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第3章 14・戦闘準備

インターゲット王国軍が近づくなか、ホーリーたちは温泉と食事、そしてワインンを堪能していました。

第3章 14・戦闘準備


 「ごちそうさまでした」

ホーリーは出された食事を満喫し、食べ終えました。

 ドワーフのギャンは寝たままで降りてきません。

 吸血鬼ヴァンパイアのヘルツォーク二世も、陽が沈んでも現れませんでした。

 ウィン姫だけがほろ酔い加減で、窓枠に腰かけて夜風にあたりながらまだワインを飲んでいます。


 (たぶん、20杯以上は飲んでいるなー)


 ウィン姫のピンクの浴衣姿の背を見ながら、ホーリーは唖然としています。

 ワインを運んでくる仲居さんすらその飲みっぷりに呆れていました。


 (まあ、それだけ平和ってことか……)

 ホーリーは内心でそう思いながら、3杯目のワインを口にします。ごちそうさまはしたものの、このままウィン姫だけを残してはいけませんでした。


 しかし、この異世界には季節というものはないのでしょうか。

 さわやかな夜風が部屋を満たしていきます。

 暑くもなく、寒くもなく。ちょうどいい気温でした。


 【ご主人様、敵意をもった者が数名、こちらに向かってきます】


 スマホアプリのマリエッタからの交信です。ワイヤレス機能で直接、ホーリーの頭の中に語り掛けてきます。


 (ヘルツォーク二世じゃないの?)


 【いえ、ヘルツォーク二世様の魔力とは別のものですが、近いものを感じます。おそらくは吸血鬼ヴァンパイアではないでしょうか】、


 (そんなに頻繁に吸血鬼ヴァンパイアは人間の世界に出没するものなの?)

ヘルツォーク二世の魔力の凄さを間近で見ているだけに、ホーリーはなるべくかかわりたくないと感じていました。


 【吸血鬼ヴァンパイアがギミリスト連合の国内に現れるのは稀です。数年に1度、もしくは数十年に1度でしょう】


 (そうなのー。僕はなんか毎日会っているような気がするけど)


 【ヘルツォーク二世様は別です。ウィン姫への求婚という目的がありますから。よほどのことが無い限り、吸血鬼ヴァンパイアから現れることはありません】


 (ってことは、またその、よほどのことが起こったってことか……)


 【激しい殺意を感じます。どうやら2名です。どちらも吸血鬼ヴァンパイアですね。凄まじい魔力を感じます】


 (装備を召喚しよう。吸血鬼ヴァンパイアに効果的な武器や防具はあるのかな)


 【伝説の吸血鬼ヴァンパイア狩人キラーが使用していたムラマサという刀がございますが、扱いが非常に難しいです。防具であれば銀の鎧があります。特別な銀の鎧で、大概の吸血鬼ヴァンパイアの攻撃を防げます】


 (ガードプロテクトを召喚すると、強力な魔法を跳ね返して被害が出るから、そっちの方がいいかな。武器はもう少し手ごろな物がいいんだけど。十字架とか。ニンニクとか)


 【強力な聖水があります。浴びせれば一撃で消滅させることができるでしょう。しかも吸血鬼ヴァンパイアにしか効果がありませんので、周囲に被害は及びません】


 (それがいい。じゃあ銀の鎧と聖水、あとはウイングブーツかなやっぱり)


 【承知しました。速度で相手を上回れれば聖水の命中率もあがります。よい選択かと】


 (OK。インターゲット王国の軍はそろそろ着く頃じゃない?)


 【途中で足を止めて、魔法使いの一団との合流をしようとしています。おそらく吸血鬼ヴァンパイアたちの方が早くこちらに着くかと思いますが】


 (それ用の装備も必要かな。暗黒の宝玉を解放したから、月が出ている間は召喚ターンを気にしなくてもいいんだよね)


 【今晩は月が出ていますから好都合です。インターゲット王国軍とも戦闘の準備を?】


 (まあ、戦いたくはないけど、もしものことを考えてね)


 【王国軍の兵士を殺したとなると、後々面倒なことになりますが】


 (そっか……じゃあ、睡眠ガスみたいな感じでいこうかな)


 【承知しました。それでは4つ目の魔法具はガス砲で。半径5m圏内の人間は即座に眠らせることができます。砲弾も30発ありますし、飛距離は30mです】


 (よーし、それでいこう。5つ目はもしものときのためにとっておくから)


 【それでは召喚いたします】



 三つ巴の戦闘がいよいよ始まろうとしておりました。


こちらは最近、天候が安定してますよ。

雪もほとんど降りません。

日も長くなってきましたねー。もうすぐ春です。

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