四十五冊目
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┃◎終わりも始まりも ┃
┃ 06/03(火曜)┃
┃ 【1】 ┃
┃・リクさんとまた一緒になれて┃
┃、本当に本当によかった。 ┃
┃・もう離れたくない。 ┃
┃・これからもずっとリクさんと┃
┃一緒に、人生を歩んでいきたい┃
┃って思う。 ┃
┃・リクさんといると、幸せを実┃
┃感する。 ┃
┃・ずっと泣いてばっかりだけど┃
┃、可愛いねっていつも言ってく┃
┃れて本当に嬉しい。 ┃
┃・リクさんには、私のパパとマ┃
┃マに本当のことを言った方がい┃
┃いって何回も言われてる。 ┃
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┃ 【2】 ┃
┃・全然決心はつかないけど、サ┃
┃ポートするって言われたから少┃
┃しは気持ちが動き始めてる。 ┃
┃・まだ時間は掛かりそうだけど┃
┃、この症状のこと、パパとママ┃
┃に言うしかないよね。 ┃
┃・お姉ちゃんもこの件に関して┃
┃、何でも相談してって言ってき┃
┃てくれて、すごく嬉しかった。┃
┃・仲間って、なんて素晴らしい┃
┃んだろうって、改めて思った。┃
┃・リクさんとお姉ちゃんに出逢┃
┃えて、本当によかったって思っ┃
┃てる。 ┃
┃・もちろん、出逢った全ての人┃
┃たちに感謝を伝えたい。 ┃
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┃ 【3】 ┃
┃・なかなか言えてなかったけど┃
┃、友達には打ち明ける決心がつ┃
┃いた。 ┃
┃・今日、打ち明けることにする┃
┃。 ┃
┃・打ち明けることを悩み始めて┃
┃から、結構経ったよね。 ┃
┃・なんかグズグズと今日まで来┃
┃ちゃったけど、もう今しかない┃
┃。 ┃
┃ 【終】 ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
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┃◎大切さが何かを遠ざける ┃
┃ 06/04(水曜)┃
┃ 【1】 ┃
┃・リクさんが見守ってくれたか┃
┃ら、友達に秘密を話すことが出┃
┃来た。 ┃
┃・電話の間、ずっと手を握って┃
┃、大丈夫だよって囁いていたて┃
┃くれたから、頼もしかった。 ┃
┃・ずっと友達には私から連絡で┃
┃きる状態だったのに、連絡しな┃
┃かった。 ┃
┃・全然、言えなかった。 ┃
┃・親友に言えない秘密が多いの┃
┃は、親友だからかな。 ┃
┃・強く想っていたから、言えな┃
┃かったのかな。 ┃
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┃ 【2】 ┃
┃・何でもっとはやく言わなかっ┃
┃たんだろうって後悔した。 ┃
┃・リクさんがいなかったら、一┃
┃生言えずにいたかもね。 ┃
┃・最初にこの老けていく症状を┃
┃友達に伝えたときは、ポカンと┃
┃してた。 ┃
┃・声はいつも一緒に喋っていた┃
┃時の私と違うし、戸惑うのは当┃
┃然だよね。 ┃
┃・でも、一緒に遊んだこととか┃
┃、私たちにしか分からないこと┃
┃を言ったら、嗚咽に近い呼吸と┃
┃鼻をすする音が聞こえ出して、┃
┃こっちまで涙が溢れてきちゃっ┃
┃た。 ┃
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┃ 【3】 ┃
┃・私の方が倍くらい泣いて、泣┃
┃きわめいてたかもね。 ┃
┃・電話じゃなくて、今度実際に┃
┃会おうってことになった。 ┃
┃・私は今すぐにでも会いたい。┃
┃・私が友達と一緒の年齢になる┃
┃深夜0時に会うのは難しいから┃
┃、朝に会おうってなった。 ┃
┃・朝の私は、もう成人越えてる┃
┃んだけどね。 ┃
┃・面影が全然ないかもしれない┃
┃な。 ┃
┃・電話をしたときは、二人一緒┃
┃にいたみたい。 ┃
┃・本当に本当に仲がいいなって┃
┃思った。 ┃
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┃ 【4】 ┃
┃・普通に時間が進んでいたら、┃
┃私もそこにいたんだよね。 ┃
┃・その中に、これから溶け込め┃
┃るかは分からないけど、そうな┃
┃りたいって思ってる。 ┃
┃・今は友達のことを一生懸命想┃
┃っている場合だね。 ┃
┃ 【終】 ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
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┃◎いつもの公園 ┃
┃ 06/05(木曜)┃
┃ 【1】 ┃
┃・二人の友達と近所の公園で会┃
┃ってきた。 ┃
┃・前は毎日そこで待ち合わせて┃
┃、学校に行ってたんだよね。 ┃
┃・私がいなくなってからも、ず┃
┃っと二人で公園に集まって、通┃
┃学してたみたい。 ┃
┃・わざわざ朝に、二人から会い┃
┃に来てって言うのは少し気が引┃
┃けたから、ちょうど良かった。┃
┃・本当に懐かしかったな。 ┃
┃・ランドセルを背負ってる二人┃
┃の姿は、本当にあの時のままだ┃
┃った。 ┃
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┃ 【2】 ┃
┃・歩く姿って、みんな本当に特┃
┃徴的だよね。 ┃
┃・二人が来たとき、すぐ分かっ┃
┃たもん。 ┃
┃・二人に会えた嬉しさだけが心┃
┃に入ってきたから、泣かなかっ┃
┃た。 ┃
┃・でも二人はあのときの電話み┃
┃たいに凄く泣いてた。 ┃
┃・男の人に買ってもらったブラ┃
┃ンドバッグとか、ジュエリーと┃
┃かはもちろん付けて行かなかっ┃
┃た。 ┃
┃・アニメとか海外ドラマにハマ┃
┃ってたから、友達とアニメの話┃
┃題で盛り上がったりした。 ┃
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┃ 【3】 ┃
┃・友達は、誕生日に私があげた┃
┃シュシュをしっかり付けてくれ┃
┃ていて、笑みがこぼれた。 ┃
┃・前に見かけたときも付けてい┃
┃てくれてた。 ┃
┃・ずっと付けてくれていて嬉し┃
┃かった。 ┃
┃・巨乳だねとか、美女だねとか┃
┃。笑顔で言ってきてくれたりも┃
┃した。 ┃
┃・前の状態にだいぶ戻れたかな┃
┃。思ったよりもすぐに打ち解け┃
┃られた。 ┃
┃・ママにはまだ打ち明けてない┃
┃ことを言ったら、手伝ってくれ┃
┃るって。 ┃
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┃ 【4】 ┃
┃・私たちの絆は何よりも強いか┃
┃らって。本当にいい友達だなっ┃
┃て思った。 ┃
┃・ママに言うってことは、他と┃
┃比にならないほど大変なことだ┃
┃からね。 ┃
┃・リクさんを一番に想ってる私┃
┃だけど、リクさんは私にママを┃
┃一番に考えてほしいみたい。 ┃
┃・みんなママやパパに打ち明け┃
┃るべきだって言うけど、まだど┃
┃うしても踏み出せない。 ┃
┃・こんなカラダじゃ、小学校に┃
┃戻ることも難しい。だけど、頑┃
┃張るしかない。 ┃
┃ 【終】 ┃
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┃◎精神が慣れてゆく ┃
┃ 06/06(金曜)┃
┃ 【1】 ┃
┃・教授は本当に頑張ってくれた┃
┃。 ┃
┃・私のためにずっと一生懸命に┃
┃研究してくれた。 ┃
┃・今の私にとっての、憧れの人┃
┃になってる。 ┃
┃・あの人は変態だから、たぶん┃
┃自分の興奮のために研究してい┃
┃たりすると思う。 ┃
┃・でも、今まで私の症状の研究┃
┃をずっとしてくれて、本当に感┃
┃謝してる。 ┃
┃・長い間、研究をし続けてくれ┃
┃ていた。 ┃
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┃ 【2】 ┃
┃・でも、このままやっても、最┃
┃終地点にはたどり着けないみた┃
┃い。 ┃
┃・教授がお手上げ状態だって聞┃
┃いたとき、あまり残念だなとは┃
┃思わなかった。 ┃
┃・もう、治らなかったらそれで┃
┃いいかなって、正直思った。 ┃
┃・私の他には誰も存在しない、┃
┃この症状を隠したいって気持ち┃
┃も、前に比べれば少し薄くなっ┃
┃てきたかな。 ┃
┃・カラダがもう、この生活を受┃
┃け入れてる。 ┃
┃・だから、望みが消えたなんて┃
┃思わない。 ┃
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┃ 【3】 ┃
┃・もうパパとママに本当のこと┃
┃言っちゃおうかな。 ┃
┃・言わないままだと、本当に苦┃
┃しい。 ┃
┃・今になって、我慢出来ないほ┃
┃ど苦しくなってきた。 ┃
┃・言うことは言わないことに比┃
┃べたら、そんなに苦しくないか┃
┃もしれないよね。 ┃
┃ 【終】 ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
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┃◎終わり、そして始まり ┃
┃ 06/07(土曜)┃
┃・昨日の昼までは決心してなか┃
┃ったんだけど。 ┃
┃・パパとママにあのことをつい┃
┃に打ち明けた。 ┃
┃・ついに打ち明けてしまった。┃
┃すごくスッキリした。 ┃
┃・私が10歳の女の子になる午┃
┃前0時頃にした。 ┃
┃・ありのままの姿で、ありのま┃
┃まをぶつけていった。 ┃
┃・本来の姿の方が気持ちも入れ┃
┃やすかったから、10歳のとき┃
┃にした。 ┃
┃・電話になっちゃっけど、それ┃
┃以上は無理だった。 ┃
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┃ 【2】 ┃
┃・パパとママの視線を感じなが┃
┃ら話したら、どうかなっちゃい┃
┃そうだから。 ┃
┃・側にはリクさんがいた。リク┃
┃さんが手を握っててくれなかっ┃
┃たら、たぶん出来なかったと思┃
┃う。 ┃
┃・お姉ちゃんはママとパパを、┃
┃家に行って見守ってくれていた┃
┃。 ┃
┃・友達に背中を押されたから、┃
┃ママとパパにこの症状の事実を┃
┃打ち明けられたのかもね。 ┃
┃・思ったよりもママは冷静だっ┃
┃たな。 ┃
┃・ただいまパニック中。 ┃
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┃ 【3】 ┃
┃・これを書いてる途中でトイレ┃
┃行ったりしてたら、部屋が変わ┃
┃ってた。 ┃
┃・部屋が綺麗に飾られてた。 ┃
┃・朝早いから、まだリクさんは┃
┃寝てると思っていたら、どこか┃
┃行ってる間にいつのまにか装飾┃
┃したみたい。 ┃
┃・それで、プロポーズされた。┃
┃・それはつまり夫婦になるって┃
┃ことだよね。 ┃
┃・よく分からないけど口からす┃
┃ぐ、ハイッて出てきた。 ┃
┃・ハッピーエンドだよね。 ┃
┃・今の状況は飲み込めてないけ┃
┃ど、とにかく嬉しい。 ┃
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┃ 【4】 ┃
┃・肩の荷がスッと降りたすぐあ┃
┃とに、天に昇るような高揚感が┃
┃包んでくれたような感じかな。┃
┃・なんて幸せなんだろう。症状┃
┃は治らなくても、幸せならいい┃
┃って思えた。急激に老けるのは┃
┃止まって欲しいけど、この幸せ┃
┃はずっと続いて欲しいな。 ┃
┃・今度は家でママと一緒に料理┃
┃が作りたいな。 ┃
┃・リクさんとの年の差は時間が┃
┃いくらでも埋めてくれるよね。┃
┃・あっ、ハッピーエンドじゃな┃
┃くて、まだまだこれからだから┃
┃、ハッピースタートだね。 ┃
┃ 【終】 ┃
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