3話 バスケ少女
もう一人のヒロイン登場です。
「私は文化委員としてクラス代表についていてやってるだけなんだからね!」
「戸田さん。それ7回目・・・」
戸田さんがギャアギャア騒いでいる。
「それに、今日は二人じゃないだろ」
今日は戸田さんと罰ゲームのデートではなく、クラスでデパートに来ていた。
文化祭。
体育祭と並び、高校生活を代表するイベントだ。
クラスごとの出し物として、うちのクラスはメイドカフェをすることになった。
メニューはオムライスとカレー、ジュースとコーヒーだ。
文化祭を翌日に控えた今日、僕たち2年4組は教室の装飾係と買い出し係に分かれた。
「よーし。パッパと済ましちまおうぜ」
高木が呼びかける。
クラス代表は一応僕なのだが、実質的なクラスのリーダーは高木だ。
「まずは手分けして、食材を買おうぜ」
僕たちは待ち合わせ場所を決めて、散開した。
僕は米担当か。
でも、このデパート初めて来たから、よく分かんないだよな。
僕が弱っていると、野菜売り場で平原美冬さんを見つけた。
「おーい。平原さん」
僕が名前を呼ぶと、少し驚いたような表情をした。
「・・・なに?」
「そんなに身構えないでよ。平原さんこの辺りが家だよね」
「・・・うん。そうだけど」
「よかった。実はこのデパート初めてでさ。案内してくれない?」
「・・・襲ったりしない?」
「しないよ!僕を何だと思ってるの!?」
僕はそんなに危険視されているのだろうか?
「男はみな野獣とお兄ちゃんのベットの下に隠してある本に書いてあった」
「偏見だぁ!」
「それで・・・どこに行きたいの?」
「ああ、うん。僕は米担当なんだよ」
「そう。じゃあ行きましょう」
「野菜はいいの?」
「・・・大体買い終わった。それに・・・」
「それに・・・?」
「それに、少しあなたに興味があるから」
平原さんがポニーテールを揺らしながら僕の横を歩く。
色白でおとなしい印象のある平原さんだが、バスケ少女だ。
「平原さんはバスケ部だっけ?」
「・・・うん。一年生の時からレギュラーよ」
「一年生から!?うちのバスケ部強豪じゃなかったっけ?」
「・・・うん。毎年、最低でも県大会には行ってる」
なるほど。文化少女っぽい雰囲気なのに、
運動神経抜群というギャップがいいと、クラスの男子からも大人気なわけだ。
ずっと下を向いていてよく分からなかったが、よく見ると顔は整っていて美人だ。
もしかして、僕は今とてもうらやましい体験をしているのではなかろうか。