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第1章 33・一騎打ち

第1章 33・一騎打ち


 ガミジン族の蟻塚に攻め込んだヨークたち一行の前に、巨大な門が現れました。

 門兵の姿はありません。

 

 ギー……


 門が音をたてて大きく開かれました。

 ヨークたちを招待しているかのようです。


 「また罠だろうなー」

 煙草の白い煙とともにヨークはため息をこぼしました。

 ここまでの道のりで全員が傷つき、疲労は極限に達していました。


 ヨークたちにはトリミング王国で囚われたケリーの救出という使命があります。

 共に進撃してきたシグナリ族には、ガミジン族に逆襲し、自勢力を拡大するという目的がありました。


 ここで立ち往生しているわけにはいきません。


 まずキリュウが肩に巨大な剣を担いで、門をくぐります。

 歴史を感じさせるような古くかび臭い門でした。


 松明の火で辺りを照らします。


 とても広い空間のようで端が確認できません。


 「おそらくは女王の間か、それに匹敵するような将軍蟻の間でしょうね」

キリュウの背後からヒューイがそう語り掛けます。小さな声ですが、暗闇に響いていく感じがしました。


 シグナリ族3千あまりも門をくぐり侵入します。


 壁を見つけました。狭間さまは見当たりません。敵をおびき寄せて叩く場所ではどうやらないようです。


 「凄い殺気だな……この奥にどんだけの巨大蟻アントがいるんだか……」

ヨークの言葉通り、キリュウは松明の火が届かない奥の異常な殺気を感じました。


 奥に進むにつれて、暗闇の中に赤い光が目に付くようになりました。

 何千、何万という赤い光の点が、ガミジン族の目であることは明白です。


 ギー……


 背後で門が閉まる音が聞こえてきました。


 赤い光の点は背後にも溢れています。


 ヨークたちは完全に周囲を囲まれている状態です。


 「1万ってとこかな?これが最終決戦だといいんだけど」

ヨークにはもう攻撃に使える矢が数本しか残されていません。


 「四方を囲まれている状況は、やはり不利ですね」

ヒューイはそう言って長槍を構えます。


 周囲の床に松明を置きました。これで3mほどに近づいてきた敵は感知できます。


 「ひとり当たり3~4匹ぶった斬れば済む話だ」

キリュウも呼吸を整えながらそう言って巨大な剣を構えました。


 すると、松明の火に照らされるなかを大きな影が動きました。

 今までの巨大蟻アントが子どもに見えるほどの大きさです。


 「こりゃ驚いた。熊でも餌にしていそうな大きさだな」

キリュウがその姿を見て大きく深呼吸をしました。


 超巨大蟻バ・アントの両側にはそれよりかは幾分小さな巨大蟻アントが1匹ずつ。右側の巨大蟻アントが何かを咥えています。


 「あれがケリーちゃんだよ、生きてるのかな?」

ヨークが咥えられている物体が女性であることに気が付きました。身体からだはボロボロですが、微かに動いています。


 超巨大蟻バ・アントが2、3歩前に出ます。


 ギギギイギッギギギギギ……


 人間の大人ほどの大きさのあるあごを震わせて、何かを伝えようとしていました。


 「ここまできて降参しろってことじゃないよね……」

「いや、どうやら一騎打ちをご所望のようだぜ。全軍入り乱れての戦いは、向こうも望んでいないようだな」


 キリュウが前に出ます。


 「この剣は吸血鬼ヴァンパイア殺し用で、虫斬り用じゃないんだが、いいぜ、相手してやるよ」


 「キリュウ殿、巨大蟻アントの中には、念力サイキックを使いこなすマスタークラスもいるそうです。お気を付けを」

ヒューイがキリュウにそう声を掛けましたが、魔力を持った吸血鬼ヴァンパイアを数え切れないほど葬ってきているキリュウです。今更、巨大昆虫ムシ念力サイキックに遅れはとらないことでしょう。


 「周りの連中は、一騎打ちが終わるまでは襲ってこないようだね。頼むよキリュウ」

「ああ、任せてけ。ヨーク、お前はあの囚われている女を救出しろ」

「OK。そっちはなんとかするよ」


 かくして、黒き破壊者キリュウと超巨大蟻バ・アントの一騎打ちが幕を開けるのでした。


今週は毎日午前3時に更新できそうです。

来週からが厳しそうですね……。

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