冒険が始まる
車をけむくじゃら野郎と一緒に降りると
ケルベロスが吠える
「ワンワン」ではない
れっきとした日本語だ。
もっとも三頭同時に喋るからほとんど言語として理解するには難しい
3頭ともが落ち着くと
まず、1つ目の頭が喋り出した、目のところに傷がある
ハー様、これでちょうど245兆回目の事故ですよ。いい加減気をつけてください
2つ目の頭は怒りながら言う、若干出っ歯に見える
俺の昼飯、、、
よく見るとドッグフードと書かれた袋の中身がぐちゃぐちゃだ
3つ目の頭はよだれを垂らしながら寝ていた、俺の勘違いだったようだ、吠えていたのは二匹だけだったらしい。
1つ目の頭の奴にこたえるようにけむくじゃらが
すまんべロス、運転するのは3年ぶりでどうも感覚がわからん
と言った
どうやらけむくじゃら野郎の名前はハー様で、ケルベロスの名前はベロスらしい
テキトウな名前だ
そんなことよりここはどこなんだよ
と俺が尋ねると
ここは冥界だ
とハー様が言う
それを聞いて
あ、やっぱ俺死んだのか
と少し悲しみを覚えた
死んだことは素直に受け入れられたが
甲子園と日向のことが気がかりでしょうがない
きっとトラウマになってしまっただろう
もしかしたら野球をやめてしまっているかもしれない
あいつならどの球団からも引くてあまただろうに
だから
なあ、ハー様 日向は今どうしてるんだ?
と聞いてみた
するとハー様は
今現実世界では時間が動いておらぬから何も起きていないぞ?
と言う
俺は時間が動いていないと聞き、一瞬思考停止したあと
え、なんでと口に出ていた
その答えは
お前の死はこのままいくと多くの人にショックを与える結果となる
だからいきかえらせてやりたいと思う。
しかし生き返らせるための材料が今きれていてな、
小僧にとりにいってほしいんじゃ
というものだった。