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第1章 24・THEL

第1章 24・THEL


 ホーリーが最後の4つ目に召喚した魔法具は、THEL(戦術高エネルギーレーザー)という高出力のレーザー砲です。

 出力は180キロワット。計算上では戦艦も一撃で破壊します。無反動装置がついているので、これだけの威力であるにも関わらず、人間ひとりが両手を使えば扱える代物です。


 赤い光線レーザーが横一列に地面を薙ぎ払います。


 夜の闇を月光とともに赤い光が照らします。


 何匹の巨大蟻アントが重なっていても、いとも簡単にそのすべてを貫いていくのです。

 瞬く間に動き回れる巨大蟻アントの数は減っていきます。


 さらに後方の兵隊蟻の3部隊には、左翼からウィン姫、ナターシャ、ラムサスが襲い掛かり、右翼からは巨人バスケスと雷撃の呪文スペルを駆使したノエルが攻撃を仕掛けていました。


 先行した2部隊は即座に壊滅。


 ホーリーの放つ赤い光線レーザーは後方の3部隊にも容赦なく襲い掛かります。

 中央は何もできずに吹き飛び、後方の兵隊長たちもウィン姫とバスケスに混乱のなかで首を討たれて、部隊の指揮を執るものもおらず、陣形はもはや崩壊しています。


 それでもなお女王蟻クイーンの命令を忠実に守り、蟻塚目指して突撃していく兵隊蟻が後を絶ちませんでしたが、ホーリーの赤い光線レーザーの前にはどうしようもできません。

 カッターで布を割くように、身体からだを切り刻まれ、地面の土と一緒に吹き飛びます。


 戦闘開始から10分経過したところで、ホーリーはレーザーを放つのを止めました。


 まだ動いているのは数十匹の巨大蟻アントくらいです。

 それもウィン姫に斬られ、バスケスに頭を潰されて死んでいきます。瀕死の重傷のなか、必死に立ち上がろうとするものはナターシャに首を噛み砕かれて次々ととどめを刺されていきます。


 攻め寄せてきた10万のガミジン族のうち、戦闘員たる2万の兵隊蟻はこうして壊滅したのです。


 残ったガミジン族は8万あまり。ここに女王蟻クイーンもいました。


 

 「す、凄い威力ですね、裸足の魔導士の魔法は!こんな魔法は初めて見ましたよ」

少年ノエルがホーリーのもとに駆けつけてきてお喜びです。


 「それにしても貴様の魔法は威力があり過ぎる。私の出る幕がほとんどなかったわ」

ウィン姫は銀の剣を鞘に戻しながらそう言いました。心なしか愛犬ナターシャもホーリーの凄さに敬意を払っているようにも見えます。


 「残りの8万も今の戦況を見て、怯えて動けなくなったようだな」

巨人バスケスは驚きよりも、むしろ呆れ顔でホーリーを見て言いました。


 「どうしますか?このまま一気に本陣を叩きますか?」

王国軍将校ラムサスはまだホーリーに対して冷ややかですが、その力は充分に認めたような口ぶりです。


 「そうですね。ここは早く決着をつけて、ケリーさん救出の部隊に合流しましょう。ワープ専用小型車が故障してしまってすぐには合流できなくなってしまいましたから」

そう答えるホーリーにも焦りがあります。

 召喚できる数の制限である4つの道具をもう使用してしまっています。ここからは時間との戦いです。制限時間はそれぞれ2時間です。2時間をオーバーしてしまうとその後24時間は召喚ができません。


 「敵は怖気づいたようでもう攻めてはこぬな。さて、女王対決を楽しませてもらうとするか」

ウィン姫はそう言って、レーザーで掘り返された地面と巨大蟻アントの破片を踏みつけながら、前に進んでいきます。

 ナターシャとラムサスが後に続きました。


 ホーリーはレーザー砲を握りしめ、バスケス、ノエルとさらに後に続きます。


 月光の下、視界に映る光景は、びっしりと黒に覆われていました。

 さすがにまだ8万の数がいるのです。その圧力はホーリーたち全員が感じています。


 「我が名はウィン・ド・トリミング。トリミング王の娘だ。ガミジン族の女王に一騎打ちを申し込む!!」

ウィン姫は先頭に立ち、堂々と名乗りをあげました。


 「姫様、またそのような勝手なことを……だいたい巨大蟻アントに人間の言葉など聞き取れません」

ラムサスがすかさず止めにかかります。


 「いや、そうとは限らぬ。現に裸足の魔導士は、クイと心を通わせたではないか。言葉ではない。思いが伝わればよいのだ」


 ガミジン族の群れがざわめきます。


 そして群れの中から超巨大な1匹の巨大蟻アントが現れました。あごの大きさだけでも他の巨大蟻アントの倍はあります。


 「どうだラムサス。我が意は通じたようだぞ」

ウィン姫は嬉々として剣を抜き、前に出ます。格好は薄手のノースリーブに黒のショートパンツ。一撃でも受けたらひとたまりもない装備です。


 「よいか、誰も手出しは無用。女王同士の一騎打ちに水を差すような無粋ぶすいな真似をしたらただではおかぬ」

背後のホーリーたちをそう言って睨みつけ、さらに前に進んでいきます。


 ウォーン……


 ナターシャが一声鳴きました。


 「ナターシャ、いい子で待っておれ。そう長くはかからぬからな」


 もうウィン姫は振り向きもしません。


 さすがのラムサスも一騎打ちに割って入ることもできず、奥歯を噛み締めウィン姫の背中を見つめていました。


 (ここから一騎打ちって……こっちは時間ないんだけど……)


 ホーリーだけは時間を気にしてソワソワしているのでした。


今日も北海道はずっと雪が降っています。

今日ももう1回くらい雪かきが必要かも……

それでも明朝3時に更新しますよー。

Haa……感想が欲しい……

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