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ー月曜日ー 裏道カレイド  作者: 虹峰 滲
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モノローグ

◇登場人物◇


 檻原 柵(おりはら・さく)   学生

 沫河 冷華(まつかわ・れいか) 学生


 溝朽 霙(みぞくち・みぞれ) 元遊園地ガイド

 黒屑 最果(くろくず・もか) 遊園地オタク

 裏野 うらら(うらの・うらら) オーナーの孫

 伝言坂 言伝(でんごんざか・ことづて) 廃墟写真家

 濃紫 小麦(こむらさき・こむぎ) スタッフ

 裏道カレイド



「復讐のために人を殺す人がいる」

「そうだね」

「愛のために人を殺す人がいる」

「そのとおりだ」

「正義のために人を殺す人がいる」

「悲しいことにね」

「どうして人を殺すんだろう」

 殺すことは、いけないことなのに。

「それはね、簡単なことさ」

 彼は言う。

「復讐のために人を殺す人は、復讐のために生きている人だ。愛のために人を殺す人は、愛のために生きている人だ。正義のために人を殺す人は、正義のために生きている人だ。人はね、大切なもののためなら、人なんて簡単に殺すんだ」

 彼は悲しい目をして言った。

「柵、君は一体、何のために生きている?」


 僕は、

 僕は答えなかった。


「残念」

 彼は笑いながら言った。

「柵が何のために生きているのか知ることができたら、君を人殺しに出来たのにね」

 彼の目は、狂気に満ちていた。



 ミラーハウスの鏡に囲まれた空間の中で、彼の歪んだ笑顔を見た気がして、以前の会話を思い出した。

 彼とのあの出来事以来、僕は生から避けてきた。

 自分自身の生からも。他人の生からも。


 しかし、生きている限り、死からは逃げられないし、

 また、生からも逃れられないのだ。

 世の(しがらみ)という名の、袋小路からは。決して。



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