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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

異世界改革 7 貴族のお嬢様の呼び出し


今日はリヒトが国営施設の視察で出張だ。

こんな日は大抵ろくなことが起きない。


関係省庁に提案書を出しに行った帰り、あと宰相のところに報告と思いながら歩いていると、

『ちょっと顔かせや』という感じで呼びつけられました。

呼びつけた相手は伯爵令嬢。これが俺への告白ならうれしいんだけど、

・・・・嘘です。ごめんなさい。


貴族ってめんどくさいよね。

剣術学校時代も商家の子とつるんでいたため、よく呼び出しはあったけど、学校の先生に頼んで用事を言いつけるよう頼んだり、学校行事の委員会とか、とあの手この手で応じないようにしたし、

剣術の腕が上がったころは「へぇ、剣で話し合ってくれるの。嬉し~ぃなぁ。」と『にへらぁ』と笑えば逃げていくのに。

ここではそうもいかない。俺が子爵家三男ということで、それ以上の高位の貴族の申し出は応じなけらばならずで。


呼び出し相手はスピー伯爵家の次女エミーリエ・フォン・スピー嬢 17歳と護衛2名。

エミーリエ嬢は色白で、ふわふわしたブロンドの髪をハーフアップして綺麗なシュシュを飾りつけ、大きなグリーンの目を彩る長いまつげ、つやつやした唇のかわいい感じの子だった。

そして、きっとした目をして、開口一番


「リヒト様と別れてください。あなたとは不釣り合いです。身分が違いすぎます。あなたは貴族としての教育をうけてきたのですか? 調べてみたら、剣術学校出、それに比べ私でしたら、・・・・云々」


だよね。そうだよね。俺もそう思うわ。

考えてもみてよ。学校一の才色兼備のお嬢様の恋人が、モブ男だったら、俺でも納得できんわ。

このモブ男が彼女の周りに納得させるとしたら、メガネをとると超イケメンとか、影の族長だったりとか、変身する正義の味方だったりしないと、誰も納得できないよね。

俺、 メガネ持ってないし。バイク持ってないし、変身ベルトもってないよ。

何か得意なものあったけ? 

この子に俺がリヒトの恋人って納得させるものってなにかな? 

子爵家三男程度の身分はないようなものだし、顔も平凡。

剣術か? でもここ王城は俺並みだったらはいて捨てるくらいいる。第一師団なんて化け物集団だしな。

ほんとなんにもない。なにも持っていない。だからだよな。俺を選んだ理由のひとつ。というより俺がリヒトの手を取ることができた理由のひとつ。

まっ最初は勢いだったけど、今はがちで大好きだし。でへへへへ。


また声に出ていたらしい。

ちょっと引かれながらも、

「何も持たないのが選ばれた理由? 意味が分からない。」と伯爵令嬢。

「リヒト様が、今何件改革案を持っているとお思いですか?」

「いいえ。存じませんわ。それと何が関係あるの?」

「大きな改革案は今現在、5件です。将来的には十数件になる予定です。

これはほとんど、リヒト様がおひとりで抱えていらっしゃいます。

当然改革に当たって、保守的な人や変わることに嫌悪感抱く人が多く、その方たちを説得しながら、時には排斥しながら、時には命を狙われながら、頑張っていらっしゃいます。

仮にあなたと婚約したとしましょう。そうなると、リヒト様はあなたと伯爵家、そこにつかえる方々例えば、そこの護衛の方々の生活まで守りながら改革をしなければならない。あなたはリヒト様の負担になりたいのですか?」

彼女が息をのんだのがわかった。


「俺はリヒト様の守るものになりたくないんです。

俺はまだ大したことができないんですが、

横に立って、背負う荷物を少しでもいいから、担ぎたいんです。

背に回ってリヒト様のうしろを守りたいんです。

俺は子爵家三男でいずれは家から離れなければならないものですから、家のしがらみもありません。

もし俺が死んでも、家族は悲しむでしょうけど、家は安泰です。

何もないから、リヒト様を守れるんです。」と目を伏せた。

「それに、俺の平凡顔は便利なんですよ。王城内ではキラキラした人が多く返って悪目立ちますが、市場に出れば、埋没してしまうので、何かをするにお得なんです。」と俺はふっと笑い、また目を伏せた。





「・・・・・・失礼なこと言ってごめんなさい。勉強不足でごめんなさい。でも改革ってそんなに危ないことなの? 何をやっているの」と聞かれたので、うん、この子素直でいい子だと思った。

今現在着手しているもの「路面改革」「観光産業」「服飾関係の教育」等々を上げていった。

まっ守秘義務もあるから簡単にしか説明できないんだけどね。

さすが女性「観光産業」「服飾関係」には関心があったようで食いついてきた。

で、つい先日起きたことをぽろり

「観光産業の一環として東国の出店の話をとりきめました。

商業地区の出店場所、出店補助金、、賃料、関税等々の契約及び説明も詰めていき

出店商品を決めていく段において俺が希望を出したんです。女性をターゲットにしたらどうでしょうと

例えば、王城のメイドさんが冬には髪が痛むとかなんとか言っていたので、東国の椿油も出店商品に入れてはと提案したんです。

櫛も簪も女性受けすると思います。

そのためには商品選定の際にはぜひとも女性の意見も必要だと押したんです。

なるほどと、俺の意見は通りました。

でも、あの時は商品選定委員は男性しかいないので、後日、女性目線でということで城のメイドさんたちをメンバーに入れ再交渉に行ったんです。


再度の交渉の場でも、今回の担当者が男性のためか、商品説明ができなかったようです。なので、女性用商品は俺が買って出ました。

椿油はメイドさんの髪を使って実践したんですよ。またこの油、お肌の手入れに使えるので、メイドさんの顔のマッサージをしようとしたところ、部屋の温度が下がり、急に悪寒が。その場にいた全員の体調不良で話し合いは後日延期なりました。

何故か先方もあわてて、今日スタッフをそろえずに申し訳ないと俺ではなくリヒト様に頭下げてました。


城に戻ったとたん、リヒト様は般若の様相でして、俺は王城内宰相室へと魔族が出たと報告に急いだのですが、捕獲され、城で自宅で延々尋問&説教大会ですよ。

えらい目にあいました。怖かったですよ。なんでそこまで怒られなければならないのかとね。」



「それはあなたが悪い!!! なによ、かっこいいこと言っといて!!、」とエミーリエ嬢に頷く護衛。その後3人にめちゃくちゃ怒られた。

しかも三方囲まれ、正座の上のひざ詰めよ。逃げ場なしよ。30分続いたよ。



「ところで、東国の商品についてもっと詳しく。」と

もうね、そこから俺は1時間のプレゼンと15分の質問コーナーよ。疲れた・・・・





リヒト視点


15時の休憩時間。メンバーが1人増えた。スピー伯爵家の次女エミーリエ・フォン・スピー嬢。

彼女が入った時、クルトが「げっ」と言って、逃げようとしてたけど、エミーリエ嬢の護衛に捕まってしまった。

「私も商品選定なんかのお仕事があれば協力いたしますので

それと、クルトがなにか粗相したら、わたくしにお任せを。」とにっこり


クルト、一体なにしたの?


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