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花言葉ものがたりより「竜胆」

 今日は社には戻らないと言っていたのに、ほろ酔いのまま戻ってくるなんて。

 私が睨むと「こんな時間まで仕事してるのは、君くらいでしょ」と、タイを緩めながら笑う。


「彼女は、どうしたんです?」

「それがねえ、聞いてくれよ近君」


 あ、来た。私はキーを打つ手を止めて、顔を上げた。

 

「彼女ねえ、就職先の係長からプロポーズされたらしいんだよ」


 やっぱり。


「それであなたはなんと?」

「え? なんと? そりゃあ、おめでとうしかないよねえ」


 彼女は、あなたに止めて欲しかったんじゃないでしょうかね?

 という言葉は飲み込む。

 あなたが不幸そうな女性を見つけては貢いで、就職先まで世話したり、深い仲になったりして、その挙句に別の男に横取りされるという愚行を繰り返すたびにもやもやとしていたんですけどね。

 私も最近分かったんですよ。

 あなた、不憫な女性がかわいい、自分の手で幸せにしたい、そういうタイプの男ですよね。つまり幸せになってしまった女性には、執着がない。

 まあ、そんなあなたを見てほくそ笑んでいる私も私なんですけどね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 当人は自分の傾向に気づいているのかいないのか。 きっと無意識なんだろうなぁ。 繰り返してしまうパターンが外からはよくみえるようで。 ループから抜け出すのはいつかしら。 そしてその時語り手は何…
[一言] 竜胆の花言葉を調べてみました。いろいろありましたが、”さびしいあなたに寄り添う”というのが、この男性にピッタリだったかも。 悲しんでたり寂しがってる女性に、男性は弱いですね。保護欲をそそるの…
[一言] こういう人は友達の位置をキープしているのが一番長く付き合えるんですよね…… でも、けして手に入らなそうで、そこはツライ。
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