プロローグ 俺は……
初めて連載(続くかどうかわかりませんが)小説を書いてみました。ドキドキわくわく。誤字脱字はご愛嬌でおねがいいたします。一話短め、すぐ読めます!
目の前にこんなにも長い道のりが続いているのに、俺は一歩も歩くことができない。
――何故だ…何故俺だけがこんな目に遭わなければいけないんだ…やはり俺は生きていること自体が不吉なのだろうか。
何も考えられなくなってくる。ただ先ほどから頭の中に鳴り響く、俺を呼ぶ声がする。こんなことがありえていいはずがないのに、現実を受け入れようとしない自分を戒めようとする自分自身の分身なのか?――いや違う。女の声だ。しかし何処かで聞いたことのあるような声だ。何故だか落ち着く声。サンジュさんか?――それも違う。サンジュさんは俺が最初に…
――ですか?…ょうぶですか?…いじょうぶですか?
大丈夫ですか?
なんか前にもこんなことがあったような気がする。母さんが死んだときか?…
あいつに初めて会ったときか?あの庭で……
……ヴェルニカ!!!
ヴェルニカ?何を言っているんだ俺は。記憶の錯綜がひどいぞ…誰だ?そんなやつ…いるわけ…
忘れ去ろうとしている。俺はいままでの辛い思い出"だけ"を。
自分の弱さを嘆こうとしても、それが全く嘆きにすらなっていない。ただ滑稽なだけだ。
ふと、目の前に黒い影が現れた。少女の影だ。見覚えがある。なんだか懐かしくなる。母親?の少女のころの記憶?記憶は遺伝すると聞いたことがあるが、俺は母親とまともに話をしたことすらない。
――そのまま俺は気を失っていた。現実を受け入れられないまま。
……っ!!!!
気が付くと俺は、粗末なベッドの上に横たわっていた。