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第3章 17・月

インターゲット王国軍が接近してきてます。

ホーリーはどうやって立ち向かうのか。

第3章 17・月


 2体の強力な吸血鬼ヴァンパイアの脅威は去りましたが、同時にウィン姫とヘルツォーク二世も姿を消し(ウィン姫は寝に宿に戻っただけですが)、ひとり残されたホーリーには、インターゲット王国軍との折衝が待っています。


 戦闘に備えて、ホーリーは宿泊している宿に戻り、睡眠ガス砲を装備します。

 この際、吸血鬼ヴァンパイア対策用の聖水スプレーは必要ないので、置いておきました。食事処にはウィン姫の姿はなく、未だに熟睡中であろうドワーフのギャンとヘルツォーク二世用の御膳が残っています。


 「あの、すみませんが、この御膳はもうさげてもらって構いませんので」

ホーリーが忙しそうに走り回る仲居さんにそう声をかけてお願いをしました。


 「あら、そうけ」

目をパチクリさせながら仲居さんはそう答えて、御前を運んでいきます。

 

 こんなところにインターゲット王国の軍隊が到着したらえらい騒ぎになります。


 【ご主人様、インターゲット王国軍騎馬隊三千、魔法使い三百、この宿まで二百mまで接近しています】


 「みんな一緒に行動しているのかな?」

スマホアプリのマリエッタとホーリーは状況の確認をします。


 【騎馬隊百が先陣。中軍に騎馬隊二千、魔法使い三百、殿しんがりに騎馬隊九百という布陣です。戦闘能力はこれまで出会ってきたものたちと比べると格段に落ちますが、軍隊特有の連携による攻撃がありますのでご注意ください】


 ホーリーは睡眠ガス砲を右手に持ちながら宿を出ました。

 

 「ガスの有効範囲は五mだったっけ。三発くらいでどうにかなるのかな。このウイングブーツがあれば気づかれずに攻撃も可能だしね」


 ホーリーはそう言って微笑みました。数は多くても相手は人間です。これまで相手にしてきた連中に比べると組みやすいことが、ホーリーに余裕を与えています。


 【問題が発生しました。ホーリー様、上空をご覧ください】


 マリエッタにそう言われて、ホーリーは歩きながら夜空を見上げます。

 大きな月が浮かんでいます。

 でも半分は雲に隠れていました。


 【雲が多くなってきました。月が完全に隠れてしまうと召喚ターンが終了となります】


 「えー!!!!だって、どっちにしてもまだ2時間経過していないよね」

ホーリーが慌てて質問します。


 【暗黒の宝玉の力を解放したので、夜の魔法具の効果は最後に封印を解いた力が有効になります】


 「なんでそんな大事なことを今頃!ってことは朝まで使えなくなるってこと!?」


 【はい。そうなります。どちらにしても2時間は経過しますので夜明けには召喚ターンは終了しています。あとひとつ召喚できますので、夜明けまで待てば……】


 「いやだって、僕は待つけど、あっちの都合もあるからねー。無理でしょ。夜明けまであと何時間あるの?」


 【……8時間です】


 「8時間―!!さすがに8時間も話し合いはできないでしょ。戦闘になったらどうするの?」


 【目標が百mまで近づいてきました。ここは援軍を要請すべきかと】

 

 「援軍?何それ?」


 【ウィン姫とギャン様のお力を借りるべきかと】


 「ああ、そういうことね」


 見上げるとあれだけ大きな月が完全に雲に隠れ、辺りは漆黒の闇に包まれようとしていました。


 【ここは緊急を要する事態です】


 「わかったよ」

ホーリーは宿に走ります。途中で月が完全に隠れて、その瞬間に持っていたガス砲が消え、銀の鎧もウイングブーツもなくなりました。


 「またまた裸足かよ」

ホーリーはそうぼやきながら宿に向かうのでした。


こちらも気温がプラスになってきましたが、最低気温は相変わらずマイナス二ケタです。でも確実に春の気配を感じ始めています。

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