを咥えて走るのが定番ですよね」
ボケ野郎「ドンッ! キャッ!!」
ツッコミ太郎「案の定ぶつかりましたよ。素敵な出会いの始まりです」
ボケ野郎「ごめんなさい! パンを一斤咥えてたものですから!」
ツッコミ太郎「そりゃあそんなデカいの咥えてたら前も見えませんよ。ぶつかって当然です」
ボケ野郎「俺はミノタウロス……」
ツッコミ太郎「いきなりなんか出ましたよ!? むしろモンスターとエンカウントです」
ボケ野郎「すみません急いでますので!! タタタ!」
ツッコミ太郎「急いでいるというか……逃げた?」
ボケ野郎「転校生を紹介するぞー」
ツッコミ太郎「転校生が来ます。先程のミノタウロスじゃなければ良いのですが……」
ボケ野郎「ミノタウロスです。宜しく」
ツッコミ太郎「でたー!!!!」
ボケ野郎「それじゃあ、ミノタウロス君の席は……」
ツッコミ太郎「定石では主人公の隣ですが、今回だけは避けたいパターンですな」
ボケ野郎「ピチピチの隣が空いてるな」
ツッコミ太郎「最悪です終わりです。ゲームセットです。あと先生が言うとセクハラ発言です」
ボケ野郎「おい、女」
ツッコミ太郎「硬派な呼び方てすね。放課後屋上か校舎裏に呼び出しですよこれは」
ボケ野郎「パン……落としたぞ」
ツッコミ太郎「食いかけの一斤を御丁寧にどうも!!」
ボケ野郎「あ、ありがとう…………トゥンク」
ツッコミ太郎「ときめくな!!」
ボケ野郎「もぐもぐ」
ツッコミ太郎「そしてさらっと食うな!!」
ボケ野郎「ジャムつけると美味いぞ。俺が懐で暖めておいたリンゴジャム、お前にやるよ」
ツッコミ太郎「懐でリンゴジャム暖めてるミノタウロスってなんだよ!!」
ボケ野郎「トゥンク」
ツッコミ太郎「だからときめくな!!!!」
ボケ野郎「ブルーベリーとイチゴとピーナッツもあるぞ」
ツッコミ太郎「何個あるんだよ!」
ボケ野郎「やだ……用意周到過ぎて、ミノ子ときめいちゃう!」
ツッコミ太郎「お前もミノタウロスかーい!! お幸せになー!! ブーケトスは俺に投げろよー!」




